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私が対州馬を絶滅から救いたいと思う理由  その80

馬の本能を目の当たりにする①

 

 

山の馬場のすぐ近くには、ある施設が飼養している6頭ほどの馬がおり、その運動場がありました。

6頭は騙馬が2頭で、あとは牝馬でした。

その牝馬たちが出入りをする馬場に、あまり深く考えずにひん太を連れて行き、綱を放ちました。

その時は、軽く運動になればいいかなぐらいの気持ちだったと思います。

運動場の入り口のゲート(と言っても、単管パイプを横に通しただけのもの)を閉め、外から様子を伺っていました。

 

あきらかにいつもと様子が違っていました。

地面の匂いを嗅ぎ、そわそわして落ち着きがない様子でした。

思えばこの時、牝馬が残した尿の匂いを嗅いでいたのでした。しばらくすると、落ち着きなく動き回りだし、やがて駆けだしました。

それでも「大丈夫だろう」と思っていた私の予想を越えて、助走をつけたまま出入り口の方へ向かったひん太は迷いなくゲートを軽々と跳び越えると、更に敷地外へと続く坂道を駆けあがっていきました。


 

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江島 達也/対州屋
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