昭和47年発刊の「子ども日本風土記」は当時の子どもの作文を各県ごとにまとめてあるものですが、「大人ならではの利害を考えた忖度」もなく当時の風俗や家族の暮らしの様子をリアルに伝える貴重な資料となっています。
今日に照らすと、家族観などおおいに参考となるとか考え、何回かに分けて紹介いたします。
昭和47年と言えば、高度成長期の真っ最中であるが、農家の暮らしは今も昔も、さほど変わっていないのかと思います。
今、何もかもが「値上げ」で、「スーパーの野菜も高くなって買えないね」等という会話をするが、野菜をつくるというのは、こういうことなのだと、あらためて思い知らされます。
また小学5年生と言えば、だんだんと口数が減って、ぶっきらぼうな感じがし始める頃ですが、内心はこれほどまでにもナイーブに家族や世の中のことを感じていたのだなと思います。
出稼ぎに出る前日に、スーパーの食堂で、子どもの好きな食べ物をいっしょに食べる姿というものは、時代を越えて、その情感がを伝わってきます。