昭和47年発刊の「子ども日本風土記」は当時の子どもの作文を各県ごとにまとめてあるものですが、「大人ならではの利害を考えた忖度」もなく当時の風俗や家族の暮らしの様子をリアルに伝える貴重な資料となっています。
今日に照らすと、家族観などおおいに参考となるとか考え、何回かに分けて紹介いたします。
北九州市小石小学校は、北九州市若松区にある小学校です。
明治から昭和初期において、好景気に涌いた筑豊炭田の集積地であった洞海湾の海に接する地区にあり、製鉄から金属加工、海運など一大工業地帯であったわけですが、昭和30年代から40年代にかけて炭鉱の閉山が相次ぎ、それに伴う鉱工業も次第にさびれていきました。
父親に給料が支払われず、生活を支えるお金にも困っていた状態というのは、小学生であった田口さんにとって、とっても辛いものだったでしょう。