子ども日本風土記 (岩手) 「 馬の死 」 1 江島 達也/対州屋 2024年12月24日 09:30 馬 の 死今年 二歳の馬おせりに出したがあんまり安いので 連れ帰ってきたすると二十八日から病み出した獣医をたのんできたらふんづまりだという苦しいのだろう馬はぶるぶる ふるえてころんでしまうそれをむりに起こし鼻から 石けん水をつがれおしりから 腕を肩の方まで入れる一晩中 寝ないで看病したが次の日も その通りとてもだめだ 今晩は死ぬだろうその晩も 父とともに眠らずにいただが 三十日の朝まだ死なないでいるのでおどろいた八時のころだふんを少しずつ出しはじめたこれは生きると みんな一安心したそこで酒をのませたわけだ家の人は生きるといったから喜んでいた父は 一晩もねむらないし二日、仕事もやらず馬を助けようとしたのだとてもだめだといった時顔色を変えてただ だまっていたこんどは 生きるといったから安心して「めけものした」といっていた二十九日 一時間学校へおくれてきたのも馬のためだところが三十一日の晩であるふんをたれるが首をたれてあるくこれは おかしい獣医は生きるといって家に帰ったしどうにもならないまさか死ぬとは思わなかったみんな ろにあたっていた十一時すぎひえ打ちをして父が見た「死んでら」と 涙をうかべていた馬は死んだのだ苦しい苦しいといって 死んだのだ一日の朝獣医にたのんで 解ぼうしたら筋骨が折れていたそうだ二十七日の晩 木戸の木が折れひどい音がしたその時ふまれたのだそして三日も物を食わずに死んでいったみんなため息をついてただ くやむばかりだった。(岩手郡城内中三年 渡部 清一)昭和47年発刊・日本子ども風土記(岩手)より「死んでら」と 涙をうかべていたこの一文は、私にとって。重くのしかかるものだ。馬の死というものは、とても表現できない。飼い主であった者にしか理解ができない。飼い主にとって、それは「世界が変わって見える」ほどの出来事なのだ。画像はイメージであり、記事とは関係ありません。岩手郡城内中学校で検索しても、何もわかりませんでした。 ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! ※「チップ」は有難く拝受させて頂きます。もし、この記事が多少でも役に立った、或いは「よかったので、多少でもお心づけを」と思われましたら、どうぞよろしくお願いいたします。贈って頂いたお金は1円たりとも無駄にせず大切に使わせて頂きます。 チップで応援する #馬 #岩手 #岩手郡 #城内中学校 #岩手郡城内中 1