映画「リバー・ランズ・スルー・イット」の原作は、持ち込まれた全ての出版社で門前払いだった
映画「A river runs through it」は、ブラッド・ピットの登場とともに大ヒットし、その予告編では「偉大なるアメリカの書籍」という文字が流れますが、全く調子のいい?表現です。
Norman Maclean 1902 - 1990
映画にある通り、シカゴ大学の教授となったマクリーンは、学生の間でも人気が高く、名誉ある賞も何度か受賞しています。
70歳で退官した後、2年の歳月をかけて執筆したのが、映画の原作「A river runs through it (邦題:マクリーンの川)」です。
74歳において処女作であったこの「A river・・・」を本にするため、出版社をまわったところ、大手出版社からは、「北西部の山と木と魚の話」では、話にならないと、門前払いをくらっています。
そこで仕方なく最後には、自身の所属したシカゴ大学出版局から刊行しています。
しかも初版5千部刷ったものの、売れ残りを心配して3千部しか製本されませんでした・・。
しかし、発刊されるやいなや、大方の予想に反し、「A river・・・」は売れ続け、残りの2千部を製本しても注文に追いつかず、結局発売から1年で1万部が売れました。
大手出版社が大々的に宣伝しても、新人作家が出した本は、5千がやっとと言われていた時代のことでした・・・。
つまり、この「A river・・・」、ノーマンの、弟に対する思いが、もう少し弱ければ、世に出ることは無かった・・わけです。
映画にもあるとおり、「マクリーンの川」の中では、淡々と釣りや自然の様子が綴られ、弟ポールが亡くなるのは、最後から、わずか6ページ前のことです。
映画の中で、釣りの途中、ポールが兄、ノーマンの「一緒にシカゴへ行かないか?」という問いに対し、「Oh, I never leave Montana, brother!(オレはモンタナを離れないよ!)」と答えますが、なぜか、ここが私が最も心に焼き付いているシーンです。
いろんな意味で深いっていうのか・・・・
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