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【非情怪談/意味がわかると怖い話/消えた友人の記憶】

消えた友人の記憶


主人公は最近引っ越してきたばかりの町で、新しい友人を作ることに成功した。

その友人は非常に親切で、町を案内してくれたり、地元の情報を教えてくれたりして、すぐに親しい仲となった。

毎日のようにその友人と時間を過ごし、楽しい日々を送っていた。

しかし、ある日を境にその友人が突然姿を消した。心配した主人公は、その友人の家を訪ねるが、そこには誰も住んでいない様子だった。

周りの住民に友人のことを聞いても、「そんな人は知らない」と言われてしまう。主人公は自分が何かおかしくなったのではないかと疑い始める。

さらに不思議なことに、その友人と一緒に撮った写真やメッセージも消えてしまい、友人の存在がなかったかのように思える状況に追い込まれる。

しかし、彼の記憶の中では確かにその友人と過ごした時間があり、絶対に忘れることのできない瞬間があった。

日々が過ぎるにつれて、主人公は次第に自分自身の記憶が曖昧になっていくことに気づく。

友人の記憶だけでなく、過去の出来事や自分の名前、仕事、家族のことさえもぼやけてきて、現実感が薄れていくような感覚に襲われる。

まるで、自分が誰であるのかさえもわからなくなっていくのだ。

彼はなんとか記憶を取り戻そうと必死に過去の痕跡を探すが、何かがそれを阻んでいるかのように、頭の中は霧がかかったようにぼんやりとしたまま。

そして、ある日、彼は古い写真アルバムを見つける。

そのアルバムには、自分が写っているはずの写真が一枚もなく、代わりに見知らぬ人々の顔が並んでいる。

写真をよく見ると、そこには自分が「友人」として記憶していた人物が写っていることに気づく。

しかし、その写真は何十年も前のものであり、すでにこの世にはいないとされる人物だった。

さらに、自分の名前すら思い出せなくなっていく恐怖に駆られた主人公は、ついに病院を訪れる。

そこでは「認知症外来」と書かれた看板があり、待合室には多くの患者が座っている。

受付で名前を呼ばれるが、自分の名前がわからず、無意識に足が動き、呼ばれた先の診察室に入る。

診察室で医者に名前を聞かれるが、何も答えられない。

その瞬間、彼はすべてが白紙に戻ったような感覚に襲われ、誰であるかも、なぜここにいるのかもわからなくなってしまう。

ただ、医師の瞳の中に映る自分の姿は頬が垂れ虚無の目をした老人だった。


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