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【意味が分かると怖い話/タイトルは一番下に】



序章: 忘れられない人物


主人公の彩奈は、母の誕生日に家族写真を見返していた。

古いアルバムを開き、懐かしい記憶を振り返っていると、ふとある写真に目が留まった。

家族と一緒に写っているはずの場所に、知らない男性が立っているのだ。

彼の顔はぼやけておらず、まるで家族の一員であるかのようにくっきりと映っている。

「こんな人、家族にいたっけ…?」

彩奈は不安を抱えながらも、その夜は深く考えないようにして眠りについた。だが、それが間違いだったことに気づくのは、数日後のことだった。



第1幕: 写真の中で増えていく男性


数日後、彩奈はふともう一度アルバムを確認することにした。

すると、以前には気づかなかった別の写真にも、同じ男性が写っていることに気づく。

しかも、その男性は、彩奈や家族と一緒に笑顔で映っている。

彼の顔には親しげな表情が浮かび、まるで彼が家族の一員であるかのように自然に溶け込んでいた。

「これ…どういうこと…?」

彩奈は不安に駆られ、両親に写真を見せた。

しかし驚いたことに、両親はその男性をまるで昔から知っているかのように振る舞い、彼の存在に全く疑問を抱いていない。

「この人、誰なの?」と尋ねる彩奈に対し、母は怪訝そうな顔で口を開いた。

「この子は本当に、何言ってるの」



第2幕: 記憶の歪み


彩奈は自分の感覚が狂い始めているのかと思い始める。

家族の写真には次第に、彩奈が記憶していない場面や知らない人々が増えていく。

最初は1枚だけだった写真が、次第に増え、アルバム全体がその男性と不気味な思い出に染まっていく。

その夜、彩奈は夢を見る。

夢の中で、彼女は家族と一緒に食卓に座っていたが、そこには知らない男が座っている。

男はにっこりと微笑みながら「家族だよ」と言う。

夢から目を覚ますと、寝室の壁には、その男が映った写真が飾られていた。彩奈は確かにその写真を見た覚えはなかったのに。



第3幕: 崩壊する現実


彩奈は写真の存在が現実に影響を及ぼし始めていることに気づく。

写真の中の男性が、日常生活に介入し始めていたのだ。

家族との会話の中でも、彼は話題に上るようになり、まるで彼がずっと家族の一員であったかのように、家族全員がその男性を語り始める。

そして、ついに彩奈は、自分のアルバムの写真の中に自分自身の姿がぼやけて消えていくことに気づく。

彼女が写っていた場所には、徐々にあの男が存在するようになり、彼女の存在は薄れていく。「私が消えていく…」



最終幕: 完全なる侵食


ある日、彩奈はふと気づくと、自分の写真は全てアルバムから消えていた。家族との写真も、友人との思い出も、すべてが消え、その場所には例の男性が映っている。

母親に「私たちの写真、どうしてこの人ばかり写ってるの?」と尋ねても、母は不思議そうに「彩奈、あなた何言ってるの?写真に写ってるのはあなただよ」と答える。

次の瞬間、彩奈は鏡を見て自分の姿を確認した。

だがそこには、自分が映っておらず、彼が立っていた。


タイトル: 「私」


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