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2023/01/08年末年始キャンプツーリング東京から本土最南端へ最終日[旅人の終着点]

2023/01/08
起床7時半ごろ
レストランの朝食提供開始を知らせるアナウンスで起きた。大体6時間ほどぐっすり眠ることができた

さてもう既に後悔の五分の二ほどが済んでしまった事実が悲しいが、今日は太平洋上でゆったり過ごそうと思う

起床してゴロゴロしてても暇なので船内散策。程よくデッキに出られる場所を探したが、どうにも立ち入り禁止エリアが多い。



強風、ということで立ち入り禁止にしているのだが、船は強すぎる潮風が良いんだよと。はまゆうは多少風を浴びれるところがあったが「すずらん」はどうにも楽しくないなと思ってしまった。

利用客が多く、それでいて規模も大きいとなるとルールを厳格化しなければならないのは、当たり前と言えば当たり前だけど、少し物足りなくなってしまう。

しゃーないな、と思いつつ船内散策に戻る


続いては船内に設置されていた謎解きで暇つぶし。ヒントがあってもなかなか難しい。昨日の夜から少し気になっていたので、その時点で問題は知っていたが、結局30分ほどで解き終えてしまった。多分30分ぐらい。

もっと時間潰せるかと思ったし、難しすぎる!と思ったので結局解けずじまいの持ち越し課題になってしまうかと思ったが、こう結局解けてしまうとそれはそれで物足りない。

「また暇になったなぁ」

と思いつつ自席に戻ってゴロゴロ。

多分もうやることないので、適当に散歩して音楽聞いてアニメ見て散歩して写真撮って音楽聞いてアニメ見てゴロゴロしてコーラ飲んでを繰り返そうと思う。noteは暇つぶしがてら記します。



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現在時刻13時

10時半から30分間ジャグリングのショーがあった。特に興味はなかったがどうせ暇なので見ようかな、という気分になった。



沢山の道具を使って色々な技を披露している。最後には彼の最も好きだというフラワースティックを用いたショーが始まった。

フラワースティック自体は大道芸の世界においては不人気な道具らしい。彼の口調と演技からはフラワースティックに対する愛や自信を感じることができた。

見ていて楽しかったです。ありがとうございました。


続いて船内を彷徨い、ワイヤレスイヤホンを両耳に事前にダウンロードしておいた音楽を聴く。そして音楽を聴きながら家から持ってきておいた深夜特急を読み始めた。

気がついたら13時を回ってしまったので、現在は自室に戻ってカロリーメイトを片手にnoteを綴っている。

カロリーメイト片手に音楽を聞き流し、そして深夜特急を読んでいると、会社の昼休みを思い出してしまう。

多分この船旅は少し長い昼休みみたいなもんなんだと思う。これは18切符で旅をしていた時にも感じていた感覚に近い。

やることはやった(仕事・乗船・乗車)から、とりあえず今は一時休息。ただし時間制限はあって、休息が終わったら次に取るべき行動が決まっている。

自分自身に対して「今は休んで良いよ」と手放しに言える時間。焦っても焦らなくても意味がないと思える時間。ただ時間を無為に過ごす、いや次に取るべき行動が分かっているのだから、今は休憩する時間。

そういう時間は心地良さを感じる。

もう旅は終わる。もう帰宅までの道筋は見えている。いや、初めから旅は終わっていた。

この旅はびっくりするほど順調に進んでしまった。やりたいことを決め、無理そうならエスケープルートを考えていた。そして最初に立てた計画とほぼ同じルートでこの船にたどり着いた。

新門司から横須賀へのフェリーを取った段階で「旅が始まった」と感じていた。しかしその瞬間には既に旅を終えてしまっていたのかもしれない。

長期旅に出ても、自分を試すことが出来なくなってしまった。どんなことが待ち受けているのか、私は既に知ってしまった状態でこの旅を始めてしまった。

旅は、やはり自分を試す必要があると思う。自分が旅人以上の冒険家であると錯覚できる旅に出るべきだと思う。旅人は「自身が経験したなんでもない旅行」をまるで冒険でもしてきたかのように、この世界の主人公になったかのように語らなければならない。

自分が羨むような眩しいと思えるような旅に出ることで、自分にとって価値が生まれる。

それが旅に出る時に大事なものだと思う。

私は旅に出たのではなく、旅行していたんだと。旅と旅行の定義の差は正直どうでもよくて、わざわざ言葉にしたくもないんだけど、強いて言えばちょっと長めのお出かけをしてたというのが正しい。

ちょっと遠くのコンビニ行ってみるか。

やはりこの感覚が今回の旅にも最も近いと思う。

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現在15時半
フォワードサロンという船前方の展望室でぼんやりしている。深夜特急を読み終えてしまった。

感想は…結局彼は旅を終えられなかったんだな、と思った。旅の終着点にたどり着き、そして旅を終えるエンディングロール中に新たな旅を始めてしまったのだと。

似たような経験が私にもある。ここで旅は終わりだと、いざ帰路に立った時点で「次はどこに行こうか」と考えている自分がいる。

その旅は終わり、そしてすぐ次の旅に出たくなる衝動が今までは連続してあった。

しかし今回の「年末年始キャンプツーリング東京から本土最南端へ」では帰路である今でさえ次の旅を夢想することがない。

今まで経験してきた大学一年生の夏から始まった旅の軌跡が、ここで終わりなのかもしれないと感じている。思えばあの夏から何か衝動に追われるように旅に出ていた。

おそらくここが「旅人の終着点」だと思う。

旅人である自分をここで終わりにすべきなんだ。

しばらくは旅をしない人生を歩んでみたい。一体自分がどんな生活をするのか、どんな生活に戻るのかを知りたい。

もしかしたら一年も耐えられないかもしれない、気がついたら旅に出てしまっているかもしれない、でもそれはきっと今までの旅とは違う。

「きっとまた旅に出る。」

好きなアニメの最終話でこんな台詞があった。旅を終えた後、旅人は再びに旅に出る。それが道理だと思っていたし、自分自身のこともこの台詞に重ねていた。

でも今は違う。

「きっともう旅に出ない。」

この台詞が旅人の終着点に相応しい。


フォワードサロンではおそらく受験勉強中の学生が数人いる。こんな航海中も勉強するんだなぁと感心している。

そんな彼らの横で、私は旅人である自分を手放そうとしている。

学生だったときは、勉強をすることで人生の自由度が広がると思っていた。もちろん今横で勉学に励んでる彼らの未来が膨大なことは言うまでもない。

でも今の私自身、膨大な未来の選択肢の中から一つ一つを選択し続け、ひとりの社会人として生きている今はこう思う。

「手放す自由」

が今の私にはある。

スマブラDXをする自分、旅人である自分、社会人である自分。

何者かになる自由があるならば、何者にもならない自由もあるのだと。

私を再び膨大な未来の岐路に立たせるために、自由である自分になるために、手放す自由を行使する時が来る。

まず手始めに旅人である自分を手放そうと思う。



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現在20:30

船が唸り声を上げてきた。そろそろ着岸なのだろう。既に防寒具、プロテクターを着込んで準備万端。これからこの旅のラストラン…もしかしたら私の旅人としてのラストランが始まる。

多分旅人としての生まれ変わりの機なのだと思う。きっとゼロにはならないが、今までとは少し違うのだ。

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22時過ぎ
家着

気がついたらそこそこの文量になってる。
家に着いたらドッと疲れが出てきた。もう寝ようと思う。

それでは

じゃあね。

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