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雑記と最近観た映画

思えば2019の年末、学生生活もあと数ヶ月というときに、いつものように下荒田の錦湯にいた、呂上がりにコーヒー牛乳を飲みながらテレビに目をやる。中国武漢市で肺炎が流行っている、新しいウイルスらしいというニュースを他人事のように観ていてから2年半も経っていた。

世界を混乱させ、パニックに陥れたウイルスの一派がようやく私の体にやってきた。(別に待ち望んでいたわけではないが)

喉が痛くて、咳をするたびに喉をカンナで削られるような痛みだったが、よくやく症状も治まってきた。

体調が悪い時は健康のありがたみを痛感し、ただ健康でさえあればよいと思うくせに、いざ体調が良くなると散歩がしたい、本を買いたいなどと好き勝手欲求が出てくる。喉元過ぎればなんとやらである。

とはいえ、外を出歩いてひとに移すのは良く無いのであと少し自宅軟禁となる。有難いことに映画はインターネットに繋がってさえあればなんでも観れる。読むことにならび、古本を買うことも趣味なので本は家に沢山ある。

だがしかし、である。

映画を見るときもよく陥る現象なのだが、ウォッチリストに沢山突っ込んであるくせに、いざ見ようとなると今観たい作品がない。いつかは見たい今じゃないや、な作品ばかりである。

困ったなあ、と思いながらYouTubeでまた映画を漁る、といっても予告編を観て見たい映画を探すのだが、そこでもまた観たい映画がまたるばっかりで今見る映画が見つからない。

この現象、なんか名前ついててもええだろ。

本については、電子書籍を好まない私としては家にある200冊(⁇)ほどの本から探して読むほかないが、8割方読んでいる(もしくは試みて挫折)ためほとんど読むべき本がない。

こと、本に関してはBOOKOFFで鱈腹買い溜めする必要があるなと、朝から思い至った次第である。

取り敢えず挫折した純文学あたりを少しずつ攻めていこうかとぼんやり思っている。

とはいえ、あまりにも時間を持て余したので映画は沢山観ましたとさ。


アルジェの戦い/イタリア・アルジェリア/1966
これはフランス植民地からの独立運動、FLNの戦いの記録である。街中で爆弾テロなどを起こしまくるのだが、圧倒的な力、そして対話のテーブルにつかない相手にはやはり武力での行使しかないのではないかな、とそんなことを思いながら観ていた。

Life is a Miracle/セルビア/2004
これは私の大好きなエミールクストリッツァ監督の作品。ユーゴ内戦の中の国境沿いの村と、一つの家族の物語。戦禍の中にありつつも作風はどこか明かるげで終始朗らかな音楽が鳴っているのが彼の作品の特徴でコントラストが効いている。彼の映画はよくわからないがとりあえずめちゃくちゃ面白い。「黒猫白猫」がいちおし、洋画のなかで一番好きです。

トウモロコシの島/ジョージア/グルジア・チェコ・フランス・ドイツ・カザフスタン・ハンガリー/2014
これはジョージア国内の内戦と、紛争地域に暮らす清貧な老人と孫の生活を映した映画。毎年川の氾濫によってできる中洲にて耕作をする二人とその周辺で起こる紛争が、自然と人間社会の対比で描かれている。「戦争とは」というテーマの映画のようだが、自然のきれいさと寡黙さに惹かれた。どうもジョージアという国の中に、アブハジア地方という自治州があり独立のために争っているらしい、ジョージアという不慣れな国の歴史を少し知った映画でもある。

至福のとき/中国/2002
アジア映画の監督で一番切なく美しい作品を作るのはチャンイーモウである。彼の作品の中でどうしても見たくてこれはDVDを買ってきたやつ。一人ぼっちの盲目の少女と町のダメおやじの交流なのだが、ストーリーなんかは特に凝っているわけではないが、まさに至福のときをきれいに表現して言いる。暗い中にもたまにはきれいな光が差すよねという映画。優しいウソの話である、貧しくても幸せな瞬間は散らばっているのである。ちなみにチャンイーモウの一押しは「活きる」である、是非に。

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