【LEGAL NEWS TOPICS】№001 カフェベローチェ雇い止め撤回訴訟、和解金で解決 ほか
最近のニュースのなかから気になるものをセレクトして極々私的な見解でコメントしてみました。
今回は2月13日から20日の間のニュースです。
【1】カフェ・ベローチェ雇い止め撤回訴訟、解決金で和解
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160216-00000057-asahi-soci
雇い止めにあったアルバイト店員が地位確認と損害賠償請求を起こしていた案件が高裁で和解成立になったという報道。
なんかタイトルだけ見るとベローチェ側が非を認めたみたいに見えるけれど、一審ではベローチェ側が勝訴している。高裁でひっくり返りそうだったから和解になったのか、なぜ守秘義務(和解したこと自体や和解の内容は秘密にするという条項を入れるのが一般的である)が和解の条件になっていないのか、今ひとつよくわからない事件になっている。しかしこんな形で社名が出て報道されてしまうのは企業にとっては損失は大きいなぁ・・・。
契約社員の雇い止めは労働契約法の無期転換の問題にも絡んで今後シビアな争いが増えそうなので注意が必要。
【2】「1か月間無料」を5年、法律事務所に措置命令
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160216-00050130-yom-soci
法律事務所が景表法違反で措置命令を受けてしまったという報道。
まったくもって格好の良くない話なのであるが、同じ事務所の企業法務用のサイトには、弁護士のアドバイスがあれば景表法違反のリスクが回避できます、といった趣旨のアピールもあったらしく、ネット上ではさらに盛り上がっていたようだ。
この前の強姦の弁護のマンガが炎上してしまった別の事務所の件も含め法律事務所の広告はしっかり弁護士が目を通さないと炎上リスクが大きいなぁ。
【3】「同一賃金」指針で明示 政府検討、非正社員の格差是正
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS19H6O_Z10C16A2MM8000/
なかなか議論が進まない同一労働同一賃金の問題について政府が指針を示すとの報道。
企業サイドとしては長期雇用する人を優遇したいという思惑があるが、他方で労働者側としても非正規労働者の地位が向上するとかえって正社員の地位が低下しかねないということで全く一枚岩になれないというやっかいな問題をはらんでいる。
いずれにしても企業経営の上では就業規則の定め方などにも影響するので注意が必要な議論である。
【4】非妊娠女性の即再婚 容認へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160218-00050160-yom-pol
最高裁の違憲判決を受けての民法改正案がようやく出るらしい。
100日間の再婚禁止期間は設けるようだが妊娠していない場合にはすぐ再婚できるようにするようだ。ただ、DNA鑑定がこれだけ普及している中であえて再婚禁止期間を設けるべきなのかはもっと議論しても良いように思う。実際離婚する場合は結構前から別居して夫婦の実態などないケースの方がほとんどだし。
ちなみに嫡出推定の関係で自分の子どもでない子が自分の子として戸籍に載ってしまっている場合があるがこのような場合の対応はこちらの動画セミナーで解説しているので興味があれば見てみてもらいたい。なお、DNA鑑定自体は裁判所指定の業者でやってもらうときもだいたい数万円程度。
http://www.rikon-juku.net/article/14918334.html
【5】部活顧問「ブラック過ぎ」 教員ら、改善求めネット署名
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160213-00000024-asahi-soci
中学校の部活動の顧問を担当するのがブラック過ぎるので改善を求める署名活動を行っているという報道。
確かに日曜日に練習試合などにもつきあっていったら本当に休みがなくなるし大変だろう。ただ希望性にしたらやりたいという先生がどれくらいいるのかは疑問で、他方で事故でもあれば学校の責任になってくるので先生以外が指導するというのもなかなか難しいだろう。いまだに一定の体罰があったりして部活動もなかなか難しいところである。