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10月に静岡でTRUMPやらせてもらう劇団の演出で俳優の現役生物教師が不死の力を持つとされる始まりの吸血種について考えてみた。 その①


①不老不死とは??

生物屋で教師の自分が不老不死の役を演じる上で、納得して表現をしたくて色々考えてみました。 自分用のメモなので、かなりこじつけかつ個人的解釈です。ネタバレあります。ご注意。広い心でどうぞ。

あなたのTRUMP考察はどこから?私はDNAから。

◆そもそも「不老不死」ってどんな状態?

まず、生物学上における「生物」の定義が
・細胞で構成されていること
・DNAを持つこと
・ATPを利用した代謝を行うこと
・恒常性を持つこと
なので、クラウスも生物であることは間違いないと見てよいと思います。
そりゃそうか。

おそらくご飯は食べるだろうし、排泄(涙は確実)もある。
赤い血液が出る(SPECTERのアグレッシブ水やり参照)ことからも 赤血球があることがわかるので、酸素による好気呼吸で活動エネルギーを得ていることは確実です。

そもそも吸血種自体が「人間の亜種」であると記載があるので、身体の構造自体は ホモ・サピエンスとほぼ変わらないと考えて良さそうです。
(亜種については後ほど)

とすると、不老不死とはいえ「不変」という状態ではないので、
 「見かけ上変化がない」不老不死であると仮定しました。

これをもとに、「不老」について考えてみると…
元ある量を0、摂取する量を10として
10入って、9出ていく=成長
10入って、11出ていく=老化
10入って、10出ていく=不老
これだと、代謝は行われるけれど、出入りが等しいので表面上は変化がないように見えます。 
「見かけの不老」です。常にプラマイ0という状態です。

次に、「不死」とは?
ヒトにおける死はさまざまなボーダーがあるけど
「心臓が止まる」⇒「血液の循環がなくなる」⇒「細胞の活動が止まる」
一般的に死と呼ばれるものなんじゃないかと思うので、
この最終段階である「細胞の死」について「不死」を考察してみます。

細胞における不死とは、細胞分裂に限りがないということです。
命が有限である生物の細胞には、染色体上に「テロメア」と呼ばれる 細胞分裂のリミットを決める場所があって、それが分裂するごとに小さくなっていき、 全てなくなってしまうと細胞分裂ができなくなります。
これが細胞の死です。

ゾウリムシは、体細胞分裂で増殖して子孫を残す生き物だけど、 テロメアが短くなってくると近くにいる個体と自分の核を混ぜ合わせて 遺伝子を混ぜることによって、テロメアをリフレッシュします。
これで分裂の上限回数が復活し、また個体の増殖を行うことができるようになります。スゲー。
これも、同じ遺伝子がずっと続いているわけではないけど、1つの細胞における不死の形と言えます。
ちなみにがん細胞は、このテロメアがないので永遠に分裂できるそうです。これもある意味不死かな。

で、
じゃあ不死者の細胞はどうなっているのかというと
これもおそらく全身の細胞にテロメアがないのでは?かつ、細胞分裂の速度がクソ速い。 全身ガン細胞みたいなもんでしょうか…。
ついた傷が一瞬にして治る(傷がつかないわけではない)のは、 圧倒的速度の破損した細胞の破棄と新しい細胞の生産が行われているからなのでは。
いくら細胞を分裂させても上限がないのだから、なくなれば即補充すればいい。 おそらく、幹細胞(何にでもなれる細胞)の生産量が半端じゃなく多いんだと思います。
オールウェイズターンオーバー。お肌もぴちぴちですね。

ということで今回における「不老不死」とは
・物質の出入りに見かけ上変化がない=不老
・細胞分裂の上限がなく、ものすごい速度で分裂して修復する現象が繰り返される=不死
で、落とし所をつけてみました。

次回は吸血種について。

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草野冴月
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