クラウス

10月に静岡でTRUMPやらせてもらう劇団の演出で俳優の現役生物教師が不死の力を持つとされる始まりの吸血種について考えてみた。 その④

④ TRUMPについて

生物屋で教師の自分が不老不死の役を演じる上で、納得して表現をしたくて色々考えてみました。 自分用のメモなので、かなりこじつけかつ個人的解釈です。ネタバレ?すまん。ご注意。広い心でどうぞ。

あなたのTRUMP考察はどこから?私はDNAから。 

◆TRUMPってどうやってできたの? 


はい、永遠の謎。sacrifice of TRUMPはやく。
これについては「作られた不老不死」なのか「遺伝子の突然変異で発生した不老不死」なのかでだいぶ変わるんですが、真相はニコ生で明かされてました。皆聞いて。おじさん、血は緑色か??
この記事では後者で考察したのでそのまま載せておきます。
 自然発生の不老不死だったら?です。

さて、遺伝子の突然変異で発生した不老不死…
「「そんなんあるんかい!!!!!」」 
…あるそうです。というか、ありえないと証明する方が難しいと私の師匠が言っていました。不老不死の状態についてはその①で記述した通りですが、DNAの変異によってテロメア(細胞分裂の上限装置)がなくなっちゃったと考えて良さそうです。
DNAの変異は、生殖細胞を作る減数分裂が起きるときに起こりやすいのですが…

そう、これはクラウスにも親がいたということの証明になってしまうのです。 えっ?パパとママいるの…?赤ちゃんの頃があったってこと??いや、受精卵じゃん!?不老不死なんだったら受精卵から動かねえんじゃねえの???

これ、実は落とし穴があって。
あくまでも「不老不死」なんですよね。成長しないとは書いてない
つまり、不老不死であっても受精卵から発生、赤ん坊の状態から成体になるまでは成長するのだそうです。ホモ・サピエンスにおける「成体」というのは成長ホルモンの分泌が落ち着き、胸腺が成熟したあたりなので、吸血種の場合は繭期を越えたら大人(吸血種ホルモンの分泌が落ち着いたら)ということになるんでしょうか。
そして、体の成長がピークに達したあとで老化が始まるそうです。この、老化が起きずかつ細胞の死を迎えないということが「不老不死」なので、不老不死者でも成長するんですね〜。不思議な感じがする。

ソフィは?!永遠の繭期は?!
それな。
突然変異の自然発生で生まれたテロメアなしの細胞を持つ個体とは違い、TRUMPのイニシチアチブによって強制的にDNAの情報を書き換えられちゃっているので、自分の力で成長できなくなったと考えられます。ひどい。

◆クラウスについて
もし、クラウスが偶発的に発生した不老不死の吸血種だった場合、その後の個体はどうやって吸血種になったんだろうか?
おそらく、何人かは噛んだ。その協力者がニコだった?そして最初の何人かのなかにデリコとフラの先祖がいた?(cocoon月でそんなことを言っていた)
と、このあたりはたぶん、末満さんが書いてくれると信じて待っています。
待っています!!!!ニコ生ありがとうございました!!!!
ここからはクラウスについて。

☆スローペースになるのはなぜか?
どのシリーズ見ても、クラウスはゆっくりめかつ割とぼーっとして喋っています。
これはおそらく3000年以上生きてきて、脳に大量の情報が詰まっているため、 脳のバックグラウンド処理(記憶を整理したり考えたり)が膨大だからじゃないかと思います。それに加えて、アレンを失ったことでお心が揺らいでいるので空虚な状態=考えることを放棄している ので悪化しちゃったんじゃないでしょうか。
足がもつれて転ぶのもそうか…?と思ったけどあれはドジかなあ

☆吸血種の人間嫌いについて
クラウス人間嫌いでしょう…
人間で、理系の人間だからはたと思いついてしまったんですが、不老不死の個体捕まえたら実験するよな…。そしたら血の戦争起きるな…
クラウスのいう「不死の力を持っているのは私ひとりで十分だ」というのは、不老不死の力の恐ろしさと人間の探究心が故のあさましさを知っているからなのかと思うと、辛かったね…と言ってあげたくなります。でも、だからって道連れはダメよね。
この無自覚のイニシアチブが、吸血種の中の人間嫌いを加速させている可能性ありだなと思ったわけです。一概には言えないけど。

☆なぜクランにいるの?
「繭期は自分の写し鏡」
すべての吸血種に彼のDNAが入っており、繭期は吸血種ホルモンの分泌過剰によって感覚が鋭くなっているのだとすると、繭期の子らはTRUMPのイニシアチブをとても受けやすい状態になっているということです。
クラウスの精神的な揺らぎがそのまま脳細胞に入っているTRUMPのDNAから伝わり、行動や視覚に影響を与えているんだと思います。
クランにいる生徒たちを『繭期の子ら』と集団で見ると、彼らは客観的に自分の状態を捉えられる指標になるのではないでしょうか。

「学校という場所」
学校は、常に状態が移り変わり、一度として同じ景色を見ることはありません。卒業する生徒がいて、入学してくる生徒がいる。テストや行事がある。時間が動いていることが実感できる場所です。それはクランも同じ状態なのでしょう。
ただ生きているだけでは実感ができない時の流れや時代の移り変わりを、クランの様子から見て取ることができるのです。
私は現役の教師なので、この感覚がよくわかります。生徒の成長に時間の流れを感じ、持ち物に時代を感じるのです。
人間は、時間の流れを感じることができないと徐々に狂っていくといわれています。クランで生徒たちの移り変わりを見ながら生き続けることが、永遠の時を生きる彼の孤独を、少しだけ緩和していたのかもしれません。涙。

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草野冴月
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