「星は嘯く」についてのあれこれ
念願の、というかまさかこの脚本を上演する日が来ると思っていなかった。2013年に書き始めていったん止まり、2015年に再開してまた中断し、2020年に書き上げた作品。
中断の理由と再開の理由がはっきりしていて面白かったので記録してみました。
2013年 書き始め。謎解きパートが作れず中断
→いや、暗号どうやって作んねん。
となっていたら、この後に「たぬき探偵ジェリー」に出会う。
タイミング~!
2年間くらいお世話になった間に、星シリーズの謎を作ってもらったり、謎解きをいくつか体験させてもらった。
なるほど、謎ってそうやって作るんだということをざっくり体感できたため、劇中で解く暗号を作ることが可能に。
ジェリー関係の皆さんに感謝。
2015年 再開。が、結末に悩んで中断。
→どう終わればいいのかわからなくなっちゃった。
遺産の話と天宮の変化、こずえの恋心をどうやって消化したらいいのかぐるぐる悩むこと2年ちょい。
まったく書けなかったのだけど、きっかけは別のところからやってくるのだ。それがなんと星シリーズ。
「星を落とす」を書いた後(2016初演)に、シリウスの過去話を書いてみようと思い立った。構想半年くらいで2017年に「おおいぬ座の見つけ方」初稿が完成。
この脚本には『天宮こずえ』が登場する。
彼女は「星は嘯く」の『木下こずえ』の未来の姿。
そして『天宮貴之』というこずえと昴の孫が、彼女を看取る。
「おおいぬ座の見つけ方」の舞台にあのプラネタリウムを選んだのは、単なる思い付きだったのだと思う。その時は、途中で止まってる脚本だけど思い入れあるからちょっとリンクしようかな~くらいだったんだけど、出来上がってみたらこずえちゃんは幸せに亡くなってて驚いた。
おおいぬ座時点で、星は嘯くに登場するキャラクターはほとんどいなくなっているのにも驚いた。なんか変な感じだった。
そこからしばらくは、「星は嘯く」は心の隅に仕舞われていた。
2020年 再開。5年越しの完成。
→またきっかけは突然に。
コロナ禍による演劇活動の制限で、2020年は3月以降公演を断念。
その中でどうにか作品を届けたい、と思いボイスドラマの制作をスタート。
初めてのボイスドラマなら星シリーズじゃない?
ということでできるものを探したら
……あったじゃん、おおいぬ座が。
はるかぜさんと姫乃さんを客演にお迎えすることができて本当に良かった。
いつか「星は嘯く」をやることがあれば、絶対にこずえは姫乃さんに!!と思っていたので、未来のこずえちゃんもと依頼。
ここからが快進撃。
おおいぬ座をやる、と決めてから天宮貴之と天宮こずえのバックボーンを詰める会を始める。すると、どうしても「星は嘯く」が必要になる。
さっきも書いた通り
おおいぬ座時点では「星は嘯く」の登場人物はほぼ亡くなっている。
こずえちゃんはひとり残っているのに、とても幸せそう。
これは、どんな毎日を送っていたんだろう……
と考えたら、あっという間に筆が進んで「星は嘯く」が完成した。
もう、びっくりするほどのハッピーエンドだった。
「星は嘯く」は色んな縁によって完成した脚本なのだと思う。
みんなありがとうねえ。HORIZONの歴史と同じくらい付き合ってきたので、私がやりたいこととか将来の希望とか、とそういうものも詰め込まれているんだろうなという気がする。ちょっとだけ、奥村がうらやましい。
2022年 まさかの学校公演
いやあ、たまげた。
もともと学校公演の話は2020年にと頂いていて、本来なら「罠」を持っていくつもりだった。(上演許可も取ってた。くそう)
そうしたら、世界の情勢が変わってしまって、学校公演も延期に。
2021年に予定されていたのだけど、これも感染状況により延期に。
で、やっと2022年の2月に決定。
しかしここで問題が。
…
……
HORIZON、まだ「罠」やってないけど……?!
本公演の演目を、先にやっちゃうのはどうなの……?
でも、今のメンバーでできる、かつオリジナルの演目(著作権申請の関係でちょっと版権間に合わない)って何?!
……あるじゃん、「星は嘯く」が。
というわけで学校公演での上演が決まった。
ちなみに、お招きいただいたのは静岡サレジオ高等学校。
そう、草野の母校である。
会場はマリアンホール。
高校演劇部の時にずっとお世話になっていたホール。
そこに、20年ぶりに、劇団の団長として戻ってくる。
しかも、演目は自分が執筆した、かなり思い入れのある脚本。
演出も出演もしちゃうぞ!
…なんて、情熱大陸か…?みたいな状況が重なって、一生忘れられない舞台になった。なりましたとも。感無量とはこのことである。
恩師の顧問の先生に言ったら、なんていうかな……
どうしようかな…いつかちゃんと報告できたらいいな。
そして、次は母校が同じの結城さんとも一緒にマリアンホールのステージに立てたらいいな。
以上、「星は嘯く」振り返りでした。
記録映像を編集して、見てもらえるようにしたいなと思っています。
HORIZON Crewの皆さんは脚本読めますので、よかったら~!
ではでは。