楽園の種(水尾・橘・阿瀬比)
演劇ユニットHORIZON番外公演「Contamination」
グッズ付録短編集の詰め合わせです。
※こちらは演劇ユニットHORIZONが上演した際のキャラクター設定を使用して書いた草野冴月の創作物です。他団体が上演するものとは関係ありません。ご了承ください。
楽園の種 side 水尾深苑
うっすらと目を開けると、木漏れ日が見えた。
陽の光がガラスの温室に入り込んで反射を作り、植物の葉が重なる間を通って柔らかく降り注ぐ。ふわりふわりと光の粒が降りてくるような感覚が眩しくて、目を擦った。ぼんやりと周囲を見渡すと、そこは自分の所属する研究施設が所有する植物園だった。
なぜここで眠っていたのだろう。
ぼやけた頭で考えても、靄がかかったように思い出せない。
確か、たい・・なものを・・・だと・・・ったんだけど・・・
ここから先は
3,350字
投げ銭のつもりで、よろしければ!!