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【溟界セリオンズ】自分用まとめ
遊戯王マスターデュエルがリリースされて早いもので千日経つらしい。記念にというわけではないけれど、今使っている【溟界セリオンズ】についてログを残しておきたいと思って3年ぶりにnoteを開いた。誰かが参考にしてくれたら嬉しいし、そうでなくてもこういうのはあとでひとりで読み返して楽しいからね。
デッキレシピ
遊戯王カードデータベースにて公開中↓
http://www.db.yugioh-card.com/yugiohdb/member_deck.action?cgid=4111288cce6625a807505d94b2f39e2a&dno=8&request_locale=ja
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デッキ解説
【溟界】とは?
そもそも溟界を知らない人のために基本的な動きを解説しておこう。溟界はレベル4・レベル8・レベル10から成る爬虫類族テーマで、墓地からの展開を得意とする。中でも軸となるのが以下の3枚を絡めた展開。
《溟界の滓-ナイア》
《溟界の黄昏-カース》
《黎溟界闢》
フィールドに任意のモンスター、手札に《ナイア》さえ用意すれば、上記の3枚を経由した以下の手順からフィールドに5体の爬虫類族を用意できる。
ナイアの手札効果でカースを墓地へ
カースの墓地効果でフィールドのモンスターをリリース、カースを蘇生
カースの効果でナイアを蘇生
ナイアの効果で黎溟界闢をサーチ
黎溟界闢を発動、カースをリリースしトークンを4体生成
しかも「爬虫類族モンスターしか特殊召喚できない」的な制約は一切かからない。これらを素材にリンクモンスターを展開したり大型の溟界モンスターに繋げたりするのが溟界の最も強い動きだ。
そして、「フィールドに任意のモンスター、手札にナイアを用意」という条件は《キングレムリン》1枚で満たすことができる。そのため、溟界デッキでは初動でランク4エクシーズを目指すことが多く、かつ《ナイア》や《カース》と《スネーク・レイン》を共有できるようにレベル4の爬虫類族モンスターが多く採用される。
《溟界の滓-ヌル》
《夜刀蛇巳》
《レプティレス・コアトル》
《蕾禍ノ鎧石竜》
自身を特殊召喚する効果を持つ上記のモンスターたちに加えて、素引きした《カース》などを墓地に落とすために《溟界の漠-フロギ》や《溟界の漠-ゾーハ》のようなレベル4モンスターも採用される。
展開先を何にするか
先述の通り、【溟界】のギミックによって生成したトークンにはまったく制約がない。これらの素材を使って何をするかはデッキを組む人の自由なのだ。例えば、溟界のカテゴリ内にも《溟界神-オグドアビス》など生成したトークンを贄に墓地から復活する大型モンスターがいるので彼らを採用するのもあり。けれど、正直重いので今回は採用を見送ってしまった。
《宇宙鋏ゼロオル》
《惑星汚染ウイルス》
《エーリアン・ソルジャー M/フレーム》
せっかく爬虫類族のトークンが出せるので、展開先の制圧要員として以上の3枚を採用。わざわざ溟界を組もうって人ならたぶんこの3枚に行きつく人が多いんじゃないだろうか。《惑星汚染ウイルス》の制圧性能は非常に高く、場のモンスターの能力でしか動けないようなデッキでは完全に機能不全に陥ってしまう。
《I:Pマスカレーナ》
《S:Pリトルナイト》
EXデッキの枠が厳しいので今回は採用しなかったけれど、よく見るこのコンビも非常に強力。《マスカレーナ》が同名トークン2体でも出せるので、トークンを大量発生させるタイプのデッキならまず確実にお呼びがかかる。
【セリオンズ】を交ぜる理由
今回は【溟界】に別のテーマをふたつ交ぜている。そのうちひとつが【セリオンズ】のカードだ。
《セリオンズ“キング”レギュラス》
《セリオンズ“リリー”ボレア》
《セリオンズ“エンプレス”アラシア》
《円盤闘技場セリオンズ・リング》
《無尽機関アルギロ・システム》
まず《アラシア》が爬虫類族なのでサーチや墓地送りでアクセスしやすい。自身を手札から特殊召喚する能力もあるので単体でも採用できる。セリオンズモンスターは、共通効果として墓地のセリオンズを対象にとって手札の自身を特殊召喚する。そのため、アラシアを起点に他のセリオンズを展開することが可能なのだ。
特に《レギュラス》の万能無効は、《ゼロオル》の弱点である魔法・罠での除去をケアする意味でとても重要。ある程度素引きの必要はあるものの、《レギュラス》、《ボレア》、《セリオンズ・リング》、《アルギロ・システム》はどれを引いても《レギュラス》に繋がるので無効は構えやすい。《セリオンズ・リング》は《ゼロオル》のもうひとつの弱点である「高打点リンクモンスターを無理やり出されて戦闘破壊」もケアできる。
《No.38 希望魁竜タイタニック・ギャラクシー》
《No.97 龍影神ドラッグラビオン》
《No.100 ヌメロン・ドラゴン》
今回採用しているセリオンズはすべてレベル8であること、溟界モンスターにも(今回は《カース》のみの採用だが)レベル8モンスターが存在すること、そして《アラシア》にセリオンズモンスターを並べる能力があることからランク8エクシーズの採用が検討できる。個人的には後攻での捲りに役立つ《ヌメロン・ドラゴン》はマスト。先攻の場合は《タイタニック》で全体除去に備えるか、後述の《“チャンピオン”サルガス》と《タリホー!スプリガンズ!》で除去を構えても良いだろう。
《魔螂ディアボランティス》
デッキから《ボレア》を墓地に送れる上に自身もレベル8なので採用。ただ、使ってみた感じかなり出る頻度は低いので正直要らないかも。
【スプリガンズ】を出張採用
今回交ぜているもうひとつのテーマが【スプリガンズ】だ。このテーマを交ぜることでランク4からランク8への接続が容易になった。
《スプリガンズ・ロッキー》
《スプリガンズ・ブラザーズ》
《スプリガンズ・バンガー》
《スプリガンズ・キャプテン サルガス》
《タリホー!スプリガンズ!》
《スプリガンズ・メリーメイカー》
《ギガンティック“チャンピオン”サルガス》
詳細な解説は長くなるので「メリーメイカー 出張」などでググってほしいのだが、要はランク4でメリーメイカーを立てて、《“チャンピオン”サルガス》をそれに重ね、サルガスの効果で後続をサーチするのが目的だ。
《“チャンピオン”サルガス》はセリオンズかスプリガンズをサーチできるので、先述の《レギュラス》をサーチするのも良し。もうひとつのサーチ先として《タリホー!スプリガンズ!》も強力。このカードによって《“チャンピオン”サルガス》の横にさらにランク4またはランク8を立てられるので、《ドラッグ・オピオン》から最低でも打点17000の《ヌメロン・ドラゴン》が降臨する。
地味だが《“チャンピオン”サルガス》の除去効果も魔法・罠除去に乏しいこのデッキでは貴重。
で、このデッキ強いの?
正直、テーマの知名度の割には強いと思う。そりゃあ環境トップクラスのデッキに比べれば勝率は低いだろうけど……
ここからはこのデッキの長所・短所を含む特徴を列挙していきたい。
《ゼロオル》&《惑星汚染ウイルス》が強い
やっぱり爬虫類族デッキを組む最大のメリットはここにあると思う。《バグースカ》と同系統の能力だけど、リンクモンスターにも効くぶん《バグースカ》より強いんだもの。《リトルナイト》で突破不可能な《バグースカ》と言えば強さが分かりやすいだろうか。セリオンズやスプリガンズを採用することでギミックは色々増えてるけど、先攻ならまずは惑星の汚染を狙うべき。
《灰流うらら》を攪乱できる
とにかくデッキからカードを墓地へ送る効果が多いので、本命の前に適当な墓地送りを発動することで《うらら》を釣ることが可能。《スネーク・レイン》や《ゼロオル》を確実に通すために、《ヌル》や《アルギロ・システム》に《うらら》を撃たせたい。特に《ヌル》に《うらら》を当ててくれると、《ヌル》は無効になった後でも墓地でもうひと仕事してくれるのでとてもお得感がある。
後攻捲り能力が高い
あくまでカジュアルレベルのデッキの中では、という話ではあるけれど、後攻でもワンチャンを作れるのは確実に長所。上記の《うらら》の釣りをはじめ、溟界の動きを上手く囮に使いながらスプリガンズギミックを通して《ヌメロン・ドラゴン》を出せたときはとても気持ちがいい。《ペンテスタッグ》の採用も考えるレベル。
《増殖するG》は無理、《原始生命態ニビル》も嫌
手数が多いデッキの宿命として、《G》と《ニビル》は天敵。《G》は《バグースカ》を出して不貞寝するしかないけど、今の時代《バグースカ》だけで相手ターンをしのげたらラッキーだろう。また、《ヌル》は自身の効果で特殊召喚すると《バグースカ》の素材に使えなくなるので注意。開き直って全力展開する方がましかも。ちなみに《ニビル》は引いてる札次第で立て直せることもある。
《ディメンション・アトラクター》が一番無理
まあこれは書かなくても分かると思う。《アトラクター》に限らず除外ギミックは決まったらどうしようもない。
《PSYフレームギア・γ》が使いやすい
苦手なカードは多いが、無策というわけでもない。《G》や《アトラクター》が撃たれやすいタイミングで、こちらのモンスターゾーンがまだ空であることが多いのもこのデッキの特徴だ。《PSYフレームギア・γ》による強烈なカウンターは勝利に直結する。《PSYフレーム・ドライバー》を素引きしても《フロギ》や《ゾーハ》のコストに使えて無駄になりづらいのもポイント。
魔法・罠が割れないんですけど
爬虫類族は魔法・罠の除去能力に乏しい。モンスターの弱体化能力持ってる奴らばっかりなんだもの。《蕾禍ノ玄神憑月》の登場によって遂に爬虫類族自前の魔法・罠除去を手に入れたものの、リンク3なので《ゼロオル》とかち合うし墓地リソースも食う。環境を見て採用するなら【蕾禍】に寄せた構築にするのもまた一興。
基本は分からん殺し
モンスター効果無効を《ナイア》に撃たれるのも厳しい。《黎溟界闢》へのアクセスが断たれるからだ。とはいえ、上記のデッキレシピを見て分かる通り、このデッキは知名度のあるカードはほとんど入っていない。使用者の視点ではマストカウンターが明確でも、対戦相手からすると意外と分からないものだ。《うらら》釣り然り、相手のミスを誘いにいくくらいの気持ちで回すのがいいのかもしれない。あと《黎溟界闢》がなくてもスプリガンズ展開で意外とちゃんとした布陣敷けることあるし。
その他言及しておきたいカード
《レプティレス・ヒュドラ》
《レプティレス・ラミア》
《レプティレス・エキドゥーナ》
《エキドゥーナ》でサーチを使うと爬虫類族しか出せなくなる制約がかかってしまうものの、この3体による複数体の除去&ドローは魅力的。《エキドゥーナ》の効果を使っていない場合、《ヒュドラ》は手札から特殊召喚できるレベル2チューナーなので《フルール・ド・バロネス》などレベル10シンクロに繋げることもできる。
《盛悴のリザルドーズ》
《ゼロオル》の手前にこいつを挟むことで1枚ドローが可能。打点変更効果を持つので上記のレプティレス姉妹とシナジーがあったり、そのままでは《ゼロオル》などの素材に使えないスプリガンズを爬虫類族のこいつに変換できたりと地味ではあるがデッキの潤滑油として活躍する。《夜刀蛇巳》を素引きした際にその効果を起動する方法が非常に限られる中、コストや素材として墓地に送った《夜刀蛇巳》をこいつで除外し、《黎溟界闢》の墓地効果でデッキ・墓地を経由し特殊召喚という動きはたまに使う。
《エーリアン・バスター》
《惑星汚染ウイルス》を素引きしていた場合の《ゼロオル》のサーチ先候補。《ゼロオル》が立っている状態で墓地に送れば召喚権が増えるほか、《ゼロオル》が突破されても惑星の汚染が完了していれば返しのターンにこいつで1体除去できる。他の採用候補は生ける惑星汚染兵器《エーリアン・キッズ》あたりか。
《嗤う黒山羊》
ロイヤルのURが出たので仮で採用している41枚目。後攻1ターン目で引いても例によって《フロギ》や《ゾーハ》のコストに使えばすぐ効果を使えるのが強み。ただ、今のところ際立った活躍はない。
おわりに
自分は遊戯王でデッキを組むにあたって「戦えるカジュアルデッキ」というのを大事にしているのだけれど、この【溟界セリオンズ】は強みを押し付ければ一線級のデッキとも戦えるという長所とカジュアルデッキらしい欠点をしっかり持っていて非常にいい完成度なんじゃないかと自負している。
珍しいカードを使って相手にテキスト確認させまくりたい人や、1枚初動こそないけど色んな2枚初動があるようなデッキを使いたい人はぜひ試してみてほしい。
追記:既に記事公開したと思って下書きに放置してる間にγが制限カードになっちゃったね