見出し画像

キャノンボール (東京→大阪)挑戦(抄録?)

 キャノンボールとは?ということに関してはこちらをご参照ください。

 前回の2022年5月22日の大阪→東京キャノンボール挑戦(達成)に続きまして2022年11月11日に東京→大阪キャノンボールに挑戦してきました。
 結果は507kmを23時間35分(達成)で走りきることができました。

東京→大阪のルート選定

 今回のルートは【大阪→東京】と少し変えて、東京日本橋の日本国道路元標から途中駒沢通りを経由して国道246号線、御殿場から国道469号線に逸れて富士サファリパーク前を通り富士に降り由比、興津から静清バイパスの側道を活用して宇津ノ谷トンネル先の廻沢口から県道208、415、413号線で磐田。そこから県道44、374号線を使って姫街道を抜け国道362号線で浜名湖の北側を通り本坂トンネルをくぐって愛知県入り。名鉄国府駅手前で国道1号線に合流、名鉄笠寺付近で国道1号線をそれ国道23号線を自転車通行禁止区間を回避しながら進みます。鈴鹿川右岸沿いを進み国道1、25線重複区間に合流、関宿からは国道25号線で伊賀越え、国道163号線で木津川を抜け清滝峠を越えたら府道20、162、8号線で梅田新道の大阪市道路元標を目指しました。

距離は507kmと短いが獲得標高は3962m(実走データより)
(前回の大阪→東京は518km、3280mでした)

 大阪→東京達成の際にできれば同年双方向達成できれば良いなと考えていました。冬になってからでは防寒や夜間走行対策なども抜かりなくやる必要があるので秋のうちに実行したかったのですが、なかなかタイミングが図れず少し遅めの挑戦になってしまいました。
 【大阪→東京】と違い【東京→大阪】は追い風が期待しにくく仮に吹いたとしても天候が後半崩れるリスクをはらみます。なので、風向きが敵にならないくらいの条件で出走することにしました。気圧配置をにらみながら今回も330kさんのキャノンボール専用天候風向き予測を利用いたしました(thanx!)。
 以前は2日後までの直近予測でしたが現在6日後まで予報表示になって大変使いやすくなっています。そして11月11日の6時に日本橋を出発することに決定し
twitterにて宣言しました。


最終的にはこんな予報。風はともかく気温があんなに下がるとは知る由もなかった

 前日は夜21時まで仕事。帰ろうと思ったら中央線が事故で運転見合わせ。一刻も早く帰りたいときにこれか。。。周りに道になりますが別経路で電車とバスを使ってなんとか自宅に帰還。全力睡眠。

2022年11月11日午前6時出走


寒い中見送りありがとうございました!(いかさんまさん)

 始発に乗って東京駅から日本橋へ。日本国道路元標からいかさんまさんに見送られていきなり国道1号線から外れて走行開始です。早朝ですが東京はもうお目覚め。ジョン・カビラさんの声が脳内に響き渡ります。車も人も多い。都内の国道246号線は好きではないので駒沢通りをつかって多摩川までこころ穏やかに進む。
 国道246号線に入ってからは基本的に陸橋部分は自転車通行禁止なので側道におりて信号待ってまた合流しての繰り返し。ところどころ渋滞もできていてやきもきするが慎重に進む。相模川にかかる新相模大橋の手前で県道46号線へ逸れて厚木駅のあたりを通るルートを引いてみたがちょうど通勤通学時間帯でもありあまり走りやすいコースではなかった。そのうえ、あちこちから車やバイクが差し込んでくる。次は素直に橋を渡ろうと思った。

 厚木までの殺伐とした区間を抜け、多少気持ちに余裕が出てきた。秦野をこえ蛇塚交差点で早めに自転車通行禁止区間を逸れるコースに入ったら護岸崩落で工事中。自転車は通せてもらえたがそのあと踏切で捕まりロマンスカーをお見送り。松田で箱根そばをたべたくなったがぐっとこらえて薄皮パン補給。天気も体の調子もよくすすめていたが再度246に合流したら少し渋滞気味で大型車も多い。早く生土交差点でお別れしたいなと思いつつクランクを回す。県道394号線のアップダウンを走りながら徐々に富士山が近づいてくる。246経由の東京→大阪の最大のお楽しみ要素かもしれない。

炎の匂い染みついて煙い

 風は時折追い風に感じる。すこしは味方してくれるようだ。一色交差点で246に再合流。風に乗って国道469号線をすすみ駐屯地の中を突き抜ける。ちょうど三井住友VISA太平洋マスターズ(優勝:石川遼)をやっていたらしくなんか賑わってた。野焼きも行われていて少し煙かったが大野路交差点で左折して本格的に登りが始まる。ファミマがあるがまだ寄らなくてよさそうだった。

 今回このルートを選択したのは3月20日開催予定のAJ埼玉(ブルベ主催団体)のアタック愛鷹が延期になり直近の10月1日に走って好感触を得たからだった。獲得標高は増えるが東京→大阪ならさほど問題にならずそれよりも走行距離を圧倒的に減らせる利点がある。山間とはいえ国道。大型車もまあまあとおるが平日なのでファミリーカーとかは少なめ。落ち着いて急がず登る。 

紅葉は美しいが縦溝はいらぬ

 富士サファリパークで串田先生の歌声を脳内再生して十里木ドライブインの自販機前で119kmを5時間35分経過で平均速度21.3km/h。通し設定の平均速度(507km/24h=21.125km/h)よりほんの少し早いがここまでは信号、渋滞、登りがあるので予想設定していた速度(18km/h)はだいぶ早い。
 予定ではここから23km/hで走り続けないといけなかったが今のペースでいけば良い目処が立ってひとまず安堵した。標高882m(国土地理院より)、気温17.0度の十里木から一路道の駅富士を目指してダウンヒル。この区間は気持ちよく速度が乗るが路面がボコボコに荒れているところも多々あるので注意を払いながら下る。アタック愛鷹で試走できててよかったと感じる区間。
 味のある吉原本町の商店街に降り日本製紙富士工場の間を抜け、久方ぶりに国道1号線と合流。6時間22分経過141km(平均速度22.14km/h)地点の道の駅富士に到着。用足しだけで出発するつもりだったがふと見れば美味しそうな立ち食いそば。。寄るしかない。ちょうどお昼だし、すこし時間的余裕あるし、、いただきました。

桜えび華そば660円。余裕ぶっこいてていいのかとは思いました

12時40分再スタート


旧道から望む富士山

 新富士川橋を歩道で渡り国道1号線を迂回しながら由比(いつもは山側の県道396号線を通るのですが駅側の県道370号線の方が風情がありますね)、駿河健康ランド、興津を経由して静清バイパスへ。
 今回は清水駅と静岡駅周辺に関わらないように静清バイパス側道とアプローチが難解なトンネル内側道を駆使して宇津ノ谷トンネル出口の廻沢口交差点まで突き進みました(別話で解説予定)。
 前回はこの後の区間でなるさんや友人やツイッター見てくれた人たちに応援してもらったなと思い出しながら金谷峠をクリア。袋井ではまっすぐ県道413号線をいけばいいものを勘違いしてミスコース(GPXを引き間違えしてた)。県道44号線に折れる交差点も行き過ぎるがなんとかリカバリー。どんどん日は暮れていく。
 天竜川をまともに渡って姫街道に突っ込むと渋滞に巻き込まれるのでちょっと回り道してかささぎ橋を渡る予定にしていたらshelliemayさんからこっちも大渋滞ポイントだと事前に知らされた。同時に回避方法も教わり無事切り抜けることが
できました(thanx!)。

大渋滞の夕方、かささぎ橋東詰

 浜名湖北岸を目指して県道65号線を西進してたら遠くに何やら見知ったバイクと人がみえる。なるさんと再びの邂逅です(252km11時間40分経過。平均速度21.59km/h)。ありがたいことです。しばしお話しして別れ、ドンキまでの上り坂に向かいました。

再びの邂逅。平日にも関わらずありがたい。元気でます

 下気賀交差点左折で国道362号線に入ったすぐで、そろそろ夜間走行装備に切り替えねばと思い。天竜浜名湖鉄道の寸座駅で夜支度。ウォーマー類装着、反射ベストとフルフィンガーグローブ装備、GPS電池交換そして缶コーヒー注入。意外と時間がかかってしまい(←GPS用のエネループの保管場所を失念して探した。いつもと違う場所にいれてはいけないw)17分ほど停車して18時35分出発。三ケ日のあたりでみかんが散乱して潰されてるのをみてさすが静岡と思ったりしたが暗い中を淡々と進むだけ。本坂トンネルまでの登りはひたすら耐えて下り基調でトンネル通過でさらば静岡。よろしく愛知。多分今回一番印象に残ってない区間になってしまったかもしれない。
 馬場町交差点(国道362号線の起点)を過ぎて県道5号線で豊川を抜けて名鉄国府駅手前で国道1号線に再合流。ここからしばらく1号をひたすら進む。ここで20時頃、国道1号線の車の流れは血液のごとくとどまることを知りません。たまに血栓(渋滞)も生じています。 少し疲労感も強くなってきたところで豊明の自転車通行禁止(←なぜだかよくわからないが)の迂回路を見落としそうになる。日が落ちてからこの道を見つけるのムズカシイネ。

この切れ目。ストビューばかり見てたので夜だと印象が違う

 迂回後再合流して名鉄笠寺駅手前で国道23号線自転車通行禁止区間迂回のために県道55、225号線を進み竜宮町交差点で左折し堀川を歩道で渡る。この港新橋、上流側の歩道は大阪→東京で通過して何も問題なかったが下流側は道がやたらボコボコしていた。 ここから先のことを考えると疲労や空腹感も強くなってきたし用も足さねばならない感じになってきたので22時24分、十一屋のファミマで小休止。ここで356kmを16時間24分で平均速度21.7km/h。ベーコンクリームパスタと焦がし醤油チャーハンおにぎりを頬張りながら残距離残時間を計算。今の状態を鑑みるとギリギリではないかと思い始めた。向かい風ひと吹きで終わってしまいそうである。14分止まって22時38分に再スタート。

残り151kmを7時間22分

 ここからはノンストップでまとめたいと考えていた。
 国道23号線を走る。大型トラックの方達は思いの外ジェントルに抜いていってくれるが夜なので自分のこと見えてるかなと考えるたびに近づく音に怯える。貝塚町南交差点で国道23号線から外れ、闇の鈴鹿川沿いにはいると今までとは違ったものを感じた。向かい風だ。しっかりとした。軽く絶望したけど山に入れば向かい風も遮られるだろうという希望をいだいて高岡橋をわたり右岸の堤防道路を進み庄野橋で国道1、25号線重複区間に合流。
 途中ここを走ってて良いのか(自転車禁止区間じゃないよねと)思い迷いながら進んでると椋川こえたあたりで大型トラックから夏のクラクション。冬の手前だけど。
 道幅も23号に比べると狭いしなかなかのストレス。翌12日午前1時ごろ道の駅関宿(410km18時間57分平均速度21.63km/h)で小休止。いよいよ気温が10度を下回り始める。ここから登り始めるができうる限りの耐寒装備。缶コーヒーを流し込みレインウェアを着込み首にマフで覆いハーフフィンガーグローブ重ねてつけようやく伊賀越開始。残り100kmは切っている。が、残り時間も5時間を切った。そして向かい風はおさまった。
 
 淡々と闇夜の国道25号線を行く。気温は低いがここでは登りなので気にならない。今回はミニDHバーを外しライトマウントを2個装着してきたので漆黒の道路も2灯のVOLT800が明るく照らしてくれる(加えてヘルメット装着のVOLT700)。伊賀ICまできたら名阪国道が近かったり街灯がポツポツ立ち始めてひとごごちした。 本格的な寒させいなのか獣の気配も薄かった気がする。
 伊賀上野手前で国道25号線と別れ、ほどなく国道163号線に入る。気温は相変わらずというか下がり続けて一桁代が続く(目視では最低6.0度を確認)。漕いでも漕いでも寒い。街中でもひたすら寒い。たまらず12日3時15分(21時間15分経過)461km地点にあったレストラン大扇の自動販売機で缶コーヒーを注入。ずっと残り時間と距離を計算し続けてるおかげか眠気は全く来ないが末端部はいうに及ばす体の芯から冷えてしまった。8分止まって先を急ぐ。あと50kmを切った。すこし希望が見えた。

とても、さむいーさむいーさ・む・い

 木津川を渡った直後にショートカットの道に入りたかったが(大阪→東京では使える)右折禁止なのでそのまま木津交差点まで進み右折。ほんのちょっと奈良県にお邪魔して清滝トンネル。いよいよフィナーレ区間。大阪市内はどのくらい時間がかかるのだろうか。【大阪→東京】では多摩川を渡ってからアベレージが約16km/hというくらいの信号峠だった。

清滝トンネルをくぐれば車輪よあれが大阪の灯火だ

 出来るだけ踏むが焦らず府道20、162、8号線を進む。8号線に入ればあとは一直線。なのだが朝の5時でも大阪市内はなかなかの交通量とタクシーの入り乱れ。幸いなのは信号のつながりが思ったより良い。蒲生4丁目交差点で最終的に国道1号線と合流し元標を少しだけ通り過ぎた梅新西の信号で横断歩道を渡って無事大阪市道路元標の金色の錘重を拝むことができました。507.6kmを23時間35分で走りきりました。
 自分の走力を鑑みると制限時間いっぱいになるだろうと予想はしてましたが最後までハラハラドキドキ計算しっぱなしで眠気を感じる余裕さえありませんでした。

無事到着。早朝お迎えありがとうございました(RX01さん)

エピローグ

 そして今回もRX01さんにお迎えしていただいました。キャノンボール関係で今年3回目の出会い。関東と関西で住む場所が違いますが一つのイベントを絡めて会うことができるのはなんか不思議な気がします。
 しばしお話しして大阪で何かしようかなと思いましたが早朝では営業してるお店も限られるのでRX01さんに導かれて(thanx!)新大阪駅に向かい駅弁買い込んで速攻こだまに飛び乗りました。観光ナッシング。
 こだまは約4時間かかるけど食事や仮眠しながら過ごせばあっという間。なんせ(ロードバイクで)24時間かかるところを1/6で運んでくれるのだから。
 東京についてせっかくだからともう一度日本国道路元標を拝んでこの旅の終わりにしました。

昨日も来た今日も来る

 最後に、唐突な挑戦でしたがtwitterで応援してくださった皆さま、キャノンボール研究、挑戦、各種ツールを開発してきた方々に感謝いたします。ありがとうございました。皆さんの助けなしには走りきれませんでした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
双方向実走してみて経路設定、準備、機材、装備、補給などについて、(大阪→東京)と(東京→大阪)の違いを中心に感じたことなどをこの後書こうかと思います。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?