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【ブルベ】BRM820宇都宮600奥只見を走ってきた(後編)
リスタート後はゆっくり体を動かす様に心がけてペダルをまわす。8月の豪雨で被害にあった付近なので道路の状態に気をつけながら進む。明るいうちなら阿賀野川やそれを渡る橋、磐越西線なんかをみられたのだろうが時たま現れる集落以外は漆黒の闇。ただひたすらに2つしかないギアを使い分けながら登り降りていく。高さこそないがつづら折れを交えながらアップダウンの連続。道の状態は想像していたよりはよかったがいい訳ではない。そこそこ体力削られて喜多方のチェックポイント4までたどり着いた(438km/21日3:08)。
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SNSで確認したら福島入りした撮影データのタイムスタンプでhirotachiさんから4時間半遅れのようだ。自分自身で立てていた予定よりも2時間ほど遅延している。だが、これは仕方のないこと。時間以内(40時間)に無事完走することが今回の唯一のミッションなのだ。エネルギー補給と補給物資を仕入れ、本当に眠くなったら効果はないがカフェインも予防的に摂取しておく。喜多方なのでラーメン食べたかったが望むべくもなく。深夜の静かで平坦な街中を進んでいたら左足に違和感を感じた。痛みや体調の変調ではない。と思ったらペダルボディがスピンドルから抜けた。。。追加メカニカルトラブル発生です。これも初体験な事例。まだ空が暗いのでとりあえず足でスビンドルに戻して抉らない様にペダルを回して進んだ。
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今回はトラブルの百貨店(このあとキューシートを一枚印刷し忘れたと勘違いして慌てることもあった)。そうこうしてるうちに曇り空の夜が開け大内宿にむかうD131へ入る。スピンドルから抜けない様に丁寧に踏む。しかし長く斜度もきついこともあってここが一番体的には大変だった印象。明け方は特に体が動かない。なんとか最高点までたどり着いてペダルの様子を見たら単にペダルボディをスピンドルにねじ込めば直る(また緩むだろうけど。ここは逆ネジきるのが正解なのでは?)ことがわかったのでここで手でできるだけしっかりねじ込んだ。登る前にやっとけばよかった。また軋み音がではじめたチェーンに注油。雨の中これだけ持ってくれたし注油したら一発で滑らかに軋みなく回る様にしてくれるmuon(viprosのチェーンオイル)は手放せない。
早朝なので大内宿はスルーして登り返し。下りの道は荒れ気味なので慎重に。途中で高倉山湧水(長寿の水)をいただく。染み入る味と温度。ボトルにも詰めて家に持ち帰ってコーヒーを淹れたらとても美味しかった。なんでこういうところの水って美味しいのだろう。
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阿賀野川を再び渡り会津田島へ。PC2(511km地点)に21日7:47到着。道中なぜか冷やし中華が妙に食べたくなったので外のベンチでゆっくり味わう。酸っぱさが沁みる。雨はとうの昔にあがっていたがようやく暖かくもなってきたのでレインウェアを脱ぐ。体を乾かしたかった。足は濡れたままでおそらく真っ白になってホルマリン漬けの様になっていることであろう。
R121を辿り26時間ぶりに山王川橋梁のある交差点に戻ってきた。あとは宇都宮を目指して往路と同じ道を進む。この先の荒海山が阿賀野川の源流だそうだということを知ってこのブルベの後半は阿賀野川を遡上する感じだったんだなと少し感動した。
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太陽も見え始め日差しも強くなり始めた。気温も上昇してくる。登りは頑張れるが下りは惰性で降りる以外手がないので流れに任せる。なんにせよ雨の降っていないライドはとても気持ち良い。往路でワイヤーが切れた場所まで戻ってきた。よく2段変速で走ってきたなという感慨にひたる。あと60km、3時間ちょっとかな。
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鬼怒川まできたら跨線橋に撮り鉄が群がっていた。何か特別な列車でも通っているのかと思ったら新高徳駅を過ぎた鬼怒川の橋の上で蒸気機関車(SL大樹)と遭遇。警笛を鳴らしながらすれ違った。なるほどこれね。そして次のキューシートと思ったら見つからない。しょうがないのでGPSに従って走る(単に湿気で他のキューシートにしっかりくっついていただけだった)。往路と同じ部分だけど昼と夜だし進行方向も逆なので印象が全然違うなと思いながら日差しに焼かれ始めた顔が痛い。そして左足裏が痛み足指も刺す様な痛みに襲われる。行きはさほどでもなかったD22が辛く感じる。あと少し、あと少しで終わりだからなんとか持ってバイクと自分な気持ち。
R293に入ればあと12km。時計を確認したらキリのいいフィニッシュが迎えられそうなのでできるだけ速く回す。でも25km/hしかでない。宇都宮森林公園入口のセブンイレブンに到着。12:00のレシートを取得して33時間ちょうどで終えることができました。
フィニッシュ受付はないので提出資料(レシートとCK1の写真プリント)をまとめながら休憩。天気がいいのでロード乗りの皆さんが結構出たり入ったり。すっかりブルベも認知される様になったのか皆さんから労いの言葉をもらったりして嬉しかった。そして最後に森林公園までの登りをこなして無事600ブルベを終了しました。
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何かと過去に経験したことがないメカトラブルに襲われたブルベでしたがなんとか走りきることができました。これで認定されれば今年のSuperRandonneurも確定で安堵しています。県境付近では登りが多くきついと感じましたが走ってみれば600kmで5100mほどのコースでそれほど登っている訳ではなかった様です。今度は明るい時に酷道459号線を走ってみたいですね。