RENEWを知っていますか?
この数ヶ月、いろんなことがありましたが、段々と元気になってきました。
ア、ドウモ。
大学院中退したり、心が空っぽになったりと、所属も中身もクリアになったところでして。
人間不信になりつつも、いろんな人に支えてもらいながら、改めて「私のまわりいっぱい素敵な人いるやん!?」って思えたこの数ヶ月。詳しい事情はまた今度。
今回はそんな素敵な人達のなかのひとりとの、旅のお話です。
福井県で開催されたRENEWというイベント
「こんなイベントあるんだけど、行ってみない?」
インスタで見つけたという、ちゃちゃ。電話の最中であった。
私は虚無虚無モードで「もうこれからどうすればええねん……」のテンションでいた訳だけれど、ちゃちゃから送られてきた情報で、ちょっとだけ気持ちが持ち上がった。
実はちゃちゃは初めて参加したヒトカタリキャンプのシークレットバディでもあってですね!!
そこからも米沢イベントやヒトカタリで顔を会わせる機会は多くて、同い年として誇らしいくらいパワフルで素敵なお姉さんなのだ。
出逢うたびにちゃちゃは変身している。今は旅人だ。
私も同じくらい変身できてるといいなぁと偶に思う。
ヒトカタリは、いろんな人とのふか〜い出逢いを与えてくれる。
ここで出逢った人たちは、どんな人でも、いろんな角度から人生の意味を教えてくれるんだろうって信じている。
そんなちゃちゃからのお誘い、ぜひとも行きてぇ!と思ったわけです。
福井は何度も通っていたこともあったし、馴染みのある場所。
よく行くのは大野市だったから、別の場所もみてみたいというのもあった。
滅多にないご縁だと思って、さっそく車をかっ飛ばす。この時にはスーパーロング旅になるとはつゆ知らずで。
母校の文化祭に顔を出して、久しぶりに後輩に会えてとてもフレッシュな気持ちをもらい、そのまま福井県へ。
宿泊場所は古民家ナマケモノ。可愛いロゴの入り口が出迎えてくれて、先に到着していたちゃちゃと合流。
実際に会うのは実に半年ぶり。積もりに積もりまくった話をしながら、明日の計画を立てます。
一箇所にギュッと固まって開催するマルシェスタイルのイベントではなく、すでにある工房やショップとの協力でイベント限りのワークショップ体験や、見学、職人さんたちとおしゃべりできる、まちあるきも兼ね合いになっちゃっているハイパー広範囲イベントなのだ。
まぁ、これが何を意味するかというと、まわり方をミスると詰むということだ。
いきたいところ達が10キロ以上離れていることもザラ、ということでもある。
いつもの日常に、イベント要素がプラスされているわけだから、当たり前といえば当たり前なんだけれど。
さすが伝統工芸のまち。
歴史と伝統を、洗練しスタイリッシュな形で売り出すこのスタイル、もしかしたら伝統工芸というものはそういう時代との迎合を行っているのかも知れないけれど、私はそれを今日まで知らなかった。
こんなにも古き良き歴史と文化を今生きる私たちが簡単に享受できてしまうんだという。素敵な時代です。
そんな昭和レトロ、平成ポップ、令和ロマン(違う)なイベント、楽しくないわけがないのである。
イベントというよりも、お祭りっていう表現の方がしっくりくるかも。
商店街に飾られる提灯みたいにのぼりが立ち並んでいるのが、まち全体で「やってやるぜ!」が感じとれるので「これからどんな体験ができるんだろう~!!ワクワク~!!」な気持ちがより湧いてきました。
入念な準備とともに、ちゃちゃと眠りにつきます。
二段ベットが三つ並んだドミトリーのルームは字面以上に快適でして。ロングドライブの疲れで即入眠することができましたとさ。
目が覚めたら
目指すのはRENEW会場……ではなく。
平泉寺!
越前大仏!
しとしと雨が降るなか、幻想的なお寺を巡り、大仏の参拝も行いました。
これから起こることが全部ハッピーでありますように、なんてお願いしながら、越前大野の豊かな自然を楽しみます。
普段住んでいる場所とは全く違う景色、巨大な寺院、山。そこにいる友達。
最高すぎますね。
ちょっと脇道プチコラム
「友達」っていう表現があんまり好きではなかったんです、この前まで。
友達の「ダチ」の部分が気に入らなかったので。
友人でいいじゃん、友達として表現する人は大体単数なんだから、とか思っていたので。
もしかしたらボッチの僻みなのかもしれないけれど、とにかく私は友達という表現が好きではなかったのだ。
ただ、とある友達(友達って早速使っちゃうぜ~!)と話した時に知見を得ました。
すなわち、友達というのはそこにいる人が1人だとしても、友「達」なのである。
そこに自分もいるのだから、私とあなたで、友たち。友達。
1人を友人と指す時、もうすでに自分自身も含まれているという嬉しさ。友達であると表現するなかで、私というものが相手にも含まれているという感覚。
人は全くの孤独、という定説を少しだけ傾けさせる、ちょっとしたあたたかさ。
それに気づいてから、「友達」の響き、意味合いに超感動して使いまくっているというわけ。
友達がそこにいる。
私とあなたがそこにいるから。
こんなに嬉しいことはないだろう。
閑話休題。
とにかくハッピーな大野の観光をしたよということでした。素敵な思い出は、素敵なままとっておこう。
さて、早速昨晩立てた計画を数時間オーバーして、RENEWのイベント中心地、河和田のインフォメーションセンターに向かいます。
到着したのはお昼を過ぎてから。旅って感じがして、イイネ!
お腹も減ってきたので福井の郷土料理を楽しめる「椀椀」で食事(お腹が減りすぎて写真撮っている場合ではなかった)。
地域のお母さんたちの手料理をバイキング形式で食べられる食堂で、吸い寄せられるように着席。
なんとおかずはおかわり自由。
あまりにも美味し過ぎて感動していると、できたてのおかずをお母さんが配ってくれる配給システム付きだった。
あまりにも地域密着すぎる。これは良い。しかも出来立てのおかずも美味しい。
私のイチオシはナスの味噌焼き(という名前だった気がする)。あまりにもナスが美味しすぎました。
ご飯に満足したら、いよいよイベントへ!
インフォメーションセンターでは漆器の販売が。
漆の出すツヤッツヤの光沢に感動して、それらが作られる過程も展示から知れちゃいます。
しかもどれも手が届きそうな値段なのも魅力の一つ。こんなに質が良さそうなんだからもっと高くてもいいのに……と思いつつ「いや!私が稼いで迎えに行くから待ってて!その値段のままで!!」がせめぎ合ってしまいます。
あと2、3年くらいはその値段のままでいて欲しい。
かっこいい名刺ケースを見つけたんだ。
あれを応接間みたいなところでキセルを咥えながらもったいぶって開け、和紙でできた名刺を取り出すところまで想像したんだ。
さて、そんな妄想を膨らませたところで、インフォメーションセンターを後にして、次の目的地へ向かいます。
まずは「SAVA! STORE (TSUGI)」
ではおしゃれ雑貨を眺めたり、シルクスクリーンに挑戦したりしました。
RENEWのイベント限定のデザインを500円(インク代。小物は別売り)で体験できちゃうクリエイティブ精神を超絶刺激されるワークショップ。
トートバックやTシャツ、巾着などいろんな素材と、インクの色、デザインを自分で選べるものなので、ちゃちゃとめっちゃくちゃ悩みに悩みぬいて自分だけのオリジナル小物をゲットできちゃうのだ。
ちゃちゃはサコッシュ、私は巾着にそれぞれ気に入ったデザインを入れていきます。
「この下地だったら、この色が映えると思います!」で、オススメしてもらった色をチョイスした私と、「めっちゃ赤が良くて」と、自分のイメージをそのまま形にするちゃちゃ。選び方によって個性が出ますね。
初めてシルクスクリーンをしましたが、なかなか面白くて。
デザインも可愛いので、いろんなもので、いろんなところで、できたらいいのになぁ! と思いながらTSUGIさんをあとにしました。
とっても楽しかったねぇとキャッキャして時計をみたら、大体のお店が閉まる2時間前とかになっていました。
慌てて次の目的地へ車を飛ばします。もっと回るはずが、時間的に次で最後。これもまた一興ですね。
お次は「乾レンズ」さん!
しっかり入り口と裏口を間違えながらも、乾レンズさんでレンズの工場見学でサングラスのレンズの面白さと、メガネレンズができるまでを間近で見たり、たくさんのメガネの試着をして、「リッチになったらこのメガネ欲しいなぁ」と将来の夢を膨らませました。
工場見学では、超おもしろレンズおじさん(レイバンとかのレンズもデザインしていたらしいめっちゃすごい人)から、ファッション用グラスとちゃんとしたサングラスの違いを伝授してもらい、実際にレンズの加工の現場も見ることができました。
一枚一枚丁寧に加工処理されていて、自分のメガネにより愛着が湧く時間になりました。
工場見学が終わったら、乾レンズさんのショップを楽しみます。
メガネの端材を再利用したアクセサリーや、いろんなメガネの試着、いろんなカラーバリエーションのあるレンズ。
めっちゃ大満足でした。
度入りのメガネ姿はものすんごく嫌いだったけれど、これくらいメガネについてしれたり、いろんなレンズの可能性とかを知ったので、そんなに嫌悪するものでもなくなってきた。
もしかしたら、あの時の私にも似合う可愛いメガネがあったのかな……などと感傷に浸る。
このメガネコンプレックス、今の気持ちもまた書こうと思えた時間にもなった。
自分に似合うサングラスを探していたら、閉館時間へ。
大満足レンズストアでした。
伝統工芸の技術の凄さと、今でも進化を続ける進化の楽しさを間近で感じられる1日になりました。
その日は福井で有名な焼き鳥屋さん「秋吉」でお腹を満たして、就寝。翌日は、いよいよRENEWの内側に潜入です。
内側に潜入って何だよ!?
こういうことです。
じゃーん。
RENEWでは、毎年ボランティアスタッフを募集しており、私とちゃちゃは最終日のみボランティアスタッフとして参戦することになっていました。
お客さんとしても、運営としても関われるRENEW、最高すぎませんか。気づきましたか、最高なんですよ。
今回は総勢60人以上のボランティアスタッフ(そこそこ多めらしい)のシフトを巧みに調整していただいた幹部のみなさんには感謝しかありません。
1人の人に長い時間同じ場所にとどませるのではなく、巧みにいろんな場所に散らすことで、交流も増えるし、いろんなスタッフのやることも経験できるし、なによりお客さんとのいろんな交流もできるしでものすっごい有意義な時間になりました。
私がしたのは、ゴミステーションの誘導係、公式グッズ販売、レンタサイクル案内の三つ。
1日で体験できる仕事の量にしては、あまりにも充実している。
それに、引き継ぎの方が毎度毎度わかりやすく丁寧に教えてくださるので、すぐに仕事に専念できました。
業務の内容も、飛び入り参戦する私みたいな人でもすぐこなせるようにできているシステムも、RENEWの運営力を感じます。
どこの場所でも、新しい出逢いがあって、楽しい話ができました。
本当に全国各地から人が集まっていることも知れたし、このイベントが大好きな人がたくさんいることを知れた。
すごい。
「好き!」のエネルギーの大きさに圧倒された。
自分の話もしたり、相手の話を聞いたりと、かなり久しぶりなもので。
結構緊張気味な私でしたが、どの人もみんな暖かくて、とっても嬉しかった。人生捨てたもんじゃないなって思えた。
もうほとんど今の私を自己紹介するものなんてほとんどないけれど、残っていた微かな情報すらも脱ぎ去って、そのままの私のままであの場にいた。そのままの姿で、人と接した。
人と比べちゃったりとか、いいなぁとか、羨ましいとか、そういう人間くさい感情が一切なかった。
心の底から「それっていいですね!」が言えた。
全部が全部、本当に素晴らしかったからだと思うんだ。マウンティングとか、競争社会とか、そういうものとま正反対の世界があった気がする。
このイベントが好きで、このイベントの力になりたいと心の底から純粋に思う人が集まっている感覚があった。
そりゃ、真っ直ぐなパワーしかありませんわ。素敵すぎだし、眩しすぎた。
身いっぱいに受け取って、たくさん満たされた。まだまだ頑張りたいなって思えた。
私も何か自分のことを話したい! と一歩踏み出して、哲学をしたり(もう中退したけど)、noteを書いたり(最近あんまり更新してないけど)していることを言えた。
もう一回哲学したいと思ったし、noteもこれを機に書こうと思った。
そんな会話の中で「あ、自分もnote始めてみようかな」って言っていた名もなき青年(名札はあったけど、確認していない)(青年って言っているけどおそらく同い年)(とっても楽しく話をしすぎてSNSの交換を忘れていた)、まだ私はフォローされるのを待っているぞ(大圧)。
スタッフの仕事が終了したら、ちゃちゃ、そのイベントで親しくなった人と共に「TSUGI」さんをおかわりして(和紙のノート買ったよ~!嬉しい~!)、夜ご飯はヨコガワ分店さんへ。
ボルガライスという、オムライスの上にカツが乗っている最高に美味しいご飯に舌鼓を打つ。
ヨコガワ分店さんが、元祖のボルガライスを開発したそうな。甘じょっぱいソースが絶妙で、気がついたら完食。
お宿はRENEWのボランティアスタッフのために受け入れてもらった「さばえめがねハウス」へ!
11LDKという超ビッグな古民家を改装した民泊施設。
「雑魚寝になっちゃいますが……💦」みたなめがねハウスさんからのメッセージにどんなところやねんとハラハラしていたところ、現れたのが千と千尋の神隠しみたいなとんでもないお家でして。
「ここに泊まっちゃっていんですか!?」が素直な感想。宿泊料が格安すぎるのも理由の一つ。もっと利益追求してもええんやで~!と心に住む関西人が大声をあげていた。
名前の通り、メガネの端材のインテリアや、メガネ試着ゾーンとかがあったりして、まさに「テーマ:メガネのおうち!」でした。
RENEWのボランティアスタッフをしていた人たちとの相部屋で、夜遅くまで飲んで語りました。
RENEWの歴史を知れたり、これまでのバックグラウンドをさらに知れたり、かなり深い深い夜になれたとさ。
翌日は、ちゃちゃと東尋坊を巡り、金沢までドライブして友人に会いに行ったり(半年ぶりの再会!!)して、それぞれの帰路につきました。ちゃちゃはそのまま西へ。
久しぶりの友達との旅、とっても楽しかった。本当に楽しい時は「楽しかった」としか言えないものですね。
私はそのまま「よっしゃ!」と元気チャージして新潟を突っ切り、親知らず(松尾芭蕉が歩いたところ)に行ったり、糸魚川(とある映画とゆかりのあるところ)を見に行ったりと、フラフラしながら米沢に行き、会いたい人に会って、会えなかった人には次会う時の約束をして、網代と松崎に寄り道して、家に帰りました。
スーパーロング旅である。泣きっぱなしの旅でもあった。
松崎の話はしなくちゃと思いながら、これは後日。
網代の話をしなくちゃとも思いながら、これも後日。
この長い長い旅でわかったことはたくさんある。
誰かに「待ってるよ!」って言われるのが本当に、本当に嬉しいこと。
友達との時間はあっという間に過ぎ去っていくということ。
ふとした時に、心の底から「大好き!」が溢れていること。
たまには自分の気持ちを優先してもいいってこと。
どんな私でも確実に、受け止めてくれている人がいるっていうこと。
辛さや苦しみを全部言葉に出せずとも、それらを「そうだったんだね」と受け止めてくれる人がいるということ。
「きっと私の経験してきたことは、あなたの気持ちがわかるためにあったんだ」と声をかけてくれる人がいるってこと。
たくさんの素敵な人が、私の周りにはたくさんいるということ。
本当に本当にたくさんいるっていうこと。
「会いたい!」って心から思える人がいるっていうこと。
結構いっぱいいるってこと。
こんなにも「待つ」に救われたことはなかった。
だから私も、もっと元気になったら誰かを、どこかで待っていたい。
私があの子の優しさで癒されたように、私も誰かの背中を押せるような、誰かの帰る場所になりたい。
ちょっとずつでも、大丈夫。
私は善いと思ったことを重ねていくだけだ。
私には夢があるし、それに進んでいける力がある。
今は少し、頼りないけれどそれでも進んでいきたいと、強く強く思うのだ。
今回はそんなきっかけをくれたちゃちゃとの、超ハイパーワクワクな旅であった。