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1534「Whims of Chambers/ウィムス・オブ・チェンバース」

ナレーターの堀川輝幸と申します。
ジャズを深めたい!と視聴記録をnoteにまとめてみることにしました。
まずは基本中の基本、ブルーノート1500番台100枚を順番に聴いてUPするチャレンジ中。聞く中で知らないプレーヤーとの出会いや、楽器、ジャンル、時代背景など、見聞が広げたいと思っています。
当方は聴く専門で、音楽理論等の知識は有していないので専門的なことは分かりません。その分素人意見の解説、感想と言った感じで親しんで貰えると嬉しいです。


今回はBLP1534「Whims of Chambers/ウィムス・オブ・チェンバース」
ジャズ・ベースと言えばポール・チェンバース。
ジャズでもロックでも比較的地味な印象のベースマン。
ベースリードのアルバムは少ないと思いますが、ベースという楽器を意識的に聞ける良い機会だと思います。

ポール・チェンバースについて。

ポール・チェンバース(Paul Chambers) は、ジャズ史において最も影響力のあるベーシストの一人であり、特にハードバップ時代における活動で知られています。彼の正確なリズム感、ウォーキング・ベースラインの創造性、そしてソロ演奏における美しい弓弾き(アルコ)の技術は、多くのジャズミュージシャンに影響を与えました。

基本情報
• フルネーム: Paul Laurence Dunbar Chambers Jr.
• 生年月日: 1935年4月22日
• 出身地: ミシガン州ピッツフィールド
• 死没日: 1969年1月4日(享年33歳)
• ジャンル: ジャズ(主にハードバップ、モード・ジャズ)

生涯とキャリア
1. 初期の音楽活動
• チェンバースは幼少期に音楽を学び、チェロを最初に演奏していました。
• 1952年にベースに転向し、デトロイトのジャズシーンで活動を始めました。
2. ニューヨークへの移動と注目のきっかけ
• 1955年にニューヨークへ移住し、ジャズ界での名声を築き始めます。
• ジャズメッセンジャーズやマイルス・デイヴィス・クインテットなどでの活動を通じて注目を集めました。
3. マイルス・デイヴィスとの黄金期(1955年~1963年)
• チェンバースは、マイルス・デイヴィスのグループで約8年間活動しました。
• 特に、アルバム『Kind of Blue』や『Milestones』などの名盤でベースを担当し、モード・ジャズの進化に貢献しました。
4. リーダーとしての活動
• リーダーとしてもいくつかのアルバムを録音しました。代表作に『Whims of Chambers』(1956年)、『Bass on Top』(1957年)があります。
5. 早すぎる死
• チェンバースは薬物依存やアルコール問題に悩まされ、1969年に肝不全により33歳の若さで亡くなりました。

音楽の特徴
1. 技術力と創造性
• 彼のウォーキング・ベースラインは、リズムの安定性とハーモニーの豊かさを提供し、多くのジャズミュージシャンの基盤となりました。
• 弓弾き(アルコ)をソロで使用する独特のスタイルは、ジャズ界で非常に珍しく、彼の個性を際立たせました。
2. モード・ジャズへの貢献
• 『Kind of Blue』などで見られるシンプルでミニマリスティックなラインは、モード・ジャズの重要な要素を提供しました。
3. 他のミュージシャンとの共演
• チェンバースは、ジョン・コルトレーン、キャノンボール・アダレイ、レッド・ガーランド、アート・ブレイキーなど、多くの一流ミュージシャンと共演しました。

代表的なアルバム

リーダー作
• 『Whims of Chambers』(1956年)
• 『Bass on Top』(1957年)
• 『Paul Chambers Quintet』(1957年)

サイドマンとしての名盤
• Kind of Blue(マイルス・デイヴィス)
• Milestones(マイルス・デイヴィス)
• Blue Train(ジョン・コルトレーン)
• Somethin’ Else(キャノンボール・アダレイ)
• Moanin’(アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ)

評価と影響
• ポール・チェンバースは、ジャズベースの演奏スタイルを根本的に変えた人物として知られています。彼の正確で創造的なラインは、リズムセクションの枠を超え、ベーシストを音楽的リーダーとして位置づける手助けをしました。
• クリスチャン・マクブライドやロン・カーターなど、後世の多くのジャズベーシストに影響を与えています。

チェンバースの音楽は、その短い人生の中で作られたとは思えないほど豊かで、今もなお多くのジャズファンやミュージシャンに愛されています。

ジャズヒーローらしく若くして麻薬中毒で亡くなってますが、その活動はジャズofジャズとも言うべき内容です。奇跡的なジャズマンと言えるでしょうね。

『Whims of Chambers』 は、ポール・チェンバースがリーダーとして初めて録音したアルバムで、1956年にBlue Note Recordsからリリースされました。チェンバースの演奏だけでなく、共演ミュージシャンも豪華で、ハードバップの名盤として広く評価されています。

アルバム情報
• タイトル: Whims of Chambers
• レーベル: Blue Note Records
• 録音日: 1956年9月21日

参加メンバー
• Paul Chambers – ベース
• Donald Byrd – トランペット
• John Coltrane – テナーサックス
• Kenny Burrell – ギター
• Horace Silver – ピアノ
• Philly Joe Jones – ドラム

このセッションには、当時のトップクラスのジャズミュージシャンが集まり、チェンバースのベースを中心に繊細かつ力強い演奏が展開されています。

曲目
1. Omicron
• 作曲: Donald Byrd
2. Whims of Chambers
• 作曲: Paul Chambers
3. Nita
• 作曲: Kenny Burrell
4. We Six
• 作曲: Paul Chambers
5. Dear Ann
• 作曲: Donald Byrd
6. Tale of the Fingers
• 作曲: Paul Chambers
7. Just for the Love
• 作曲: Kenny Burrell

アルバムの特徴と評価
1. チェンバースのリーダーシップ
• ポール・チェンバースが中心となりながら、トランペットのドナルド・バードやテナーサックスのジョン・コルトレーンが独自のサウンドを展開し、バンド全体の一体感が感じられます。
• 特に「Whims of Chambers」や「Tale of the Fingers」では、チェンバースの弓弾きの技術とウォーキング・ベースラインの巧みさが際立っています。
2. 多彩な楽曲
• アップテンポの「Omicron」や「We Six」から、しっとりとした「Nita」や「Dear Ann」まで、楽曲のバリエーションが豊富です。
• チェンバース自身の作曲能力も注目され、「Tale of the Fingers」などはジャズファンに広く愛されています。
3. 評価
• 発売当初から高く評価され、特にチェンバースのベースプレイの豊かな音楽性が称賛されました。
• ハードバップの中でも、リズムセクションの重要性を強調したアルバムとして、現在も多くのファンに支持されています。
• ジョン・コルトレーンやホレス・シルヴァーとの共演も、アルバムのクオリティを一層引き立てています。

結論

『Whims of Chambers』は、ポール・チェンバースの才能を存分に味わえる名盤です。ハードバップ時代のエネルギーと緻密なアンサンブルが融合した作品で、ジャズファン必聴の一枚です。チェンバースの技術や音楽性を楽しむとともに、共演者たちの力強い演奏も堪能できます。

豪華メンバーによるまさに名盤中の名盤。
必聴盤でしょう!

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