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【映画】A24「WAVES」

ナレーターの堀川輝幸と申します。
鑑賞した映画の感想を記録してゆきたいと思います。
ネタバレも含むと思いますので、未鑑賞な方は御遠慮下さい。


今回は「WAVES」の鑑賞記録です。

映画概要はこちら。

『WAVES/ウェイブス』(Waves)は2019年のアメリカ合衆国の青春映画。監督はトレイ・エドワード・シュルツ、出演はケルヴィン・ハリソン・Jrとテイラー・ラッセルなど。フロリダで暮らす裕福な家庭の高校生の兄妹を主人公に、将来有望だった兄の挫折と悲劇を前半で、その後、崩壊状態に陥った一家が、妹の恋物語を通して再び希望を見いだしていく姿を後半で描いている[4]。

この物語、誰も悪くないというか、誰にでも起こりうる身近な話です。
一見、仲良く何も問題のない家族に見えても、そこには多少なりとも溝があり、それが何かのきっかけで噴出し、不幸な事件に発展してしまう。これは誰が悪い(悪いのは加害者なのは当たり前ですが)という論点ではなく、“何が良くなかったのか”を考えることがこの映画の鑑賞成果かと思います。

“何が良くなかったか”
この映画の家族で言うと、「勇気を出せなかったこと」だったのかな、と。

父親は責任感から息子に厳しく当たり、それは愛情の裏返しでした。そして後妻に対しても主張するだけで話を聞こうとしない。
息子はそれに不満を持ちつつも正しく父親に向かうことが出来なかった。
娘は大人しく、事件を止められなかった事を後悔している。
母親は継母ながら、愛情深く子供達に接しています。

父、息子、娘の3人は深く心を開けないという勇気の無さを抱えており、これが終盤、悲劇を超えて、わだかまりが消えていきます。その展開はとても優しさと柔らかさをもってじっくりと伝わっていき、監督の伝えたいメッセージが過不足なく伝わるような鑑賞体験でした。

落ち着いた時間にリラックしてじっくり鑑賞したい映画です。

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