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1535「Afro-Cuban/アフロ・キューバン」

ナレーターの堀川輝幸と申します。
ジャズを深めたい!と視聴記録をnoteにまとめてみることにしました。
まずは基本中の基本、ブルーノート1500番台100枚を順番に聴いてUPするチャレンジ中。聞く中で知らないプレーヤーとの出会いや、楽器、ジャンル、時代背景など、見聞が広げたいと思っています。
当方は聴く専門で、音楽理論等の知識は有していないので専門的なことは分かりません。その分素人意見の解説、感想と言った感じで親しんで貰えると嬉しいです。


今回はBLP1535「Afro-Cuban/アフロ・キューバン」です。
タイトルにアフロとあるように、どこか陽気なイメージを持ちますが、実際にそのイメージを裏切りません。

そもそもアフロキューバンジャズというジャンル名があるようで、まさにその代表的なアルバムです。

アフロキューバンジャズは、アフリカ系キューバの音楽スタイルとジャズを融合させた音楽ジャンルです。1940年代から発展し、主にニューヨーク市やキューバで形成されました。このジャンルは、アフリカのリズムとキューバの伝統的な音楽要素を取り入れることで、従来のジャズに新しい風を吹き込みました。

特徴:
1. リズム:
アフリカとカリブ海に由来する多層的なポリリズムが特徴。特に「クラーベ」(clavé)というリズムパターンが基盤となります。
2. 楽器:
• コンガ: アフリカ由来の手で叩く太鼓。
• ボンゴ: 小型の太鼓。
• ティンバレス: キューバのドラム。
• カウベル: パーカッションのアクセントとしてよく使用される。
3. 即興:
ジャズの即興演奏と、キューバ音楽特有の即興歌やリズムが融合。
4. 構造:
ジャズのスウィング感とキューバのモントゥーノ(繰り返しフレーズ)が組み合わされる。

歴史:
1. 1940年代:
アフロキューバンジャズの始まりは、キューバ音楽とアメリカのジャズがニューヨークで融合した時期に遡ります。
• ディジー・ガレスピーとチャノ・ポソ: 「Manteca」(1947)でジャズとアフロキューバン音楽を結びつける重要な役割を果たしました。
• マチートとアフロ・キューバンズ: このバンドがジャンルを定着させた。
2. 1950年代:
• ケニー・ドーハムの『Afro-Cuban』のように、ジャズミュージシャンがアフロキューバン音楽を取り入れた名作が登場。
• この時期には、ラテン音楽とビバップの要素が融合し、新しいスタイルが確立されました。
3. その後の影響:
• サルサやラテンジャズなど、幅広いジャンルに影響を与えました。
• 1980年代以降のアシッドジャズやクラブジャズの中でも再評価されています。

今日の影響:

アフロキューバンジャズは、ラテンジャズやモダンジャズにとどまらず、サルサ、ヒップホップ、クラブジャズなど多くの音楽ジャンルに影響を与えています。そのリズムとエネルギーは、今でも世界中のミュージシャンにインスピレーションを与え続けています。

特にコンガの音が特徴的。ラテンやサルサといったステップ感あふれる演奏が聴けます。

ケニー・ドーハムのアルバム『Afro-Cuban』(ブルーノート BLP-1535)は、1955年に録音された作品で、ジャズとラテン音楽を融合させた意欲作として知られています。

収録年月日とメンバー:
• 1955年3月29日録音:
• ケニー・ドーハム(トランペット)
• J.J.ジョンソン(トロンボーン)
• ハンク・モブレー(テナーサックス)
• セシル・ペイン(バリトンサックス)
• ホレス・シルヴァー(ピアノ)
• オスカー・ペティフォード(ベース)
• アート・ブレイキー(ドラムス)
• カルロス・“パタート”・ヴァルデス(コンガ)
• リッチー・ゴールドバーグ(カウベル)
• 1955年1月30日録音:
• ケニー・ドーハム(トランペット)
• ハンク・モブレー(テナーサックス)
• セシル・ペイン(バリトンサックス)
• ホレス・シルヴァー(ピアノ)
• パーシー・ヒース(ベース)
• アート・ブレイキー(ドラムス)

収録曲:
1. Afrodisia
2. Lotus Flower
3. Minor’s Holiday
4. Basheer’s Dream
5. K.D.’s Motion
6. La Villa
7. Venita’s Dance
8. Echo of Spring (K.D.’s Cab Ride) [CDボーナストラック]
9. Minor’s Holiday [別テイク、CDボーナストラック]

評価:

『Afro-Cuban』は、ジャズとラテン音楽の融合を試みた先駆的な作品として高く評価されています。特に、オープニングの「Afrodisia」は、クラブジャズ・シーンでも人気の高いジャズ・ダンス・クラシックとして知られています。 また、1980年代の「Acid Jazz」ムーブメントにおいても、「踊れるジャズの聖典」として再評価されました。 

このアルバムは、ケニー・ドーハムの創造性と多様性を示す重要な作品であり、ジャズ史における名盤として位置づけられています。

真夏に太陽の陽を浴びながら聴きたくなる1枚ですね。

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