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1531「The Fabulous Fats Navarro vol.1」
ナレーターの堀川輝幸と申します。
ジャズを深めたい!と視聴記録をnoteにまとめてみることにしました。
まずは基本中の基本、ブルーノート1500番台100枚を順番に聴いてUPするチャレンジ中。聞く中で知らないプレーヤーとの出会いや、楽器、ジャンル、時代背景など、見聞が広げたいと思っています。
当方は聴く専門で、音楽理論等の知識は有していないので専門的なことは分かりません。その分素人意見の解説、感想と言った感じで親しんで貰えると嬉しいです。
今回はBLP1531「The Fabulous Fats Navarro vol.1/ザ・ファビュラス・ファッツ・ナヴァロ Vol.1」です。
ファッツ・ナヴァロ(Fats Navarro、本名:Theodore “Fats” Navarro)は、ジャズ史における最も重要なビバップ時代のトランペット奏者の一人で、技術的な卓越さと音楽的な表現力で後の世代のプレイヤーに大きな影響を与えました。以下に、彼の生涯と音楽の特徴について解説します。
基本情報
• 生年月日: 1923年9月24日
• 出身地: フロリダ州キーウェスト
• 死没日: 1950年7月6日(享年26歳)
• ジャンル: ビバップ、ジャズ
• 代表的な共演者: チャーリー・パーカー、タッド・ダメロン、ディジー・ガレスピー、アート・ブレイキー
生涯とキャリア
1. 初期の音楽活動
• キューバとアフリカ系の混血であるナヴァロは、幼少期から音楽に触れ、高校時代にはサクソフォンを演奏していました。その後トランペットに転向し、早くからその才能を発揮しました。
• 1940年代初頭には、ビッグバンドでの活動を始め、ライオネル・ハンプトンやアンディ・カークなどと共演しました。
2. ビバップ時代の到来
• 1940年代半ばにニューヨークに拠点を移し、ビバップムーブメントに参加。ディジー・ガレスピーやチャーリー・パーカーと共演しながら、その才能を磨きました。
• 特にピアニストのタッド・ダメロンとのコンビは有名で、彼の楽曲「Lady Bird」や「Our Delight」などで輝かしいソロを披露しました。
3. 晩年と早すぎる死
• ナヴァロは結核を患い、薬物依存(ヘロイン)による健康状態の悪化も重なり、1950年にわずか26歳でこの世を去りました。
音楽の特徴
• トーンとフレーズ
• ナヴァロのトランペットは、太く豊かなトーンと卓越した技術で知られています。彼の演奏には、スウィング感とリズミックな即興が巧みに融合しています。
• スピード感のあるソロと滑らかなリリカルな表現を兼ね備えており、ディジー・ガレスピーやクリフォード・ブラウンに影響を与えました。
• ビバップスタイルの確立
• 彼の演奏スタイルは、複雑なコード進行をベースにした即興性やアーティキュレーションが特徴で、モダンジャズの基盤を築きました。
代表的な楽曲・アルバム
• Lady Bird
• Nostalgia
• Ornithology(チャーリー・パーカーとの共演)
• The Fabulous Fats Navarro Vol. 1 & Vol. 2
評価と影響
• 短命ながらも、ナヴァロはジャズ史において永遠の存在とされています。彼の音楽は、モダンジャズの基礎を作り、特にトランペット奏者に大きな影響を与えました。
• クリフォード・ブラウンやリー・モーガンなど、彼の後に続くトランペッターたちは、ナヴァロの演奏スタイルを参考にしています。
余談
• ファッツ・ナヴァロの名前の「Fats(太っちょ)」は、彼のぽっちゃりとした体型に由来していますが、その軽やかな音楽スタイルとは対照的なニックネームとして親しまれています。
「ザ・ファビュラス・ファッツ・ナヴァロ Vol.1」アルバム情報
収録概要
• 録音日:
• 1947年9月26日
• 1948年1月22日
• レーベル: Blue Note
• 録音場所: ニューヨーク
正しい曲順
1. アワ・デライト (別テイク)
2. アワ・デライト
3. ザ・スカーラル (別テイク)
4. ザ・スカーラル
5. ザ・チェイス (別テイク)
6. ザ・チェイス
7. ウェイル (別テイク)
8. バウンシング・ウィズ・バド (別テイク)
9. ダブル・トーク
10. ダメロニア (別テイク)
11. ダメロニア
参加メンバー
1947年9月26日セッション
• Fats Navarro – トランペット
• Leo Parker – バリトンサックス
• Tadd Dameron – ピアノ
• Gene Ramey – ベース
• Denzil Best – ドラム
1948年1月22日セッション
• Fats Navarro – トランペット
• Sonny Rollins – テナーサックス
• Tadd Dameron – ピアノ
• Curly Russell – ベース
• Art Blakey – ドラム
アルバムの特徴と評価
1. 「アワ・デライト」と「ダメロニア」
• タッド・ダメロンによる代表的な楽曲で、ナヴァロの力強くも繊細なトランペットプレイが印象的です。「別テイク」との聴き比べが楽しい構成です。
2. スリリングなアンサンブル
• 「ザ・スカーラル」や「ザ・チェイス」では、ナヴァロのリードのもと、レオ・パーカーやソニー・ロリンズらとの絶妙な掛け合いが聴けます。
3. テクニックと音楽性の融合
• ナヴァロの演奏は、ビバップ特有の複雑なコード進行を余裕をもってこなしつつ、メロディアスなラインも失わない点が特筆されます。
結論
「ザ・ファビュラス・ファッツ・ナヴァロ Vol.1」は、ファッツ・ナヴァロの卓越した才能と、ビバップ黄金期のエネルギーが詰まったアルバムです。
また、別テイクを収録した内容は、彼の即興性と演奏の多様性を深く味わうことができ、ジャズファンにとって貴重な一枚です。
ジャズトランペッターとして外せないファッツ・ナヴァロの名盤です。