火星でDNAをさがせ
★むしコラム「火星でDNAをさがせ」
先週、火星探査機のキュリオシティが、火星で何やら大発見をしたらしい、というニュースが飛び込んできました。
☆火星の土に有機物か:「歴史的な分析結果」発表へ
http://goo.gl/YtovX
一体何を発見したのか、この内容の詳細については、12月3日から開催される米国地球物理学連合び学会の記者会見で明らかになるそうです。個人的な予想としては、地球上の生物に共通する生物の部品、つまり、タンパク質や脂質や糖のような複雑な化合物が見つかったのでは、と期待しています。
火星で有機物など生命の痕跡を探すべく活躍中のキュリオシティですが、火星でDNAのみを探すためのプロジェクトも現在進行中です。
このプロジェクトはMITが中心となって進めており、SETG(The Search For Extraterrestrial Genomes)、つまり、地球外ゲノム探索プロジェクトと名付けられています。
現在キュリオシティが行っている解析と異なるのは、SETGプロジェクトがターゲットをDNAのみに絞り込んでいる点と、そのDNAを発見するだけでなく、DNA上に書かれた遺伝暗号である塩基配列を読んで、そのデータを地球に送信するところです。
では、なぜ彼らはDNAのみに対象を絞っているのでしょうか。
DNAは、(少なくとも地球型生命体においては)生命の情報を司る物質、すなわち、生命の本質的な単位です。そのDNAがもし仮に火星で見つかれば、これは火星に生命がいる、あるいは過去にいたことを限りなく証明することに等しくなります。
このような理由で、彼らはDNA一本に的を絞って、火星探査を行う計画を練っています。
もし火星でDNAが見つかれば、そのリターンは計り知れないものになります。地球型生命が、地球以外の惑星にもいる(いた)となれば、人類の生命観は大きく転換するでしょう。
しかし、ハイリターンにハイリスクはいつでもつきものです。この計画を実行するためには、乗り越えなくてはならない問題がたくさんあります。
まず、DNAを検出し、解析するステップでの問題です。これにはまず、火星の土からDNAを取り出して、解析するための処理を行わなくてはなりません。
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