前野ウルド浩太郎インタビュー第6回「退職するまでアフリカで」
前野ウルド浩太郎インタビュー(第6回)
前野ウルド浩太郎 (学術振興会海外特別研究員:モーリタニア国立サバクトビバッタ研究所)
☆プロフィール(2013年時点)☆
2008年神戸大学大学院自然科学研究科にて博士号(農学)を取得。現在、学術振興会海外特別研究員としてモーリタニア国立サバクトビバッタ研究所に赴任。サバクトビバッタの生態を明らかにすべく、サハラ砂漠にて絶賛フィールドワーク中。
2011年 日本応用昆虫学会奨励賞受賞 / 井上科学振興財団奨励賞受賞
2012年 山下太郎学術研究奨励賞受賞
著書「孤独なバッタが群れるとき」東海大学出版会
http://goo.gl/q9fAs
ブログ: http://d.hatena.ne.jp/otokomaeno/
Twitter: http://twitter.com/otokomaeno175
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第6回【退職するまでアフリカで】
前→前野
堀→堀川
前: 自分が生き延びることがモーリタニアが安全だということを証明することにもなるので。生き延びるッス。
堀: 投石に気をつけてください。
前: うん。投石で死んでヤフーニュースに載りたくないッスからね。「バッタのコスプレをしていた邦人、投石で死亡」とか、絶対にイヤっス。
堀: ははは。
前: でも、日本と全然違うので、モーリタニアにいること自体が楽しいッス。
堀: いやでも、楽しめるっていうのがすごいですよ。あれだけ環境の違うところに引越したら、普通は憂鬱になったりするものでしょう。僕、アメリカに暮らし始めたときでも、ちょっとそうなったし。その、前野くんがそういう新しい環境で平気でやっていけるっていうのは、何があるんだろう、と。小さい頃の家庭環境とかですかね。厳しい家に育ったとか?
前: 自分の家は、全然ゆるかったッス。まぁ、普通に怒られたりとかはしてたッスけど。自由に海に行ったり、キャンプに行ったり、旅行に行ったり。
堀: ファミコンもやった?
前: ファミコンもしたし、ツインファミコンもしてたッス。
堀: へぇ。普通ですね。
前: なんだろうな。多分、弘前大学、大学生のときにつるんでいた人たちが、いかにして頭悪いことをするかというのを一生懸命やっていて。そういう人たちと一緒にいると、普通でいることが恥ずかしいというのがあったッス。
堀: ちなみに、どんな活動をしていたんですか。その人たちと。
前: その人たちはバンドとかしていて、その、うまく説明できないんすけど、とにかくセンスがすごかったんスよ。女子高生とかキャーキャー言わせてて。
堀: うん。
前: 頭はすごくいい人たちなんスけど、いきなり手づかみでスパゲティ食い始めたりとか。とにかく、そういう変な人たちと一緒にいたので、自分も変なことしようと思って。
堀: なるほど。
前: なので、研究でも王道とはちょっとズレた面白そうなことをやろうと。
堀: うん、うん。モーリタニアにも移住したら「面白いじゃん」ってなるし。
前: それもあるっスね。もちろん、最初はキツいかなと思って覚悟してたッスけど、実際に住んでみたら意外と、全然大丈夫だったッス。
堀: まぁでも、すごいですよ。でも、そっちにいて、孤独とか、あとは「この先将来、どうなるんだろう」とか。そういう不安と戦ったりとかは、ないですか?
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