「クマムシ固有タンパク質が乾燥耐性を向上させる」という論文について(その1)
こんばんは。本日から、山形鶴岡の慶應大先端生命研究所で学生向けのアストロバイオロジー合宿の講師として参加しています。昨年に引き続き2回目。全国の高校生から大学院生までの学生が70人近くも集まりました。
クマムシを知っているか質問したところ、聴衆の学生さんのほとんどが知っていました。さらに、嬉しいことに、クマムシ博士も大部分の学生さんが知っていた。アストロバイオロジーとクマムシは、日本では相性がよいらしい。
僕が大学院生の頃、「アストロバイオロジーをやりたい」と言うと、周囲の研究者からトンデモ扱いされることがほとんどでした。ここ10年で、本当に日本も変わったものです。講師陣も豪華。
☆慶應アストロバイオロジーキャンプ2017
https://goo.gl/wsYDtn
それにしても、キーノートレクチャーの高井氏の「ワシのすべてをオマエに教えてやる。ジョー!」というタイトル、元ネタがわかる10代や20代は皆無でしょうね・・・。
・世界でクマムシ
ここ最近、またクマムシが世界を賑わせています。Twitterで「Tardigrades(クマムシ)」と検索すると、ものすごい数の人々がクマムシのことをつぶやいている。
☆Twitterで「Tardigrades」を検索
https://goo.gl/Yaz4vn
そのきっかけは、アメリカ・ノースカロライナ大学の研究グループから出た1本の研究論文。むしマガでは、今号と次号にわたり、いろんな意味で重要なこの論文についての解説をしていきます。
言い訳になってしまいますが、ちょっとメルマガ発行が遅れていたのも、この論文とその周辺情報を調査・整理していたためでした。あと、最後には大事なお知らせもあります。ということで、以下にお送りします。
1. むしコラム「「クマムシ固有タンパク質が乾燥耐性を向上させる」という論文について(その1)」
超低温、超真空、超高圧。これらのエクストリームな環境に耐える、地上最強生物生物、クマムシ。クマムシは、乾燥した仮死状態で、これらの極限環境に耐えられる。
この乾燥した仮死状態は、乾眠とよばれる。クマムシは他の生物と同様に、体に水分がなければ、活動することはできない。
だが、ひとつ、クマムシが他の大多数の生物と異なるところがある。
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