荒川和晴インタビュー第2回「不審者に間違われないようにするには」

荒川和晴インタビュー(第2回)

荒川和晴 (慶應義塾大学 先端生命科学研究所)

☆プロフィール☆

 2006年慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 バイオインフォマティクスプログラムにて博士号(政策・メディア)を取得。同・助教を経て、現在同・特任講師。G-language Projectリーダー。クマムシ乾燥耐性のマルチオミクス解析を通して、生命活動と非生命の違いを細胞のダイナミクスから明らかにすべく研究中。

URL: http://web.sfc.keio.ac.jp/~gaou/
Twitter: https://twitter.com/gaou_ak

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第2回【不審者に間違われないようにするには】

荒→荒川

堀→堀川

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☆日本人なのに日本人という感覚で過ごせない

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堀:たしかに漫画を読んでいると、日本の文化が普通に入ってきますよね。知り合いのアメリカ人のオタクも言っていました。文化祭って面白そうだって。

荒:そうそう、文化祭とかも憧れましたね。

堀:ああいうなんかこう、閉じた輪の中のユートピアみたいな感じですよね。

荒:そう、集団で何かをやるっていうことが、あまりアメリカに無い文化ですよね。部活とかにしても、日本だと高校に入ったら3年間ずっとやり続けるじゃないですか。でもアメリカだと、シーズンごとに変わるんですよ。春のスポーツをやって、それが終わったら夏のスポーツ、そして秋冬のスポーツをやるといった感じで。

堀:そして、大学に入る時に一人で日本に帰ってきたと。慶応に入ったのは、冨田先生(*註)がいたからですか?

*註) 現慶應義塾大学先端生命科学研究所所長の冨田勝教授。バイオインフォマティクスなどの分野で大きな業績を残している。アサヒスーパードライのテレビコマーシャルにも出演していた過去を持つ。

荒:そうですね。当時、冨田さんがまだ助教授だったんですけど、新聞記事に載っていて。当時は生物学の世界でも、バイオインフォマティクスって単語もほとんど聞かなかったんですよね。

堀:そうですね。僕も聞いたことが無かったです。

荒:1997年くらいだったと思うんですけど、コンピューターを使って生物学をするという概念がすごく面白かったですね。僕は元々コンピューターが得意で、当時もプログラムを作って売ったりしていたんですけど。これだったら僕もできるなと思って。プログラミングする延長線上で生物を作れたらかっこいいな、と。

堀:でもあの当時って、そういう生物学とコンピューターを繋いで何かやるとか、そういう情報ってなかったですよね。

荒:ええ、なかったですね。

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