クマムシ仲間の発見と二度目の居候
★クマムシ研究日誌
私がクマムシの研究を初めて10年以上が経ちました。ここでは、これまでのクマムシ研究生活を振り返りつつ、その様子を臨場感たっぷりにお伝えしていきます。
【第47回】クマムシ仲間の発見と二度目の居候
2006年5月、お世話になった農業生物資源研究所のネムリユスリカ研究グループを去り、東京大学大学院理学研究科の細胞生理学研究室に研究の場を移した。博士課程3年のときである。
まだ北海道大学の大学院生なので、当然ながら籍は北海道大学に置いたままだ。学生であるにもかかわらず、本来在籍している研究室から離れて二度も居候先を変えるのは、かなり珍しいことだろう。
さて、なぜ東大に移ることになったのか。その発端は2005年の秋に遡る。
2005年10月、つくばで日本動物学会年会が開催された。この学会の年会は、動物学を研究する研究者でにぎわう。僕もこの年会でクマムシの研究について発表をすることになっていた。
年会に先立って送られてきた発表要旨集をペラペラめくっていると、ひとつの研究発表に目がとまった。それは、東京大学の國枝武和さんらによるオニクマムシの乾眠についての研究発表だった。
「日本で自分以外にクマムシの耐性について研究している人がいる!」
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