岩のような塊となって肩にのしかかる落胆
★クマムシ研究日誌
私がクマムシの研究を初めて10年以上が経ちました。ここでは、これまでのクマムシ研究生活を振り返りつつ、その様子を臨場感たっぷりにお伝えしていきます。
【第39回】岩のような塊となって肩にのしかかる落胆
コペンハーゲン大学に留学していた、オニクマムシ飼育のパイオニアである鈴木忠さんのもとを訪れ、思い切って自分の意見を伝えた。オニクマムシの飼育をもうやめたい、と。すると、即座にこう返された。
「そりゃそうだよ。オニクマムシは物取り(生体分子を得ること)なんかには向かないよ。やっぱり肉食じゃない種類のやつがいいんじゃないかね」
鈴木さんは、思いの外、あっさりしていた。オニクマムシに対する愛情は尋常でないものがあるが、それと同時にサイエンティストとしての客観的な目も持っていたのである。
そして、鈴木さんですらオニクマムシを実験材料として用いること難しさを感じていることが分かり、オニクマムシとの決別はマストであることを確信した。
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