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手刻みができる職人に出会えたこと「誇」 ♯1
タイトルに書いた「職人」という言葉。
格好いいですよね。
何かに真剣に向き合って、一つのことを極めた人。
2018年に東京から千葉県勝浦市に移住し、日常の暮らしを構成する要素が変化し、出会う人たちも穏やかに変化していきました。
仕事柄、移住してからも建築関係の人たちとご縁を持つことが多いのですが、今回はその中でも、驚いたというか、とても嬉しかった「本物の職人」との出会いを書きたいと思います。
東京にいた頃は、出会いたくても、なかなか機会が無かったからです。
昔は、大工職人が自ら地域の木材を仕入れ、道具を使って手で刻んで継ぎ手や仕口を作り、組み立てるという方法でした。調達した木材の性質や状態、季節やその土地の気候などを考慮し、構造体のどの部分に使うかなども見極め判断して住宅を建てていたのです。
しかし、最近では、職人の高齢化や人材不足により、木造住宅を建てる際は、プレカット(工場であらかじめ機械で切断加工すること)と呼ばれる木材を現場に運び、それを組立る方法が主流になっています。
ですから、手刻みができる職人というのはとても貴重なのです。そんな貴重な「本物の職人」と出会えたのだから嬉しい訳です。
大工職人の大野さんとは、夫が担当した建築現場の仕事を通じてご縁をいただきました。大野さんは40代半ばで、職人の中では若手な方です。お父様と親子2代で工務店を営んでいます。若い頃に、地元の師匠といわれる親方のところに修行に出て、手刻みの技術を身につけたそうです。
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住宅のどの部分にどの木材を使うか、どういう向きで使うか、無駄がなるべく出ないようにどう割り付けていくか、どの道具でどう刻んでいくか…などなど。それら全て、一人の大野さんという大工職人が考え、手を動かしながら形にしていくのです。
大野さんのお話からは、いつも、職人としてのこだわりを感じます。
裏に隠れて見えず、誰も気が付かないようなところまで気を使い、お施主さんが使い続けた後のメンテナンスや、将来の改修時のことまで見据えて、考えて、考えて形にしていくのです。
考えても答えが出ないで困った時は、若い頃に修行に出た先の師匠ならどうするかと思い浮かべるそうです。師匠ならこうするだろうと、自分の考えと重ねて答えを出すのだとか。
大野さんと一緒に仕事を重ねてきて、その仕上がりを見てきた今、そのこだわりは、「本物の職人」としての誇りなんだと気づかされるのです。
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♯2では、大野さんの大切にしている道具について触れたいと思います。