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学び続ける人に知ってほしい、生成AIを使った勉強法をまとめました

こんにちは、株式会社Renewerの堀内です。

昨年、『ChatGPTを徹底活用! ビジネスパーソンのためのプログラミング勉強法』(翔泳社)という本を出版しまして、その執筆にあたって
「生成AIを使った効率的な勉強法」について深く考える機会を得ました。

このAIの使い方は、「人の学習能力を高める」ことに繋がります。
これは、"AIに仕事を奪われる"といわれる現代において、時代をサバイブする重要なヒントになると感じています。

一方で、英語や資格の勉強をしている知人にインタビューすると、意外にも生成AIを使っている人は少なかったんです。
「こんな使い方ができるよ」と共有すると、「試してみます!」「思いつかなかった!」といったポジティブな反応をもらうことが多かったです。

年のはじめは新しい学びに挑戦する方は多いでしょう。
学び続ける人たちの目に留まり、生成AIを使った効率的な学習方法を見つけて欲しいと思い、ドキュメントにまとめました。
それが生成AI × 勉強法ハンドブック 2025です。

活用サービス、プロンプト例、デモなどを掲載したスライド集

40ページ以上にわたって、取り組みやすいTipsを紹介しています。
ChatGPT、Gemini、Claude、Perplexityといった生成AIサービスを活用し、それぞれの特性を活かしてどのような学習に役立てられるかを具体的に解説しています。

この記事では抜粋して、基本的な9つのTipsを紹介します。
資料には掲載できなかった筆者の補足・コメントなど交えながら掲載していきます。

全編は以下から無料でダウンロードできます。ぜひ見てみてください。
(ダウンロードの際にいくつかの情報入力が必要です。)

1.インプット編

どんな分野の学習でも、概念の理解や暗記といったインプット作業は大きな比重を占めます。その膨大な量が多くの学習者に立ちはだかって、苦労を強いられるのが勉強の現実と言えるでしょう。

ここで紹介するのは、そんなインプット作業を効率的に進めるための、生成AIの基本的な活用方法です。

教科書や書籍を生成AIにインプットして活用

勉強方法
教科書や書籍をPDFファイル化したものを生成AIサービスに添付する。
読み込ませた情報を使って、内容の要約や情報の深堀りをして、教材の理解に活用する。

利用サービス
ChatGPT(GPT-4o)、Gemini(1.5pro)など
 ‐ファイル添付機能を使用

応用例
GPT-4では、300ページにおよぶ文章量をインプット可能なので、本1冊をまるまる添付しても十分に活用可能。
「もっとわかりやすいように解説してください」「より深く解説してください」など、教科書の記載内容を自分好みにカスタマイズしてインプットすることが可能。

「生成AI × 勉強法ハンドブック 2025」より
拡大してご覧ください

プロンプト例
添付したファイルは◯◯の過去問3年分です。
この内容から、頻出のカテゴリや問題を分析して教えて下さい。

【過去問PDFの添付】

生成AIを効果的に勉強に活用したいなら、まず学習内容を生成AIに入力することが最も重要なファーストステップです。これができると、生成AIの柔軟性を活かし、問題の作成や内容の要約といった活用が可能になります。
教科書・本など、使ってる教材を生成AIに入力してどんなことができるか、と考えてみると学習の幅が広がるでしょう。

紙教材は生成AIの“目”を使う

勉強方法
紙の教科書をカメラで撮影し、生成AIの“目”の機能(OCR機能)を使って画像ファイルを生成AIに読み込ませる。
読み込ませた情報を使って、内容の理解、問題の作成など学習に活用する。

利用サービス
ChatGPT(GPT-4o)、Gemini(1.5pro)など
 ‐ファイル添付機能を使用

応用例
写真と同様にインターネット上の画像や、スクリーンショット、図表も読み取ることが可能。

プロンプト例
添付の画像に掲載されている英単語を使って、なるべく短い文章を作成してください。

【英単語帳の写真を添付】

学校教育を含め、多くの場面で紙の教材が使われています。しかし生成AIは画像の読み取り機能が発達しているので、これも情報として生成AIに渡すことができます。
例えば筆者も先日、小学生の子どもの漢字ドリルを撮影して、それをもとに模擬の漢字テストを作成するなど便利に活用しました。

インターネット検索×生成AIで特定のジャンルを深く学ぶ

勉強方法
インターネットに多角的な情報が載っている学習分野は検索×生成AIで情報収集し、理解する。
Googleで検索して複数サイトを収集して回るより、効率的に得たい情報を得ることができる。

利用サービス
Perplexity、Genspark、ChatGPT(SearchGPT)など

応用例
回答の参考にしたサイトのリンクが生成されており、情報元を追うことでさらに理解をする。
関連の検索候補が提示されており、追加の観点でより深く情報収集する。

プロンプト例
「ゲーム理論」について、様々な文献や情報ソースから、横断的・多角的に解説してください。

勉強中に検索で調べ物をする際は、Perplexityのような検索系生成AIサービスを試してみると良いでしょう。検索結果からひとつひとつサイトを開けていくよりも効率的に、効率的に必要な情報を一度で取得できます。
また、検索エンジンで「ウェア ハード ミドル ソフト 違い 詳細」といったキーワードを区切って入力していたところを、生成AIでは「"◯◯ウェア"の種類であるハード、ミドル、ソフトの違いを詳細に説明してください」と質問するだけで、一度にわかりやすい回答を得ることができます。

YouTubeの動画教材を効率的にインプット

勉強方法
YouTubeの動画コンテンツを指定し、文字起こしや内容の要約を依頼する。
英語学習であれば動画を学習教材、翻訳された文章を答えとして活用し、リスニングスキルの向上に役立てる。

利用サービス
Gemini(1.5pro)
 ‐「設定」→「拡張機能」からYouTubeの連携をオンにする。

応用例
「このYoutube動画の5:00~10:00の発言を翻訳してください」のように、動画内の時間を指定して予約や文字起こしすることができる。

プロンプト例
この動画内で強調されている、ハングルが読めるようになるためのポイントを教えて下さい。

https://www.youtube.com/xxx

YouTubeを学習のソースとして活用している方も多いのではないでしょうか。最近では、YouTubeにも質の高い学習コンテンツが数多くアップされています。何より動画は学びやすい教材ですよね。
動画教材も生成AIにインプットして、理解をより効率的に深めることが可能です。特にYouTubeとGeminiはどちらもGoogleが提供するサービスであるため、今後さらに連携が強化されていくでしょう。

2.教師・コーチ編

生成AIの柔軟性は、学習中に直面する課題の解決に大いに役立ちます。この役割はこれまで教師やコーチが担っていましたが、生成AIはそれを代替する力を秘めています。
ここでは、生成AIを「教師」や「コーチ」として活用する方法についてご紹介します。

教科書に答えがない質問をする

勉強方法
教科書に答えがないような学習のつまずきや疑問について質問して回答を得る。
生成AIの膨大な知識によって、領域のプロフェッショナルが家庭教師になったような回答を得ることができる。

利用サービス
ChatGPT(GPT-4o)、Gemini(1.5pro)など

応用例
「ソクラテス式家庭教師として回答してください」とプロンプトに入力したら、答えを教えずに学習者を答えに導く指導方法で回答を得ることができる。

プロンプト例
この問題の正解が(D)ではない理由を解説してください。

【問題文と選択肢を追記】

生成AIを勉強に活用する際、もっともベーシックで役立つ使い方が「教科書には載っていない質問をしてみる」という方法ではないでしょうか。
このスライドの例のように、問題文などの背景を詳細に生成AIに伝えることで、より的確な回答やアドバイスを得られる可能性が高まります。

次に学ぶこと・ロードマップについてアドバイスをもらう

勉強方法
学びたい学習ジャンルや目標に対して、どのような学習をしていけばよいか、「学習ロードマップ」の作成を依頼する。
学ぶ前に内容とそのステップを理解して、効率的に学習を進めることができる。

利用サービス
ChatGPT(GPT-4o)、Gemini(1.5pro)など

応用例
自身の現在のレベルや状況などを伝えるとよりパーソナライズされたロードマップを作成できる。
自分が今取り組んでいる学習内容を伝えて、他に学習項目として不足がないかを確認することもできる。

プロンプト例
私は◯◯のジャンルの初心者です。
◯◯についての最適な学習ロードマップを作成してください。

初学者に評判の良かった使い方がこの「ロードマップを聞く」という使い方です。旅をするのに地図が必要なように、目標を定めたらその道のりを明確にすると学習の成功確率が高まります。
学びはじめに自分でその計画を立てるのは難しいので、生成AIに頼んで適切なロードマップを作成してもらいましょう。

3.アウトプット編

最後にご紹介するのは、アウトプットに関する勉強法です。
学んだ内容を確実に身につけるためには、練習や実践が欠かせません。
一方で多くの悩める学習者は、練習の機会が不足しています。また世の中の教材もアウトプットの機会を十分に提供しているとは言えません。
そこで、生成AIを活用してこの課題を解決する方法をご紹介します。

練習問題・テストを生成する

勉強方法
理解度定着のために練習問題やテストを生成することができる。
選択形式や穴埋め形式、自由記述など様々な形式で簡単にテストの作成が可能。

利用サービス
ChatGPT(GPT-4o)、Gemini(1.5pro)など

応用例
英語のやりとりなどコミュニケーションを伴うスキルについては、生成AIに役割(ロール)を持たせてロールプレイング形式で練習することが可能。

プロンプト例
添付の教科書の内容の理解度を確認するための、選択形式の確認テストを10個作成してください。

【教科書の文章やPDFの添付】

生成AIの優れた点は、一瞬で無限に練習問題を作成できるところです。このように練習問題を生成して学習機会を増やすことで、知識の定着が期待できます。
関連する活用方法として、社内で実施される理解度確認テストも対象となる教材を生成AIに読み込ませることで、これまで時間をかけて作成していたテストを短時間で作成することが可能です。生成AIは教える側や教育提供者にとっても大変便利なツールとなります。

答え・正解を生成して学ぶ

勉強方法
今の理解度やスキルではハードルが高い問題は、答えとなるアウトプット(ソースコードや英作文など)を生成する。
演習課題などは多くの時間がかかったり、「できない」という壁にぶつかって挫折することも多いので、まず正解を見て、正解から作法を学ぶという、“逆転の勉強法”が効率的に身につく。

利用サービス
Cluade(3.5 Sonnet)、ChatGPT(GPT-4o)など

応用例
正解に加えて答えに対する解説も依頼し、それを理解することで、時短で効率的に学びを深める。

プロンプト例
Webブラウザで動くブロック崩しを作ってください。

学習用なので、そのソースコードを解説してください。

基礎を学んだはずなのに、演習や実践でうまくできない、という経験はよくあることです。そこで壁にぶつかって学習から離れてしまうぐらいなら、「生成AIに正解を聞いてしまう」という方法は有効な学習方法です。
生成AIは実践したい内容の正解例を作成してくれるだけでなく、その解説も依頼できます。正解を見ながら、実際にやりたいことを学ぶという効果的な学習アプローチを行うことができます。

生成AIの“耳”と“口”を使って会話を学習に取り入れる

勉強方法
音声モードを利用して、AIに話しかけてAIから声で回答をもらう会話の形を学習に取り入れる。
考えていることを文章に起こすのが苦手な場合は人間の家庭教師のように言葉にして質問するなど活用できる。

利用サービス
ChatGPT(4o)
 ‐高度な音声モードを利用
Gemini
 ‐「Google Gemini」スマホアプリから、「Gemini Live」機能を使用可能

応用例
日本語だけでなくあらゆる外国語を認識し、しゃべることができるので、外国語の会話レッスンなどでも活用可能。

プロンプト例
(音声モードで)
こんにちは。英会話のレッスンに付き合ってもらえますか?

ビジネスミーティングのシチュエーションでの 会話のレッスンがしたいです。

生成AIにおける対話は、今後教育にイノベーションを起こしていく可能性を秘めています。すでに生成AIを活用した英会話サービスも登場し始めており、学習の新たなスタイルとして注目されています。
ChatGPTを使えば簡単に試すことができるため、その可能性の一端に触れてみるのはいかがでしょうか。


ここまでお読み頂きありがとうございました!

本編では、英語・外国語、資格取得、プログラミング・デザインに特化した勉強法のTipsを紹介しています。

生成AI × 勉強法ハンドブック 2025」目次

全編はこちらからダウンロードしてください↓
皆さんの学習やスキルアップの一助となれば幸いです。生成AIをガンガン活用して学びを進めていきましょう。


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