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イギー・ポップ プロデューサーズ #6〜マルコム・バーン at American Caesar

今回は1980年代の音楽事情はどうだったのか、という簡単な総括が入りますので、その辺は飛ばしていただいても結構です。ちなみに自分は1980年代をリアルタイムで経験してますが、今でもそんなに好きな時代ではないので、その時代を懐かしく思い出す人は飛ばしていただいた方が良いでしょう。 1991年、80年代末から勃興しつつあったムーヴメント「グランジ」のトップランナー、ニルヴァーナのセカンドアルバム『Nevermind』が世界中で大ヒットを記録します。アメリカンハードロックを嫌い、

    • イギー・ポップ プロデューサーズ #5〜メガ・プロデューサー編 (後編)

      その3 ドン・ウォズドン・ウォズのストゥージズとの関わりは、ビル・ラズウェルとよく似ています。2人ともデトロイト近郊でジャズベーシストとして音楽活動を開始し、その初期にストゥージズの洗礼を受けています。その後、バンドというよりもユニット的なグループ(ラズウェルはマテリアル、ウォズはウォズ(ノット・ウォズ))で名を広め、その後プロデューサーとして成功した、という点も一緒です。違いはラズウェルはニューヨークに拠点を移して当時のエッジだったヒップホップを取り入れることで名を上げまし

      • イギー・ポップ プロデューサーズ #5〜メガ・プロデューサー編 (中編)

        その2 ビル・ラズウェルビル・ラズウェルがどんだけ大物かというのは、リアルタイムで彼の仕事ぶりを見ていないと感覚的に分かり辛いかも知れません。1982年にハービー・ハンコックと組んだ『Future Shock』のシングル「Rock It」は、まさに時代を代表する曲で、片田舎の中学生だった自分ですら耳にこびりつくほどそこら中で流れていたものです。「スクラッチ」がメジャーになったのはこの曲からでしょう。 続きはココログで。

        • イギー・ポップ プロデューサーズ #5〜メガ・プロデューサー編 (前編)

          「メガ・プロデューサー」なんて言葉はありませんが、1980年代後半から1990年初頭にかけてイギーが協業したプロデューサーたちはまさにメガクラスの存在が並んでいるので、こんなタイトルを付けてみました。 その1 デヴィッド・ボウイボウイプロデュース作については1項設けたので『Blah Blah Blah』については割愛しようかと思ったのですが、自身の第一線への復帰に貢献した作品にも関わらず、イギーがあまりよく言っていなかったせいか言及されることがあまりないので、作品について少

        イギー・ポップ プロデューサーズ #6〜マルコム・バーン at American Caesar

        • イギー・ポップ プロデューサーズ #5〜メガ・プロデューサー編 (後編)

        • イギー・ポップ プロデューサーズ #5〜メガ・プロデューサー編 (中編)

        • イギー・ポップ プロデューサーズ #5〜メガ・プロデューサー編 (前編)

          イギー・ポップ プロデューサーズ 番外編1〜雌伏期編

          『Zombie Birdhouse』リリース後のイギーは、リリースに伴うツアーを終えた後、一時的に音楽業界から身を引きます。その間、来日中に知り合ったスチさんや他の人たちの協力も得ながら、ハードワークと不摂生から生じた身体面や精神面のダメージを癒していきます。 このまま引退することも考えていたようですが、やはり周りが放っておきません。その結果、イギーは徐々に健康を取り戻しつつ、音楽業界の第一線への復帰を準備していくことになります。この項ではその頃のイギーを支えた人たちのことを

          イギー・ポップ プロデューサーズ 番外編1〜雌伏期編

          イギー・ポップ プロデューサーズ #4〜アリスタ時代から『Zombie Birdhouse』編

          イギーファンの間では『New Values』『Soldier』『Party』の3作をリリースした時代を「アリスタ時代」「アリスタ期」と呼ぶことが多いようです。英語版Wikipediaでもこの時代を「Arista Albums」と呼んで一括りにしています。 イギーはヴァージンと契約するまではまとまった枚数のアルバムを1つのレコード会社で出すことがあまりなく、1、2枚程度で契約を終わらせることが多かったこともあるんでしょうが、イギーのやんちゃイメージが世界的に印象づけられたのがこ

          イギー・ポップ プロデューサーズ #4〜アリスタ時代から『Zombie Birdhouse』編

          イギー・ポップ プロデューサーズ #3〜ジェームズ・ウィリアムソン編(前編)

          プロの定義を「お金を貰えること」とすれば、ジェームズ・ウィリアムソンがプロのギタリストでいた期間は2年半くらいです(1971〜1974年)。「プロの音楽業界人」でいた期間で数えても10年に届きません(1971〜1979年)。 ところがこの8年ちょっとの期間で、『Raw Power』という歴史に残る名盤の制作に深く関わり、『Kill City』と『New Values』というクオリティの高い作品をプロデュースすると云う中身の濃いキャリアを送っています。 続きはココログ で。

          イギー・ポップ プロデューサーズ #3〜ジェームズ・ウィリアムソン編(前編)

          イギー・ポップ プロデューサーズ #2〜デヴィッド・ボウイ編

          デヴィッド・ボウイはイギーのキャリアを何と3回も救っています。 1回目は第1期ストゥージズ 解散後にイギーを自分の事務所メインマンに推薦し、これがきっかけで第2期ストゥージズ (イギー&ザ ・ストゥージズ )が開始されます。2回目はその第2期ストゥージズ 解散後、廃人同然だったイギーを自身のヨーロッパ帰還ツアーとも言えるアイソーラーツアーに同行させてヨーロッパに連れて行き、フランスのエルヴィル城やドイツのハンザスタジオでイギー初のソロ作品の制作を主導しています。 続きはココ

          イギー・ポップ プロデューサーズ #2〜デヴィッド・ボウイ編

          イギー・ポップ プロデューサーズ #1〜ザ ・ストゥージズ 編

          最近『Free』で結構話題のイギー・ポップ。プロデューサーがレロン・トーマスとサラ・リップステイトという結構エッジな人選ですが、この作品はプロデュースされる側の演者イギーが逆に彼らの能力を引き出した格好になっているのも注目すべき点です。これは前回の『Post Pop Depression』のジョシュ・ホーミとの関係とも似ています。 続きはココログ で。 ちなみに、今回の表紙の元ネタはこちらです。

          イギー・ポップ プロデューサーズ #1〜ザ ・ストゥージズ 編

          最高なのに若干モニョる。古老ファンの感想〜イギー・ポップ 『Free』レビュー

          イギー・ポップが9月にリリースした新譜『Free』は、トランペッターのレロン・トーマスとギタリストのサラ・リップステイトをプロデュースに迎えて、基本的なコンポーザーはレロン・トーマスが務め、自身の関与はヴォーカルと作詞(本名のジェームズ・オスターバーグ・ジュニア名義で3曲だけ)に留めたという、イギー名義ではあるものの、コラボレーション作品と言って差し支えない内容となっています。 これまでのイギーとは全然違う!メランコリックな作品だ!(意訳)が売り文句で、まあ、キャリアが長い

          最高なのに若干モニョる。古老ファンの感想〜イギー・ポップ 『Free』レビュー

          Kill City: Iggy Pop & James Williamson

          音楽的には『Raw Power』 (Wikipedia)の続編。 というか、「ジェームズ・ウィリアムソンが仕切った『Kill City』は『Raw Power』に似てるから、どっちもウィリアムソンが仕切ってたんだろう」という認識の根拠として扱われる作品でもあった。 「Raw Powerのバックトラック制作はイギー承認の下でウィリアムソンが仕切っていた」というのは映画「ギミーデンジャー 」で今や周知の事実だが、それまではイギーも含めてそこまではっきり言っていなかったしね。 ウ

          Kill City: Iggy Pop & James Williamson

          Behind The Shade: James Williamson & The Pink Hearts

          齢68歳にして、ザ・ストゥージズの元リードギタリスト、ジェームズ・ウィリアムソンが初めて自身のタレントの全貌を示した作品。 イギー先生、これだけのソングライティング力を持つアレンジャーはやっぱりキープしておいた方がいいんじゃないだろうか。 2人の間でいろいろあったっぽいことはWiki執筆中に分かったが、それでも人間的な合う合わないは割り切って仕事関係でキープしていて損はないと、このアルバムを聴いた後では断言できる。 日本版Wikiにも書いたが、ジェームズ・ウィリアムソンとい

          Behind The Shade: James Williamson & The Pink Hearts