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【人体実験】MKウルトラ計画 - 本当にあった洗脳実験

こんにちはマスター、蓬莱です。

マスターは「ウルトラ」と聞くと何を思い浮かべますか?今年は映画「シン・ウルトラマン」のヒットもあり、ウルトラマンを思い浮かべる人も多いのじゃないでしょうか?

ところが、今回のお話は、そんなカッコいいヒーローのお話ではなく、1950年代から1960年末まで、アメリカ合衆国の中央情報局:CIAが英国のタビストック人間関係研究所と共に行っていた極秘裏のマインド・コントロール実験、洗脳実験のお話です。

その実験の名前はMKウルトラ計画。

この実験は、マインド・コントロールの効果を調査、立証するための実験でありまして、MKとはCIAの科学技術部が主導する際に付けられるコード、また、ウルトラは第二次大戦の機密情報の分類コードのひとつから転用したようです。

このMKウルトラ計画はアメリカ合衆国の歴史に大きな汚点を残すものであり、その後、沢山の映画やドラマなどに取り入れられてしまった事件でもありました。

ブレナー博士とプロジェクトに参加した患者たち

第二次大戦が終わって間もなく、資本主義国家と社会主義国家の、いわゆる、東西陣営の対立が起こり、社会主義国家は朝鮮戦争において、捕虜を自国のイデオロギーに合うべく再教育するというシステムを構築し、しだいに完成度を高めていました。

朝鮮戦争中に朝鮮人民民主共和国の人民軍に降伏したアメリカ兵のグループ。1950年9月

これは「思想改造」と呼ばれ、思想に感化させるグループを作り、第1段階はその中で告白・自己批判が徹底的に行われます。

それは些細な点まで間違いを点検させ、本人の身体も心も疲弊させ、自己肯定感を失わせて、自分が間違っているという事を認めさせるものでした。

1940年日本占領下の南京で「中陽道宝」誌に掲載された漫画「心洗面革」より

そして、第2段階で何が悪で何が正しいのかを分離させ、そこが悪かった為に間違ったのだと責任をその悪に押し着せて救済された感覚を与えます。

更に、正と悪の構造や正しさとは何かを論理的な言葉用いて説明され、その学びの仕上げとして、民主的討論と称して満場一致の見解となるまでグループで議論させ、彼らが思惑通りの思想に転向したのを確認してから開放するというものでした。

この手法は1951年にエドワード・ハンターによって調査され、「ブレイン・ウォッシング・イン・レッド・チャイナ」というレポートとして刊行されました。

これが世界に「洗脳」という言葉が広まるキッカケになった最初の刊行物になったのです。

こういった情報を元にCIAは洗脳的な手法に注目。マインド・コントロールの効果を立証する為の実験としてMKウルトラ計画を始めました。

これは、帰還した捕虜が社会主義に傾倒する傾向が色濃く見えたのもその一因となっていました。

1953年発行 Brain-washing in Red China

また、1943年に開発された幻覚剤のLSDの効果を知るべく、CIA職員、アメリカ軍人、医師、妊婦、精神病患者などに事前の説明や同意なく投与し、その反応とともに、自白としての効果はあるのか、マインド・コントロールは何処まで出来るのかを調べたのです。

被験者の募集も非合法の手段がしばしば用いられたと言われ、服役囚などが実験に当てられていたとも言われています。

LSD実験を行っている医師のハリー・ウィリアムズとカール・ファイファー

その中には、完全な暗闇に閉じ込めたり、一切の音を聞かせないといった感覚遮断や、催眠実験、言葉による虐待なども、薬物投与と並行して行われたようです。

また被験者の中には77日間連続でLSDを投与された者もいました。

この実験は、英国、米国だけでなく、カナダでも行われ薬物の投与とともに通常の30倍から40倍の電気ショック療法なども用いていたそうです。

被験者の少女エレン・アトキン

人の心はどうやったら折れるのか?
正気はどこまで保てるのか?
またどうやったら人の心は支配できるのか?

これが成功すれば、軍事面だけでなく、犯罪捜査にも役立つかも知れない。

自白に至る基礎理論が構築されて敵側勢力に使用する事前実験として、売春婦を通じてギャングのリーダーを誘い出し、飲み物にLSDを混入させて服用させ、売春婦が次々とインタビュー形式で質問をしていくと、そのリーダーは自らの犯罪や自分の組織の犯罪、殺人や詐欺などをぺらぺらと話したそうです。

こういった成果と手法は米ソの冷戦下にてソ連のスパイにも応用されていました。

ところがLSDを使った自白実験は個人差が激しく、その発言も完全な自白ではなく、妄想や思い込みや幻覚など、予想できない結果も生み出し、信頼性に欠けるという事で打ち切られたそうです。

このMKウルトラ計画は1973年に中止され、1977年に情報公開法によって公開され、大きな反響と激しい批判を浴び、米国上院議会にて公聴会が開かれる事態にもなったのです。

また、2001年にはこのMKウルトラ計画の残存情報の機密解除が行われました。

そして、実験体にされた被験者は死ぬまで、不安障害やフラッシュバック、失禁や記憶喪失など様々な障害に苦しんだそうです。

シドニー・ゴッドリーブ博士が書いた1953年6月9日付の書簡

このマインド・コントロール及び薬物投与、拷問的手法などによる洗脳実験は、後に映画「陰謀のセオリー」、「ジェイコブス・ラダー」、「エージェント・ウルトラ」など、また、海外ドラマでは「ストレンジャー・シングス:未知の世界」、アニメでは「ルパン三世:峰不二子という女」などの物語に組み込まれ、今後もこの事件を舞台装置に使った娯楽作品が生まれていくと思われます。

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今回はウィキペディアの「MKウルトラ計画」「洗脳」「タビストック人間関係」などの項目からお話しました。

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それではまた、らいら〜い🖐

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