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「描きたいこと」がなくなった
24年2月に入ってから「描きたいこと」がなくなってしまいました。
去年、書籍『あした死のうと思ってたのに』を出版するにあたって、自分の人生の中で、あの時言いたかったけど言えなかったこと・あの時の自分に今言ってあげたいことを漫画にしてきました。
それが1冊の本になって、本屋さんに並んで必要としてくれる人の手に渡って、これ以上ない嬉しい感想をたくさんいただいて、心から「つくってよかった」と思えたことで、ぼく自身が人生丸ごと受け入れることができました。
これまでずっと音楽をやっていた時も、漫画を描いていても、ずっと人生を振り返りながら、描きたいことを探してきたんです。
オードリーの若林さんがNetflixの『LIGHTHOUSE』の中で、ご自身を「劣等感でものを作ってきた」的な話をされていたけど、ぼくもまさにそう。
あの時のあいつを見返してやりたいをガソリンで走ってきたけど、もう振り返っても描きたいことがないんです。
自分の人生を受け入れることができた瞬間から、他人に対してもあれこれ言いたいことも、他人と自分を比べることも以前より遥かに減って、いまはいい意味で毎日がすごくのんびりとしてるんです。
SNSは過激な言葉や他人叩きみたいなものが増えてきて、見るだけで疲れることばっかり。でもそれも上手く見過ごせるようにもなってきて、ちょっとだけ生きるレベルがアップしたような気もするけど、半面ちょっと退屈だったりしています。
そんな話を、いつもお世話になってる公認心理師の中山さんに話してみると
「次は未来の自分のために動くフェーズに入ったんじゃないですか」って。
なるほど!
ずっと振り返りながらゆっくり歩いてきた。つい去年までは、自分は一生過去に髪を引かれながら生きてくんだと思ってたけど、次は未来のために動いていいんだ。その瞬間から目の前が一気に明るくなったような、脳内がパソコンのデスクトップによくある、だだっ広い草原へとステージが変わって、気持ちよく風が吹くような気持ちになりました。
でも、じゃあ、未来の自分のためってなんだろう。
それがピンとこなくて4月から探し始めることにしました。
10年ぶりに楽器を弾いてみたり、機材を買ってみたり。
「他人を応援する」をしてみようと坂道グループを調べてみたり(日向坂46にハマり始めました)。
本気でダイエットしてみたり、またYouTubeでラジオを始めてみたり。
週3で更新してる漫画の『まるねこププ』は、自分が生んだキャラクターを「本気で愛でる」という挑戦。今までずっとキャラクターへの萌え的な感情が全く湧いてこなかったんです。だから特別好きなキャラもいなくて。
でも、描ける漫画の幅を広げてみたくて、チャレンジしてみてるんです。
50話ぐらいから、キャラへの愛着が湧いてきて、今は「ププの喜ぶ顔が見たいから」だけで描いています。いい感じ。
この数年はずっと自分を肯定するための手段として漫画を描きつつ、生活をしていくための手段でもあったから自分と漫画は切っても切れないものと思ってたけど、10年も20年も先の未来で自分が漫画を描いてることが想像できなくて。
もしかしたら、未来の自分のためは"描く"とは別のものかもと思い「やってみようかな」と湧いてきたものは、一旦全部やってみることにしました。
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コーチング熱も復活してきました。
やっぱり雑談は大事だなと最近また感じることが増えてきたので。
この2,3年で自分の気持ちを客観視して、上手く折り合いをつけられるようになってきたものの、やっぱりシンプルに寂しさを感じることが多くて、特別話したいことがあるわけでもないけど、誰かと話したいという気持ちは常にふつふつしてるんです。
それは漫画を描いていく上でも、すごく大事で、意見を交換し合ったり、単純に「自分の作品について話してくれる人がいる」と感じられるだけでも、活動していく大きすぎる励みになるんです。
だから、やりたいことの1つに、作品を作る方の壁打ち•雑談を受けるお仕事なんかが作れたらいいと考えています。やりたいことと、経験を活かしていきたい。
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