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感情表現に怯えた5年と、与えたい影響を考えた話

昨日ツイートしたこの漫画、自分が想像していた以上にたくさんの反応をいただきまして、嬉しくてブルブル震えております。ほんとに。

この漫画を読んで、たくさんフォローしてもらえたんですが、本当に恐縮ながら、いつもこんな感じじゃないんですよ。いつもはもっと2秒ぐらいでサクッと読めるくだらない日常を描いてます(その日常に良さを感じてるんですけど)。

でね、なんでこの話を描こうと思ったかというと。
娘と一緒に過ごしてきた5年間で一番嬉しい娘の成長が見えた瞬間だったから。

…で、公開してみると、いつも読んでくれてる方からの感想の中で多かったのが、やっぱり『いつもの"おもち日和"と雰囲気が違う!』でした。

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今まで、5年間ずっと楽しいエピソードだけ描くことを意識してきました。
子どもを育てるってすごい大変で、しんどいことも多いし、イライラすることも、悲しいことも。その分、すごい嬉しくて感動することも。

でも、楽しいことだけを描いてきたのは、疑われるのが恐かったから。


マイナスなことを描くと、ひどい親って言われたり、炎上するかもってビクビクしたりして。
はたまた感動したようなエピソードを描くと『創作だろ』とか『いいパパアピールしてる』とか。
実際、過去には同業者に創作漫画だと言いふらされていたこともあって、ちょっとしたトラウマになってました。

自分が漫画で伝えたいと思っていたことが歪んで受け取られたり、不本意な拡散の末にこういう感想が飛んでくることもあり、無意識のうちに無難な話しか描けなくなっていて。

もうなにを描いたらいいかわからないって頭の中のゴチャゴチャが限界に達した今年の春。自分の漫画を肯定してくれる味方が欲しくて、今の事務所コルクに飛び込みました。


編集担当に描いた漫画を送ると、光の速さで山ほど指摘や意見を受けるんですけど、その指摘は感情をもっと深掘りして、もっと伝わるように改善しようということ。
疑いはひとつもなくて、むしろもっと自分をさらけ出していこうと言うもので、今まで自分でフタをしていた感情の箱をぶっ壊してくれました。大破。


おかげですごい心強くなれて、どんな感情の漫画も描いていこうと気持ちが前向きになった矢先。

このツイートで漫画に残したいって書いてしまえば、自分の中でも決意に変わるような気がして、半ば追い込むためでもあったんですけど、たくさん反応をもらえたことで背中を押してもらえました。

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これ、一番最初に描いた構成なんです。

誤読されないようにと打ち込んだ説明が飛び交う構成。ビクビクがぬぐい切れてないの丸出しですね。
ここから完成したものへと導いてくれたのが、編集担当の佐渡島さん。

表情で伝えたいね
思い切って2P目はテキスト無くそう
読者にどう感じてもらいたい?

と、ズバズバ切り開いてくれたおかげで、いいものへと変われたと思っています。
文字よりも表情や間を読んでもらえる漫画家になりたいのは自分の理想だったはずなのに、真反対に爆走していたことに気付きました。

本来、漫画の表現って自由なのにね。エッセイも創作も気にせず、もっと楽しんで自分の描きたいこと描けばいいかと思えました。

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今回この漫画は今までの自分から大きく変わるための一歩目だったんで、『いつもの"おもち日和"と雰囲気が違う!』という感想はすごく嬉しかったし、これからの励みになりました。


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後日、編集担当の佐渡島さんとの話の中で、自分が『漫画を読んでくれた人にどんな影響を与えたいか』と言う話になった。

結論は…子どもとの毎日って大変でイライラすることも苦しいことも多いけど、そんな毎日の中の楽しめる視点を伝えたい 

改めて、考えてみるとそれは"おもち日和"を描き始める前に想っていたことで、元々まだ子どもがいない人に『子ども欲しい』と思ってもらえるような漫画を描きたいと言う思惑があった。


それを思った理由のひとつに、自分の結婚・出産意識が低かったことにある。

今から6年前、27歳で結婚したんですけど、当時はいつか子どもが生まれたらいいな〜と思いながらも、まだ今は自分がやりたいことをやりたい。だから社会人になるのもイヤだし、子どもに時間を取られるのもイヤだって言う考えで、なんとなくのフリーター。

で、ちょうどその頃に産婦人科で働く知り合いが出産適齢期の話と30代後半でなかなか妊娠できないってリアル悩みを聞き、大焦り。

夫婦やカップルで同意の上、先延ばしにしてるならいいけど、自分の好き勝手だけで出産のことを考えてないのは最低だなって反省しました。


僕は専門家でもないし、難しいことは全然言えないけど、自分自身の反省の意を込めて、漫画を通じて子どもとの生活に憧れを抱いてもらいたい。
その為にももっといい話もサクッと読める話も、たくさん素直に描けるようにならないとって、今またこの記事を書いてて思いました。

話がちょっとズレちゃったけど、漫画を読んでくれた方。この記事を読んでくれた方、みんなありがとうございました。


さいごに娘が描いたドラえもん。

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上手でしょ?

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