法螺貝談義(第19話)
音を考察してみます。
今回は「第12話」の続きで、見落とされがちな大事なポイントについてです。
音にはいろんな条件が作用します。
場所によって響き方も違うし、湿度や天候も関係したりと様々で、これらは人間には操作は出来ません。
チューニング、空気量、唇の振動数、吹き込む息の流速など、これらは観察と練習によって音の質を上げられます。
それと、こちらが出来ることの一つに「立ち居振る舞い」があります。
法螺貝を吹くときは、勇しく堂々と吹くこと。
これも最終的には音に含まれます。
吹螺師の立ち居振る舞いが聴衆側の心理に影響を及ぼす要素になり、
眼と耳と身体感覚で、「観る」と「聞く(聴く)」と「響きの受け取り」が同時に合わさっています。
堂々としていて、音色も申し分なければ、聴衆は安心して聞いていられますし、
吹き手がしんどそうに不安げに吹いていると、心配されたり不安になったりします。
それはせっかくの音が曲がって伝わる原因に。
姿形そのものが、受け手の心を左右します。
だから我々は修験の護摩作法ひとつとっても、何度も動きを練習します。
これは法螺貝に限った話ではない。
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