法螺貝談義(第36話)
法螺貝の音で、少し雑音が混じっている事があります。
音階自体はきちんと出ていますが「スーーー」という音がかすかに聞こえる事があります。
「スーーー」という音の原因の大半は空気が擦れる音です。
法螺貝は個体によって、ある配合が変わってきます。
その配合は大まかに「唇の振動数」「吹き込む空気量」「吹き込む息の流速」で、割合は貝によって全て変わります。
唇の形が音階と合っている事が前提ですが、この雑音の原因は唇の振動数が少なく、空気量が振動数との割合に対し過多になっている事が多いです。
試しに唇の振動なし、もしくは極端に少ない状態で、空気だけを法螺貝に吹き込むと、擦れる音が聴けます。
本人は振動させてるつもりでも、唇が全く振動していないこともありますので、吹き口から離した状態で、唇をどのように振動させてるかを鏡でチェックするか、近くの先達に見てもらうと良いかと思います。
吹き口から離し、鏡でチェックしたら、唇を振動させているつもりだけど、出来ていないという事はよくあります。
アタマの中ではそのつもりでも、意外と身体は違った動きをしてしまっているのは法螺貝だけではなく日常でもよくあります。
階段を上がるときに、足を上げているつもりでいて、実は上がっていなくて躓いたりとか・・・。
身体は自分の完璧な主導権を持っていませんから、唇をよく観察すると良いと思います。
この配合が法螺貝と合えば、雑音の無いクリアな澄んだ音になります。
慣れてきますと、誰でも、身体が自ずとどの法螺貝にも合わせる事は出来るようになってきます。
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