法螺貝談義(第10話)
先端をカットしましたら、ルーターで内部を開けていきます。
わたしの場合はだいたいこんな感じ。
実際に吹いてきた過去の統計や勘、音の好みでやってますので、正解はありません。
人により芯を残すとか、抜くとか、コブの残し具合とか、そのあたりは差がありますが、だいたいこの開け方が多いかと。
あとは実際に口金を付けて吹いてみて、音や共鳴具合を確認しながら、口金側の石膏を削ってみたり、場合によっては口金を外して更に貝自体の内部の調整を変えてみたりします。
音の具合によっては変則的な加工を施すこともよくあります。
どんな音を出したいとか、甲音が出やすいようにとか、ラクに吹けるようにとか、作り手によって開け方は好みで変わってくるかと思います。
ある程度こちらの思惑の入ったチューニングを先がけてやりますが、それは限定的でもあります。
吹いて出る音に関しては実際は貝そのものがもつ音の特性があります。
貝の素材を活かすといいますか、その特性を邪魔しない事も、のちの対応として一つ考慮に入れます。
貝本体側の加工作業自体は実際にやってみると簡単です。(怪我には注意!)
音を左右するのは大きく見れば「貝本体の開け方」「口金の石膏の調整(吹き口の状態)」それと「人間側の身体の使い方」の組み合わせになります。
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