臨床で指導に必要な「教え方」の技術③-指導に必要な計画と準備-
こんにちは
CAMP GEAR TOKYOです。久しぶりに看護師としてのブログです。
看護師は経験年数がたつと後輩への指導に関わることがありますが
学術的に指導を学んでいる看護師は少なく
指導のコツがわからずに悩むことが多くあります。
私は、看護師の経験が15年あり、ICLS、JPTECやJNTECのインストラクターも経験し
管理職を行いながら、看護師の指導を現在も行っています。
知識などノンテクニカルスキルをここで共有して多くの人の役に立てればいいなと思っています。
今回のブログは臨床で指導に必要な「教え方」の技術の第三回になりますので
今までのブログも見ていただけたら幸いです。
臨床での指導に必要な「教え方」のブログ一覧
👉臨床での指導に必要な「教え方」の技術①-看護師教育の現状-
👉臨床での指導に必要な「教え方」の技術②-円滑なコミュニケーション-
👉臨床での指導に必要な「教え方」の技術③-指導に必要な計画と準備-
👉臨床での指導に必要な「教え方」の技術④-指導の内容を考える-
👉臨床での指導に必要な「教え方」の技術⑤-指導内容を組み立てる-
政岡祐輝氏、池辺 諒氏著書の
を参考に私の経験を織り混ぜて書かせていただきます。
あくまでも参考ですので個人の経験と知識による内容となっています。
参考図書
臨床での指導に必要な「教え方」のスキル13 OJTで使える![本/雑誌] / 政岡祐輝/編著 池辺諒/編著
今回のテーマは指導に必要な計画と準備になります。
指導に必要な計画と準備
指導を行う前には計画が必要
指導を行う前には新人看護師さんに今日の目標を伝えてもらうといいと思います。
もちろん目標が誤っているときには修正が必要です。
近年の新人看護師さんは自己の目標を管理することに長けているなと感じます。
しかし、新人看護師さんが目標を管理するためには
チェックリストなどの細かい目標設定を明確に提示する必要があります。
細かい目標の設定をすると新人看護師さんも目標の管理が行いやすくなります。
目標の設定はなるべく細かく、明確に、階段を上がるように小さいステップで用意すると
新人看護師さんも次の目標がみえやすく達成しやすくなります。
目標設定時のポイント
目標設定時には焦点を絞って目標設定をする必要があります。
指導を行っていると「あれも、これも」と思ってしまいますが、良くありません。
一つの項目にしぼってそれが達成できるようにサポートしましょう。
目標の評価、合格条件を明確にする
目標を決めたら、どのような条件で評価をするのか
合格条件をどのようにするのかを明確にすることが大切です。
評価の条件は
シミュレーションを行う
記述式にする
口頭で質問に答えられる
実際に行う内容で評価する
など様々です。どのように評価するのかを決めておくことが大事です。
またどのような評価条件にするかは学習者へ伝えることが重要です。
もし、陰ながら観察して評価しました。と言われても学習者は嫌な思いをしますよね。
抜き打ちでチェックされて評価されるなんて、裏切られた気分にもなりますよね。
そういったことはしてはいけません。信頼関係が崩れます。
学習者と指導者の間には信頼関係が大切です。
合格基準も評価の基準とどうように細かく決めておくことが大事です。
例えば「気管吸引を安全に実施し、評価できる」という目標を立てたとします。
その気管吸引に関しては細かく評価項目を設定します。
呼吸循環の状態を評価できる(呼吸回数、Spo2、患者さんの表情、血圧、心拍数、呼吸音など)この項目は口頭で答えればOK
患者さんに気管吸引を行うことを説明する(実施の際に確認)
気管吸引前に口腔内、カフ上部の吸引が行える(実施の際に確認)
気管吸引を実施(気管吸引の実施時間挿入から抜去まで15秒以内であること、吸引の実施は10秒以内、挿入物のデバイスに合わせた吸引の挿入の長さ)が行えているかを評価する
吸引後の効果の確認が行える。項目は1に準ずる(実施の際に確認)
吸引の結果を記録にすることができる
などのように、気管吸引においても細かく評価項目を設定することが必要です(※上記の内容は例えばの内容ですので、誤りや不足があると思われます)
評価表のポイントは
どのような工程に評価項目を設けて、どのように評価するのかを明確に見える形にしておく事です。
上記のようにする利点は
学習者の目標設定がしやすい事
指導者が一定のクオリティーで評価できる
評価項目が見えることで手順や行動の基礎がわかり、マニュアル化しやすい
マニュアル化したものを変更が行いやすい
です。
上記のように評価の項目を明確化しておかないと
伝統の風習のようなものができてしまいます。
それでは医療は進歩しません。
医療業界にはわりとマニュアルが少ないのが現状です。
今は問題ないのでマニュアル化が必要ない
と感じているスタッフも多いのです。
ここで問題なのは、「明確化してない項目の問題が発生していることには気づきにくいこと」です。
問題がないのなら余計にマニュアル化をする必要があるのです。
評価項目を明確にすることは
あの人からは合格と評価されたのにこの人からは不合格と評価された。
とか
あの指導者さんとこの指導者さんでは評価が違う
などのことを防ぐことに役立ちます。
一定の項目で一定の質を担保しながら指導できることは、看護師全体の質のばらつきをそろえること
になります。
指導者は計画も大事
学習目標の設定や学習の効果を評価することは上記で述べました。
実は指導においては計画をすることも大事です。
いつ、どのタイミングで、どのような事を学習者に与えるか、その為の準備はどうするのか
を計画することが大切です。
例えば、上記の気管吸引の話の中には呼吸循環の評価で『呼吸音』の項目がありました。
呼吸音の聴診方法を学んでいない学習者に呼吸循環の評価の『呼吸音』は評価できません。
つまり、気管吸引を実施する前には『呼吸音の聴診』を先に学習者は会得する必要があるのです。
そういった学習のタイミングの調整を事前に行っておくが学習をスムーズに行うポイントになります。
まとめ
今回は指導の計画と準備について述べさせていただきました。
現在の成人教育は先輩を見て学ぶなどの習慣は薄くなっていて
基本的には評価するためのツールの準備が必要となります。
また評価を行うタイミングやその方法を把握する必要があります。
これからも看護師のノンテクニカルスキルや教育などを紹介させていただきます。
コメントなどをいただけると励みになりますので是非お願いします。
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参考図書
臨床での指導に必要な「教え方」のスキル13 OJTで使える![本/雑誌] / 政岡祐輝/編著 池辺諒/編
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