クリームチーズと相性抜群なビール「クリチーとルービー」が完成! 森永乳業のチーズ研究開発者がビールを企画したそのワケ
今回発売される「クリチーとルービー」は、森永乳業株式会社でチーズの研究開発に取り組む、川上真理さんの人生ストーリーがもとになって誕生しました。
普段は森永乳業でチーズの研究開発をしている川上さん。おうちで夫婦一緒にクリームチーズとお酒でよく乾杯するのだそう。「クリームチーズに合うビールがあれば、食卓がもっと楽しいものになるはず!」という川上さんの、チーズやビール、そして食卓への愛情がこのビールには込められています。
さらにこの企画は、森永乳業が所属している、食品メーカーを中心とする食のコミュニティ「FOOD UP ISLAND」(以降、FUI)で、森永乳業とサッポロビールが出会ったところからスタートしたものです。
そこで今回は、川上さんに加え、FUI主宰の金丸美樹さんも一緒にお迎えして、「クリチーとルービー」誕生のお話をたっぷりと伺いました。
クリームチーズに合うビールをつくりたい!
──「クリチーとルービー」、名前もコンセプトも素敵です。川上さんは森永乳業にお勤めですが、なぜこのビールをつくりたいと思ったのでしょうか?
川上さん:この企画は、FUIという食品メーカーを中心とした食のコミュニティで、サッポロビールの方がホッピンガレージの取り組みを教えてくださったことからスタートしたんですよ。ね、金丸さん?
金丸さん:そうなんです。私が運営するFUIは、企業同士が「競争」ではなく「共創」することを目指しているコミュニティで、さまざまなアクションを起こしています。FUIの特徴は、みんなそれぞれが所属する会社の一員ではあるけれど、あくまでも個人の活動として「個々の思い」を大切にしていること。そんなFUIの場で、サッポロビールの方が「ホッピンガレージで、ビールをつくってみませんか?」と声をかけてくださったんです。
──なるほど! 個を大事にするFUIと、個人の人生ストーリーからビールを生み出すホッピンガレージは、とても相性がよさそうですね。それで川上さんが手を挙げられたんですか?
川上さん:その通りです。サッポロさんとビールをつくれるチャンスなんてまたとありませんし、ぜひ応募したいと思いました。それが2年前くらいのことです。
──2年も前から始まっていた企画だったんですね……! 「クリームチーズに合うビール」といった発想は、どこから生まれたのでしょうか。
川上さん:私は森永乳業でチーズの研究開発をしていて、日常的にクリームチーズとお酒を合わせて楽しんでいたので、専用のビールがあったらおもしろいなと思ったんです。
正直なところ、私はビールも大好きですが、クリームチーズに合わせるなら断然ワイン派だったんですよ(笑)。でも夫がビール派で、いつもクリームチーズを食べながらとってもおいしそうにビールを飲んでいて。これを機に、「クリームチーズに合うビール」をつくれば、夫との食卓がもっと楽しくなると思って企画しました。
──おふたりで一緒に楽しめますね。
川上さん:そうなんです。そして、ちょうどこの企画が通った頃に新型コロナウイルスの感染が拡大し、友達や同僚と飲む機会が失われ、それが寂しくて、「家の食卓を豊かにするものをつくりたい」という思いがますます強くなったんです。この「クリチーとルービー」が、いろいろな方々の食卓を彩ってくれるとうれしいなと思っています。
金丸さん:時代背景もあり、思いがぐっと深まっていったんですね。
チーズの開発者が、ビールを開発してみて思ったこと
──チーズの研究開発とは、具体的にどのようなお仕事なのでしょうか。
川上さん:私は業務用のスライスチーズなどの開発をしています。以前はモッツァレラチーズの開発担当もしていました。
──このモッツァレラチーズ、よく家で食べています(笑)! チーズではなく「ビール」をつくるお仕事が決まったときは、どのような心境でしたか?
川上さん:森永乳業では、アイスやヨーグルトなどの話は聞くことができるんですが、乳製品以外の開発の話はあまり聞く機会がなくって。だから、ビールの開発者の方と知り合えたり、いつもとは違うことができたりする状況に対し、ワクワクした気持ちでいっぱいでした。
──実際にビールをつくってみていかがでしたか?
川上さん:チーズは世界中に1000種類以上あると言われてるんですが、ビールもかなり多くの種類があると知り、驚きました。膨大な種類の中からクリームチーズとマッチするビールを見つけて開発していく過程は、本当に大変だけれどおもしろくって。
ビール開発のプロフェッショナルとご一緒できたことも刺激になりました。長年チーズづくりに携わっていると、経験を頼りにしてよくも悪くも「効率化」してしまうのですが、課題に対してまっすぐに向き合うという、研究者としての眼差しをあらためて大切にしようと思えました。
──素敵です。ビール開発とチーズ開発で、共通点や異なる点があれば教えてください。
川上さん:チーズとビールづくりでは、「似てるな」と思う部分がたくさんありました。開発期間の長さや大量生産するときの難しさ、発酵の状態に左右され、結果が見えにくいところなど……。「異なる点」よりも「似ている点」ばかりで興味深かったですね。
「川上さんの思い」を尊重した2社でのものづくり
──今回のフレーバーは「白ワインのような爽やかな香りと、コク深く豊かな味わい」。私も実際にいただいてそれを実感しましたが、フレーバーを決めるまでのプロセスについてもお伺いしたいです。
川上さん:最初は、白ワインという要素は全然考えていなかったんです。心の中では「白ワインっぽいビールがいいな」と思っていたけれど、まずは「クリームチーズに合うビールをつくりたい」とブリュワーさんにシンプルに伝えました。
すると、世界中のビールの中から合いそうなものを20種類ほど出してくださったんですよ。そこで森永乳業の研究所で、クリームチーズ料理を和洋合わせて8種類ほど作り、ビールとペアリング&テイスティングを繰り返し、2種類にまで絞りました。
──どんな2種類が残ったのでしょうか。
川上さん:ひとつが、今回選ばれた白ワイン風味のもの。白ワインの銘醸地で取れる、「ネルソンソーヴィン」というホップを使用しています。もうひとつが、コリアンダー風味のもの。クリームチーズのフラットな味に、パンチの効いているコリアンダーが意外にもとても合ったんです。
──まったく違う2種類が残ったんですね……!
川上さん:最後まで意見が分かれました。上司はコリアンダー、私は白ワイン風味、という感じで(笑)。でも、最終的には白ワイン風味のものが当初のコンセプトにも合うね、という話になり、私が選ばせていただきました。
「共創」は「個の思い」を大切にするところから始まる
──森永乳業とサッポロビールでつくっているけれど、あくまでも「川上さんの思い」を大切にされているのがとても素敵ですね。
金丸さん:本当にそうだと思います。それもすべて、川上さんという「個」から始まっている企画だからですよね。私は開発自体には携わっていませんが、ネーミングを聞いたとき、「こんなポップな名前でいいの!?」って驚きました(笑)。
川上さん:絶対に「クリチーとルービー」がわかりやすいしいいだろうと思って(笑)。パッケージも「私と夫がクリームチーズ料理を食べながらビールを飲んでいる」もので、表がワイングラスで洋食と合わせている女性、裏が和食のおつまみと合わせている男性といった、私自身のストーリーを反映していただいて。みなさんが、思いを汲んでくださいました。
──川上家の食卓が再現されたビールですもんね。とはいえ川上さんの中で、「企業同士のコラボだから、堅くやらなきゃ」といったお気持ちはなかったのでしょうか。
川上さん:それが、あまりなかったんです。FUIが個性を大切にするコミュニティで、それを会社の方々も理解してくださっていたので、「遠慮しなくていいんだ」という安心感がありました。
金丸さん:企業同士のコラボではなく、個人をふたつの会社が応援している、ということなのかもしれませんね。それが私は、何か特別な感じがしているんです。新しい未来をつくり出すためのヒントになると思っています。
川上さん:個人にフォーカスして、その人の熱い思いや人生そのものを商品化するというホッピンガレージのやり方は、時代にとても合っていると思います。いわゆる「マスマーケティング」という考え方とは真逆ですよね。
今回の企画でご一緒させていただいて、新しいものづくりのあり方を感じられて、とてもうれしかったです!
あとがき
はたから見ると、森永乳業とサッポロビールのコラボに見えるかもしれないけれど、決してそうではなく、「川上さん」というひとりの人をふたつの会社が応援している──。誰かの強い「思い」というものは、さまざまな壁を取っ払う、一番のきっかけとなるのかもしれません。さあ、ビール好きのあなたも、ワイン好きのあなたも、今夜は「クリチーとルービー」で乾杯しませんか?
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HOPPIN' GARAGE(ホッピンガレージ)は、お客様との共創によるビールづくりを展開するサッポロビールの新しいブランドです。魅力的な人々の人生ストーリーをもとに多様性あふれるビールを生み出し、そのストーリーを味わいながら飲むという、これまでにないビールの楽しみ方をお届けします。新作ビールを2カ月に1回お届けする定期便サービスも展開中です。