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ノマドワーカーがタイ人家庭にホームステイしながらボランティアしてみて感じたこと

▶ 海外ボランティア×リモートワークという暮らし方

移住先を見つけるつもりで転々とするうち、気づけばノマド生活に入り4年が経ちました。

もちろんこのライフスタイルが好きで続けているのですが、ときに社会との繋がりが希薄になってしまったように感じる機会が多くあります。特に海外に長期間滞在しているときにそんなロスに陥ります。

そんな「繋がりロス」を埋めるひとつの可能性としてボランティア活動に参加する、というチャレンジをスリランカで行い記事にしました。

そして今回、同様のチャレンジをタイでも行ってきたので、その様子や感じたことを書きました。


▶タイ第2の都市でガーデニング・ボランティア

今回はタイ第2の都市「ナコンラーチャシーマー(通称:コラート)」にて園芸施設を営むご家族の元で2週間住み込みでお手伝いさせていただきました。

こんな感じで植物ぎっしりの園芸施設

第2の都市といっても県自体がとても広いので、今回お世話になったお店兼お家は市街地から少し外れた静かな場所。観光客はまず通らないようなローカルエリアです。

お家の裏側にもバックヤードが奥までずーっと続き、家族経営とは思えない広大な施設

▶どうしてタイ?

前回の旅行でスリランカを選んだ理由は「行ったことの無い国」だからでしたが、今回は逆に「最も慣れ親しんだ外国」としてタイを選びました

以前に日本語教師としてタイに1年間住んでいた経験もあり、タイは個人的に一番馴染のある国です。ただ、タイでの友達と言えば、仕事を通して知り合った日本語ペラペラのタイ人や現地在住の日本人がほとんど。

タイでの日本語教師時代

だから今回は「日本」というキーワードは抜きにした新たな繋がりを築くことで、タイ文化にもっと深く触れたいという想いがありました。


▶活動内容

園芸施設なのでガーデニングが滞在中の主なミッションになります。

知識も経験もほぼゼロですが、作業自体は単純なものが多いので、オーナーでの指示のもと少しずつ作業を覚えていきました。

マイペースでチャーミングなオーナーのニッタヤーさん

僕と同じタイミングでイギリスからもボランティアで来ていた青年がいたので、一緒に作業を進めていました。

日本のシティポップ大好きマンチェスター出身のイケメンが相棒
作業自体は簡単でも、けっこう体力使います

その他にはお客さんが来たときの対応のサポートや、ちょっとした家事のお手伝いなんかも含め、1日3時間~5時間ほど作業にあたっていました。

地域行事のお手伝いという貴重な体験も

▶言葉の壁について

タイは「最も慣れ親しんだ外国」であるだけに、言葉も他の外国語と比べると少しは理解できるのですが、それでもちゃんと勉強した訳ではないので僕のタイ語も挨拶にうぶ毛が生えた程度。。。

ただ今回ボランティア活動で主に支持を仰ぐオーナーご夫妻は英語を全く話しません…。

ご夫妻が日常的に使う唯一といっていい英語は「eat!(食べて!)」笑

ということで、自分の僅かなタイ語彙に加え、前回記事でのボランティア体験でも活用した翻訳機「ポケトーク」の力を借りてコミュニケーションを図りました。

内蔵グローバルSIMはタイ全土をカバーしている

▶ 壁はどこまで突破できた?

客観的に測ることは難しいのですが、少なくとも今回のケースではポケトークがなければ会話すら成立していないことを考えると、大きな壁を突破したと言えます。

ポケットからさっと取り出して話した内容をテキストと音声で伝えてくれます

…とはいえ常に円滑なコミュニケーションが取れたとは言い難い場面もありました。「イサーン」と呼ばれる東北地方の方言も混じっていたからなのか、翻訳された日本語の意味が分からないことも何度か。。。
そういうときは、実際にお手本を見せてもらったり、英語のわかる娘さんに通訳してもらうことで解決していました。

ただ、こうやって翻訳機に頼りながらも会話を重ねていると、少しずつだけど翻訳機なしでもわかる言葉が増えていくという実感も。共に過ごす時間を重ねるにつれ語学学習の側面もしっかり得られていたというのは嬉しい気付きでした。

ガーデニング作業の中で「重い」とか「(鉢を)入れ替える」のような頻繁に聞く単語は自然に覚えました

というわけで、今回臨んだ環境における言葉の壁は大きく、それだけにポケトークが活躍してくれました!


▶今回の体験で感じたこと

<家族の概念が拡がった>

タイの地方では、親せき同士が隣近所に住むのはごく一般的なこと。今回お世話になったお家も、施設のオーナー夫妻と娘さん、息子さんの4人が同居していますが、隣の家には兄弟のお姉さんの家族が住んでいます。さらに近所に住む親せきもふらっと訪ねてきて数泊していったりということもしょっちゅう。

世代を跨いだ賑やかなメンバーが食事の時間になると集まって一緒に食卓を囲む。そんなタイでは日常的な光景も自分にとって新鮮な「家族のあり方」に映りました。

隣近所の親戚も料理と一緒にふらっとやってきて食卓はいつも賑やか

<改めて知るタイ人のおもてなし文化>

家にいると、家族の誰に会ってもまず「ご飯食べた?」「フルーツ切ろうか?」「そこにお菓子があるよ」と常に気を配ってくれます(主に胃袋に)。

ときに強引なほどの食ハラも…長く滞在するほど体重キープが難しいというデメリットが笑

また、仕事がオフの日や、ときには早めに切り上げたりして、観光に買い物にと様々な所に連れて行ってもらいました。旅行ではアクセスできない人や場所に出会える本当に有難いおもてなしです。

近所のちょっとしたお出かけスポットも地元の人と一緒に行くと特別な体験に
普通は地元民しか参加できないような催事にも連れて行ってもらったり

▶さいごに

この2週間の滞在は、人生初のガーデニングをタイで経験できただけでなく、タイの文化にどっぷり浸かれる濃い経験になりました。タイの「忘れられた第2の都市」(笑)と言われるほど観光客にとっては馴染の無いコラートという町ですが、ここに来るきっかけを作ってくれた皆さんに感謝です。

海外に新たに実家ができたようで、満たされた気持ちのなか今回のボランティアを終えることができました!

【関連サイト】

● ポケトーク

言わずと知れた翻訳デバイスの定番。

● Workaway(ワーカウェイ)

ボランティア先を探すのに使ったボランティアステイの世界的マッチングプラットフォーム。

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