新たな笑いのカイブツは生まれるのか。
部屋の片付けをしていたら久しぶりにある本に出会いました。
「笑いのカイブツ」です。
ツチヤタカユキと聞いて一体何人の人がぴんと来るでしょうか。
いや、もはやツチヤさんがどんな人かも知らずに名前だけ知っているなんて人も某ラジオの影響でいるかもしれませんね。
その人たちがどこまで遡って復習してしまっているか分からないんですが、私自身はツチヤさんがハガキ職人から上京し、また帰阪する流れの回は全て聞いていたのでどんな方でっていうのは頭に入っているつもりです。
「笑いのカイブツ」を見たらツチヤさんの色々なエピソードがフラッシュバックしてきました。高校時代の話が多かったですかね。中でも修学旅行の話は大好きです。
個人的にツチヤさんには、なぜか親近感を覚えてしまうんです。私もツチヤさんほどではないですが世の中に若干の生き辛さを感じているです。今でも。
なんとなくですが、真面目にやってる人ほど損してるような感じがして。
そして私もツチヤさんと同じように”お笑い”にその逃げ道を作った一人でした。
あそこまで映像を見たり、大喜利をしたり、ってことはなく、むしろその消費者側に回った感じにはなるのですが、お笑いをみたり、大喜利を見たり、してましたね。そしてその末にたどり着いたのがラジオって感じなんですが。
そのラジオでのツチヤさんのご活躍は凄いもので、割と毎回読まれていたような気がします。しかもネタのインパクトが凄いんです。かつ笑いもしっかりとってくると。まさに”伝説のハガキ職人”たる所以です。
今、何かと引用されがちな「死んでもやめんじゃねーぞ」のコーナー。
最初は下ネタなんて一切なかったんですよね。まるで、アイドルオタクが持ち出してるみたいに。でもツチヤさんが下ネタを送り続けた結果、ああいったコーナーになったと。確かそういった記憶があります。「アイドルはあんなの聞いちゃダメだ」なんてホザいてるアイドルオタクは知る由もないでしょうが。
そんなツチヤさん、前記のように最終的には作家見習いとして上京してきます。
夢ありますね、見てる人は見てるって感じでしょうか。もちろんツチヤさんの才能あっての話ですが。
そこでもまぁ色々とあって、結果大阪に帰っちゃうんですけど。(東京にいた時の話も全部大好きで面白いんですよね。挨拶から始めようとかだったかな。)
最後にツチヤさんの話がでたのも何年も前の話です。確か、大阪・天王寺辺りで会ったみたいな感じだったでしょうか。
それ以来ツチヤさんはツチヤさんの道を新たに歩まれて。ハガキ職人もお辞めになったのでしょうか?ラジオネーム・ツチヤタカユキなんて読まれることもなくなってしまいました。しかし、本を出版されたり、最近では落語も書かれているみたいで。ますますのご活躍が楽しみです。
ツチヤさんが投稿されなくなってからというもの新たな笑いのカイブツは生まれてきていません。
そしてまたこれからは更に難しくなるのではないのかなと。
まさに現実から逃げるようにやって来た深夜ラジオの世界。そこなら多くの人が自分を認めてくれる。自分のネタでわらってくれる。そんな場所だったんじゃないでしょうか。
当時ツチヤさんはSNSもブログもやられていなかったと記憶しています。
ですが、それは何年も前の話。ブログはまだしもSNSなんて若者ならば何かしらやってると言っても過言ではありません。
そんなSNSを覗いてみれば、世の中行きにくいどころか、どこでも過ごしやすい環境に変えてしまう、違うカイブツ達がウヨウヨしています。
そんな場所に以前のようにわざわざ逃げてくるバカなんていません。逆に生きにくい世界です。
もちろん世の中が生きにくくないと笑いのカイブツになれないってわけでもないですが、何かができない・苦手な人はその他の分野でセンスを発揮するなんて言うじゃないですか。
ツチヤさんだって人間関係不得意だったからこそ毎日大喜利のお題に50個答えるという高校時代をすごし、その結果、”伝説のハガキ職人”になったわけです。
今、世の中が生きづらく、かつ笑いに助けを求めようとしている新たな笑いのカイブツの原石は、どうこの現状をみているんでしょうか。
多分もうあそこには逃げないでしょうね。違うカイブツ達がもう支配しかけていますから。