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ちょっとした伏線回収の日。こんなとこにもいてたんか
12月のある日。
家から少し離れた場所で、
別の用事で足を伸ばしたついでもあり、
ちょうどいいタイミングで
日ごろお世話になっている方のコンサートに行くことができた。
楽しくその方の演奏を聴いて、
次のアーティストの方の演奏は
用事のため、何曲か聴いて途中でその場を辞した。
帰る前に聴いた最後の曲は
12月にあわせ
辛島美登里さんの「サイレント・イヴ」のカバー。
昔から知っている、とても好きな曲。
歌いながら次の目的地まで歩いた。
"さようならを 決めたことは決してあなたのためじゃない"
ふと気付いた。
いま、歩いているこの道を知っている。
これは、ティーンエイジャーの時にすごく好きだった彼の
病院へのお見舞いロードやないか。(愕然)
青春真っ只中、ほんとうに全力投球で恋をしていたんだけど
男友達といてるほうが楽しいからといって
最後に振られてしまった◯◯君が
足の手術をして入院したので
学校帰りにみんなで毎日お見舞いに行って、
私も一緒に、毎日ついていってたあの道だった。
それは振られる少し前で、
もう私の話も面白くないし、もうだめかなと
なんとなく思い初めていた期間だった最後のスパークルのようなもの。
退屈な病院に、お見舞いなら
話し相手ができて喜んでもらえるのが嬉しかったんだった。
でももうきっと、ダメなんだなとどこかでわかっていた
私は彼らのように、面白い話ができない。とずっと思っていたんだった。
振られたあたりのことは、すっかり大人になって
素敵な青春の1ページになってるのだけど
うっかりこの道に、まだ私の淋しい心が取りこぼされて残っていたようだった。
ええ、まだ残ってるんや?と驚いた。
"さようならを決めたことは
決してあなたのせいじゃない"
うんうん、そうだよね。◯◯君はぜんぜん悪くない。
結局つまるところあんまり合ってなかったんやんねー。
うんうん。よく、こんな私に合わせてしばらくいてくれたよねー。うん。恥ずかしいなーもう。
繰り返して歌っていたら、こんなふうに思えてきた
"さようならを決めたことは
決して私のせいじゃない"
相手の人も悪くなかったし、
でも私も悪くなかったよ。
「私が面白くなかったせいで」「迷惑をかけた」と思い続けていたけど、
誰も悪くないよ。
私も悪くないよ。
ただ時が満ちて、次のところに進んだだけだよ。
永遠には続かなかったけれど、それとは関係なく。
振られたことも、悩んだことも
時が経った今では丸ごと甘じょっぱい
大切な思い出じゃ。
純粋に大切で、楽しかったのじゃよ。
淋しさがよみがえったあの病院ロード
今年の12月、あらたに
コンサートの帰り道、
「やられたー!」と、苦笑しつつ
サイレント・イヴを口ずさむ思い出が上書きされた。
あの時の私よ。もう大丈夫ですよ。