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異国の地ブリスベンで夢を叶えた7歳の誕生日は、最高で最幸な一日  【野球大好き少年(小1)が、プロ野球選手と野球】

いよいよ、この日がやって来た。
(「この日」を迎えるきっかけとなった話は、前回投稿したこちら「親子留学計画中に突如現れた、軌跡への扉」をご覧ください)

成田を離陸して約9時間半。
到着したブリスベンには、気持ちの良い青空が広がっていた。思わず顔がにんまりする。
季節は、日本と真逆の「夏」。
半袖のTシャツで歩いていても、汗が出てくるような気温だった。

Hello、オーストラリア!
Hello、ブリスベン!

今回息子が参加させていただくトレーニングは、
日本ハム杉谷選手がご自身のインスタグラムにて紹介しておられる、ブリスベンでの自主トレーニングだ。

早朝からトレーニングは開始されている。
私たちは、朝8時からの、野外スタジアムでのトレーニングにジョインさせて頂くことになった。

「おはようございます!」
ご挨拶をしたあと、私たちは練習の様子を見学させて頂いた。
ウォーミングアップには、サッカー。楽しそうに、全身を動かしているように見えた。
その後、緊張感漂うノック・守備練習が始まった。

練習開始から30分ほど経過したころ、ノックをじっと見つめながら息子が言った。
「なにか手伝いがしたい」

大人の私からすると、この場で、この近距離で、練習の現場を見学させて頂いているだけですごいこと。
しかし、息子には「自分は、野球をしにきた。トレーニングメンバーの一員だ。自分にできることを何かしたい」という意思が明確にあったのだ。
大人の中で、子供は一人だけ。そんなこと、息子にとっては関係なかったのだ。

この場に来るきっかけをくださった石原孝尚さんに「もし可能であれば・・・」と相談すると、すぐに動いてくださり、役割を頂いた。
現地で練習サポートを担われていたノッカーへ「ボールを渡す(取りやすい位置にボールを投げる)」役割だ。
息子にとっては、初めての経験だ。

「よし、行くぞ!」
この瞬間まで、フェンス越しに練習を見ていた。ここから先は、ついに、皆さんが練習しているグラウンドへ足を踏み入れる。
息子なりに、グラウンドに入る瞬間、一礼をして、ノックの現場へ向かった。

サポートスタッフさんにやり方を教わり、早速開始。きっちり時間管理され、一切の惰性のないトレーニングの場。練習を止めるわけにはいかない。
左手のグローブの中に、5つほどボールを入れておき、ノックの直前に一つずつボールを投げていく。
徐々に、よいリズムで、ノッカーへボールを投げられるようになっていく。
投げる合間に、左手のグローブの中に、次に投げるボールを追加していく。

息子がふわっと投げて渡したボールが、ノッカーの大道さん(杉谷選手がブリスベンでの自主トレーニングを開始した当初からプロデュース・帯同しておられる最強のトレーナー兼サポーター)の手に渡り、するどい打球でノックされ、守備練習をしている選手たちにキャッチされる。
トン、トン、トン、とリズミカルに、スピーディに。気持ちの良い大きな掛け声とともに。

・・・美しい。
ボールが、適切に渡っていく様に、私はすっかり見とれていた。
特に、息子が投げたボールが、大道さんを通じて、杉谷選手の手に入る、その一連の流れを目の当たりにした瞬間、心が震えた。

見とれていると、
「へい、キャッチャー!」と大道さんが、息子に向けてボールを転がしてくれた。
「セカンド!」「サード!!」
私は一瞬、なんのことか、わからなかった。
息子も、一瞬とまどっていたが、グローブを向けて下さっているメンバーへ向けてボールをパスした。

そうか、立っていたけれど、あれは、キャッチャーの役割だったんだ!
しかも、このノック練習のメンバーの「一員」として、認めてくださっている!!
大道さんは、ただのお手伝い、で終わらせることをしなかったのだ。
ノック練習の最後に2球、息子にも、メンバーと一緒の練習の中で、ボールを投げるチャンスを下さったのだ!!

「うぇーい!」
みなさんの掛け声とともに、ノック練習が終了した。

・・・なんて、ありがたいのだろう。
密かに、目に涙が溢れた。

その後も、トレーニングは続いていく。
打撃、守備、基礎、走塁など、一本一本映像で身体の動きを確認しながら次の一本につなげ、丁寧に修正・向上させていくプロのトレーニング姿を、じっと見つめる息子。
休憩時間に、「キャッチボールしようぜ!」と声をかけて下さる杉谷選手。
メンバーからの愛情を受け取り、嬉しそうに、キャッチボールやバッティング練習をする息子。
こうしたらいいよ、というアドバイスを聴き、すぐにそのようにやってみようとする、息子。
いい感じに打てたとき、「うぇーい!」と声をあげて下さる杉谷選手やサポートメンバーの皆さん。

この日は、偶然にも、息子の7歳の誕生日だった。
トレーニングが終わると、サポートメンバーの皆さんがバースデーソングを歌ってくださる中で、杉谷選手からサインボールを頂いた。
笑顔の息子。
最高で最幸の一日。

ブリスベンのあの場所にいらした、全ての皆さんの「あり方」「言動」のすべてに尊敬と感謝しかない。

一方で、
3歳の頃から毎年七夕の短冊に「せかいいちのやきゅうせんしゅになる」と書き、保育園や小学校がお休みの日は必ず野球練習をし、自由帳にも「やきゅう大好き」と書き、学校の学芸会では「やきゅうせんしゅ役」を、絵画では「やきゅう」を題材にして描き、日々嬉しそうにひたむきに練習していた、その普段の「あり方」があったからこそ、息子はブリスベンに来れたのだと思う。
しかも、今回のブリスベン行きの話が浮上する2か月前に、彼は学校の「できたらいいな、こんなこと」という作文に、こう書いていた。

「プロ野球せんしゅに野球を教えてもらって、しょうぶする」

その夢が叶った。
野球を教えてもらって、「一緒に野球ができて、すごく嬉しくて楽しかった」と笑い、
しょうぶに負けて、「めちゃめちゃ悔しい」と本気で悔しがっていた。

ブリスベンを発つ日の朝、彼は力強く言った。
「絶対忘れない」と。


杉谷選手は、ご自身のインスタグラムで、この日のことをこう綴って下さっている。

インスタ杉谷選手の投稿



大道さんも、ご自身のインスタグラムで、息子に向けてメッセージを綴って下さっている。

インスタ大道さんの投稿


帰国後、息子は開口一番、こう言った。
「野球練習したい!今からバッティングセンター行こう!」

えっ?フライトで一睡もしていないのに?

「もっと上手くなりたいから!」

ふと、大道さんから頂いたメッセージを思い出した。
「ふうだいくんの熱意や野球に対する愛情は年齢関係なくぼくたちに突き刺さるように伝わってまいりました」。


奇跡の幸せな野球体験を、ありがとうございました。
心からの感謝を込めて。

by Ori's journey


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