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弁当
男は今日も弁当を食べていた。
今、食べているのはコンビニ弁当だ。
もともとは妻が作ってくれていた弁当を持ってきていた。
しかし、その妻はもういない。
逢いたくても逢えない帰らぬ人となってしまったのだ。
だから、その時は最初は男は自分で弁当を作っていた。
しかし、そのうち、それも面倒くさくなってしまい、コンビニで買う事にしたのだ。
どんな弁当でも、食べて腹に入ってしまえば、後は一緒だ、と嘯いても、妻の弁当は、やっぱり愛おしい。
(後、何年俺は一人で生きねばならぬのだろう。)
一人が寂しくて、猫や犬を飼う人もいるそうだ。
弁当を買って今日も働く。それしかない。
これからも妻の分も力強く生きるだと、男は弁当を食べながら思った。