縁日(1分小説)
小学5年生の一郎は友達3人で一緒にお祭りに行った。
大通りには屋台店が一杯並んでいた。
とりあえず、一郎たちはぶらぶら歩くことにした。
所持金は600円と決まっている。
(綿菓子や甘栗は高いから買えないな)と一郎は思った。
パンダ焼きという店があった。1個100円だし店先に並んでいるのも美味しそうだ。
「一つずつ買おうか。」
3人で相談して、買おうと思ったら、お店の人は棚の下から形の崩れたパンダ焼きを出した。
「えぇー!」
3人とも後ずさりした。
「買わないのかよ。」
お店の人はカンカンだ。
しばらく歩くと、くじ引きがあった。1回100円。値段は手ごろだ。
1等から5等まである。ハズレはないようだ。
1等は大きなプラモデルだった。
「これやってみようか。」
「そうだな。」
みんなで1回ずつくじを引くことにした。
3人とも5等だった。
5等は車の消しゴムだった。
もう少し歩いた。
(なんか、いい事ないな。)と一郎は思った。
しばらく行くと、金魚すくいの店があった。
お客は1人もいない。
一郎は、そこで金魚すくいを始めた。
すると、お客さんが次々と入って来た。
そのお店は、お客さんで一杯になった。
一郎は金魚1匹だったけど、最後はなんかいい事したな、と思った。
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