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ありがとう『おかえりモネ』
ついに終わってしまった『おかえりモネ』
この朝ドラは、録画してじっくり心情を読みながら、それぞれの想いに気持ちを馳せながら、味わいながら観るドラマだったと思います。
主人公のモネちゃんが、喜怒哀楽が激しい役じゃないだけに、とても難しかったと思います。
そんな難しい役を演じていた清原果耶さん。
この役が清原果耶さんでとても良かったと私は思っています。
この『おかえりモネ』は、やっぱり朝の忙しい時間に、バタバタしながら観るドラマではないと思いますね。
よくある朝ドラの
幼い頃からおてんばで、おっちょこちょいだけど、前向きに頑張る子がヒロインで、
「うち、負けへんで」
なんていうドタバタしながらも、時には涙して、健気に、なおかつ元気に前向きに頑張る!
というわかりやすいストーリーではなかったですからね。
あ、そんな朝ドラはないですか?
失礼しました…。
あくまでも私の勝手なイメージです。
今まで朝ドラが好きな世代とかには少し物足りないような、わかりにくかったような、そんな感じもしてしまったのかな?と、勝手に想像しています。
気象予報士になるというストーリーのお話じゃないの?
と思ってしまったのかと。
もちろん、そこをストーリーの軸にはしていましたが、そこのみをメインにしていた物語ではなかったですからね。
このドラマは震災が含まれていたから難しかったように思います。
簡単に「よし!前向いて頑張っていこうよ」なんて言えなかったんじゃないかと思う。
かわいそうな話にもしたくなかったんだと思う。
震災にあったから、不幸で、大変で。
それでも前向いて頑張っています。
頑張っていたら、いいことありました。
みたいな、そんな簡単な話ではないし、そういう感じにはしたくなかったんじゃないかと。
『おかえりモネ』は、タイトルがモネと言っているように、主人公がモネちゃん。
モネちゃんなんだけど、モネちゃんだけじゃない。
みんながみんなそれぞれに抱えているものがある。
苦悩や葛藤、それぞれが抱えてる。
過去の傷もそれぞれに抱えている。
時には逃げたり、立ち向かってみたり、向き合えない時があったり。
誰かのためになんとかしたくても出来ないもどかしさ、無力さを感じたり。
どうにかしようと、もがいたり、乗り越えたりしている。
いわばみんなが主役みたいなお話でした。
モネちゃん世代の10代から20代が抱えているもの。
それもまたそれぞれに抱えているものや悩みとかあって。
簡単にわかるよと共感したり、頑張ろうぜとか励ますことも出来ない。
自分との葛藤。
友達との葛藤。
大切な人との葛藤。
家族との葛藤。
過去との葛藤。
未来への葛藤。
若者なりの葛藤。
それもさまざまある。
モネのお父さん世代の40代から50代。
こちらもそれぞれに過去があって、抱えているものもある。
過去の自分の行動と、今の自分の行動。
正解なのか正解じゃないのかもわからないままそれでも戻る事もできず、生活をしていく思い。
若者とはまたちょっと違う迷いや葛藤がある。
それもまた人それぞれに葛藤がある。
そしてモネのおじいちゃん世代。
さやかさんとかね。
こちらもそれぞれに葛藤がある。
今まで生きてきたプライドだったり、こだわりだったりがある。
その中で、時代の移り変わりがあり、次世代に引き継がせることや引き際の難しさ。
寂しさも感じたりする中での生き方。
さまざまにある。
だけど、この人たちがカッコいい。
カッコいいおじいちゃん、おばあちゃんがいてくれるから、こうありたいという未来や迎えたい未来に希望が持てる。
希望があるから、若い世代たちが迷わず迷える。
葛藤を抱えながらも色々模索して前に進める。
みんな繋がっているんだなと、そんな気がしました。
山も海も川も空もみんな繋がっている。
過去も未来も現在も繋がっている。
人もみんな繋がっている。
タイトルの『おかえりモネ』回収がまさかのりょーちんだったとは。
そこには驚きました。
キンプリの中で一番好きな永瀬くんだからいいけど、いいのかな?と思ってしまう自分もいます。
震災を丁寧に描いてくれた『おかえりモネ』
それぞれの年代、生きる場所の方々の葛藤を丁寧に描いてくれた『おかえりモネ』
本当にありがとうございました。