わたしに祝福されたわたし
花吹雪渦巻くとき、わたしの誕生
紅梅や桃、桜の花びら散る花吹雪は悠久の一瞬
儚さと愛らしさを紡ぎ合わせた
2人の象徴が新しい いのち
冬の寒さを知らぬまま
冷たい土地にひそむ胎動
いま、春の陽気に満たされ母をせがむ
心を揺さぶる花吹雪
べに色の花びら、白い花びら
黄色に揺蕩うミモザの束
多彩な色彩が絡み合う季節
春の生命の息吹と混ざり合い
鳥の歌声が響けば
辺りの美しさは、より一層
命の奇跡を輝きに変える花吹雪
生まれくるまでも死の間で揺れ動き
季節の彩りに宿った産声
儚さと希望に満ちた赤子の姿は
未来と夢の尊さを示す
四季の巡りと生命の恵み
喜びと悲しみを織り交ぜつつ
幸せの花びらが微風に流され
あれは何の花か
アスファルトをさらう花吹雪
喜びに包まれた人生が
風に乱れる花びらのように晩年の舞台を彩る
辛酸を知り尽くし、静かに目を閉じる
花吹雪の一生は地に還る