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☆癒しのとき・宝箱☆

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#Poetry

『スタンディング』ー詩ー

『スタンディング』ー詩ー

きっと私達は
似たモノ同士
歌っても、笑っても
振り向いてくれる人は居ない

偽善の世界で暮らすには
無関心を装うのが美しい
白くなった爪に
ホログラムを施す
真実を捻じ曲げ
荒れた唇にラップする

夢は冷め
現実は夢を吸い尽くす
呆れた顔して朝が近づく
接吻にはまだ早い

絵からイメージして書きました。 #詩 #poetry #lyric #私の作品紹介

『1,094日』ー詩ー

『1,094日』ー詩ー

この歌をBGMにお読みください💫

真っ白な雪に覆われた
あなたと愛したこの街
戻せない過去が
今も静かに眠ってる

ねぇ、起きてと
声をかけ
揺すってみる
過ぎた日々は
瞳を閉じたまま
深い寝息をたてる

あの日、あの時、あの場所
あの時の未来にいる私は
まだこだわっている
鍋にこびりついた焦げが
落とせないように

1,094日
明日の風を受け入れる前に
そう、明日の風を受け入れる前に
そう

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『残光』ー詩ー

『残光』ー詩ー

優しい朝
夜の寂しさを
少しだけ胸に
青く光っていたのは
忘れたくないあの時

長い髪を
書き上げる仕草
馬鹿だね私
髪を切って
もう一週間たつのに

意味もなく
足の指を眺める
ラジオからのラブソング
耳をふさいでも
心はふさげない

✴︎✴︎✴︎
#詩 #poetry #lyric #私の作品紹介

『朝を待つ』ー詩ー

『朝を待つ』ー詩ー

雪が落ちてきた
慌てたように落ちてきた
キタキツネは夢の中
私は言葉を
出したり閉まったり

遠くで聞こえる波の音
夜の輪郭を浮き上がらせ
冷たい夜は始まり
私は急いで毛布にくるまる

窓に書いた文字は
寒そうに浮かび上がり
どうしてで始まる言葉に
しょうがないと
私はつぶやく

✴︎✴︎✴︎

X投稿 #詩 #poetry #lyric #私の作品紹介

『隙間』ー詩ー

『隙間』ー詩ー

全て見なくて済む
ほんの三センチ程度の世界
近くのものは
素早く通り過ぎ
遠くのものは
少しの物語の破片を
見せてくれる

お前さんたちは
こちらを覗こうとはしない
いや
知ろうとはしない
紙幣が挟まっていたら別だろう
ギラリ光る宝石なら
シルクの様な美しい髪なら
アーモンドの様な瞳なら
笑い転げるほどの
幸せを手に入れられるなら
それなら別だろう

静かに朝を迎え
静かに夜を過ごす
静けさはひと

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『また、いつか』ー詩ー

『また、いつか』ー詩ー

一ヶ月ぶりに
君に会いに来た
きょうは少し
話せそうな気がする

タバコに火をつけて
君の好きな香りを飛ばす

女々しい言葉よりも
昨日食べたカレーのこと
新色のマニキュアが
気に入ってること
明日は満月ということ
しゃがんだ足が痛くなるまで
一人ポツポツと雨粒のように

色んな別れがあるね。

✴︎✴︎✴︎

こんな時間にXの下書きにあった詩を投稿してみる。
ずいぶん昔、旅先で20代前後の女性の

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『いつか』ー詩ー

『いつか』ー詩ー

仕合わせだった時間を
過去にすることができない
またそれが
いつか
季節を巡って
来るのではないかと
自分よがりな期待をする

空に咲かせずに
空を裂く

いつか
手放したものが
手放したかったもの
とは限らず

いつか
いつか
いつか
と。

✴︎✴︎✴︎

X投稿 #詩 #poetry #lyric

『横顔』ー詩ー

『横顔』ー詩ー

あなたはいつも
私の横顔しか見ていない

あなたはいつも
右目の目尻にある
枯れた花のような
ホクロしか見ていない

私の左の頬には
あなたに愛されたいと願う
雫がいつも伝っていることに
あなたは
気づいていない

NEKOさんの絵からイメージして書きました。
#詩 #poetry #lyric #私の作品紹介

『隣の仕合わせ』ー詩ー

『隣の仕合わせ』ー詩ー

「しあわせ」と書いて
文字をなぞってみる
指は無反応で
心はあせる

逆立ちして読んでみる
あ、やっぱり「しあわせ」
と書いてある
思わずけたけた笑う

部屋の壁に貼って眺める
トイレはどうだろう
なかなかいい眺め
大丈夫、大丈夫

おでこに貼りつけてみる
キョンシーのような私が
鏡を見ながら読む
やっぱりそこには変わらずある
すっかり親友になった気分

最後に「しあわせ」を
逆さまにしてみる

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『3.3グラム程度の勇気』ー詩ー

『3.3グラム程度の勇気』ー詩ー

必要がなくなっても
捨てられないものがある
「そんな時はね
ハサミで切ればいいのよ」
お姉さんはそう教えてくれた

チョキチョキという
可愛らしい音などしない
ハサミもためらっているのだ
あの時、あの人のために買った服も
あの時、あなたのために結んだ約束も
あの時、堪えた悲しみも

何故うつむくのか
垂れ桜のようにたれた頭(こうべ)

「勿体ないって思っていると
いつまで経っても捨てることはできな

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「名も知らぬ人」―詩―

「名も知らぬ人」―詩―

何気なく すれちがい
少し 気になった
亜麻色の 長い髪と 
彫像のような 後姿

次に 見かけた時も
何故か 心の隅から
離れなかった

ラッシュアワーの
気ぜわしい 時間
スマホを 見つめる
その人の 塑像の横顔から
僕は 目を離せなかった

丘の途中の ベンチに座り
犬と一緒に ぼんやりと
休日の 街並みを 見降ろしてた

誰かが 坂をのぼってくる 足音・・
突然 犬のルルが 
君の足元に 

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『フィンガー』ー詩ー

『フィンガー』ー詩ー

人差し指は脳の先
人差し指は意志の先
人差し指は未来を指し
人差し指は未来をツブす
人差し指で描いた円は
私だけの燻る太陽

“先生、私を計算式に当てはめてみてください“

久しぶりにNEKOさんの絵から詩を書いてみました。 #詩 #poetry #lyric #私の作品紹介

『ソラとホシと』ー詩ー

『ソラとホシと』ー詩ー

君に見えただろうか
君に聞こえただろうか
沈黙が落ち葉のように
落ちてゆく音を
遠くに溶けてゆく日々の色を

白い羽根が風に舞う前に  
そっと耳をふさぐ
世界をシャットアウト
あゝ 命を宿した木の下で
また別の命が芽吹く

息をひとつ。
ゆっくりと回り出す宇宙(そら)
何もない場所に ひとすじの青
誰かが作った境界線
誰かが作りたかった
新しい宇宙(ほし)

忘れたかった物語を
流れ星に巻きつけ

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「冬」-詩-

「冬」-詩-

カイロをペタペタ背中に貼って
待ちきれない気持ちで外にでる
去年よりも、5年前よりも
ずっとずっと前よりも
少し不便になってきて
冬は年齢を重ねていることを自覚させられる

ゆき
ふわりと
まつ毛に、手のひらに

景色を彩っていたのは
花や鳥だけではなかったはず
白い雪に覆われた公園は
記憶をたどりながら
歩かなくてはいけない
チューリップに紋白蝶
そしてあなたの声が
前髪をゆらす
思い出を映しだ

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