#短編小説
美人かもしれない|ショートショート
自分が美人じゃないことぐらい、わかってる。
だって、他の子が「美人だね」って言われてるというのに、私は「飽きない顔だ」って言われるんだもの。
「飽きない顔」って言われながらも、男の子が選ぶのは、やっぱり美人だ。
どうしてなのよ!
ふつふつとした思いで歩いていたら、ある神社が目に止まった。
「鴨志玲内神社 美人祈願」
美人祈願。今、私が求めてたことだ。
境内の石板にはこう書いてある。
祀られ
掌編小説|アムール・デュ・ショコラ|シロクマ文芸部
甘いものが流れてきたら、それ食べて帰ろうな。それで、いいよな。
返事はない。今日はずっと無視されている。
一緒にいる相手との関係が順調でも気まずくても、夜になれば腹は減るから回転寿司に入った。レストランと違って、一緒にメニューを選んだり、料理を待つ間の沈黙に耐えなくてすむ。
弥生は席に座ってから一度もおれと目を合わせない。適当に流れてきた寿司の皿を掴んでは黙々と口に押し込んでいた。その一
短編 | 私の人生はいかんとですか?
短編 | 私の人生はいかんとですか?
目覚めると見知らぬ光景が広がっていた。明らかにここは、ケーニヒスベルクではない。いまだに元気ではあるが、やるべきことはすべてやったという気持ちはあった。残りの人生は、普通に散歩して、無理せずに死を迎えるまで、悠々自適の生活を送ろうと考えていたのに。なぜ、よりにもよってこんな荒野に、私は立っているのだろう?
渾身の力を注ぎ込んで書いた理性能力に関する私の
小説 | 夕焼けを眺めながら
「あぁ、今日も終わったな」
夕焼けを見るたびに、気持ちに一区切りがついたように思える。
悩み事なんて外から見えるものではない。自分ではなんとも思っていないのに「大丈夫だよ、気にしなくていいんだよ」なんて繰り返し何人もの人から言われると、「気にしなくちゃいけないのかな」と思えてくる。
何度も言葉がブンブンと頭の中を飛び交ううちに、やりきれない気持ちに包まれてくる。
もしも僕がいっさいの言