『ソウルメイト』試写会
香港デレク・ツァン監督の『ソウルメイト/七月と安生』の韓国版リメイク。
こういう密度の関係性って、映画や漫画や小説や、形はどうあれ、ストーリーの題材としてよく見かけるけど、どのくらいリアルな世界なんだろう?と、考えてしまう。少なくとも、私の身近では全然みないし、聞かないので。
二人が共有したものとか、男女の役割とか、韓国版では整理されて、ライトな仕上がりだった。はっきりと、これは女性の物語だった。
恋愛の関係性かどうかに関わらず、「あなたしかない」って言える相手がいることは、奇跡的だなぁって思う。
つい先日、コロナ禍を理由に会えていなかった20年来の友人と、数年ぶりに会ってみた。こんなにストレスなく会話できる相手が私のそばにいたことがあまりにも嬉しくて、泣きそうだった。私にとっての奇跡的な相手はこういう感じ。
ストレスのない会話ができるってことが、どれほどむずかしいのかってことは、文通村で学んだことの一つだ。関係を続けることは、年齢を重ねるほどしんどくなる。引きこもればひきこもるほど、誰かと出会ったときには胸が震えるほど嬉しい。嬉しいのだけれど、依存してはいけないと思って、いつも全面に遠慮感を出してぎくしゃくしてしまう。まったく面倒なやつだ、私は。
劇中、「お母さんの思う通り平凡に生きられなくてごめんね」と謝る場面がある。それを受けた母は、好きに生きていいのだと背中を押すのだけれど…
私もいつかこれを、母に伝えたい…? …いや。
「全部じゃなかったかもしれないけど、あなたの思い通りの人生を、私は十分生きたよ。」って言う。
なんで、親の、誰かの、望むように生きなくちゃいけないんだろう。私はどうして、そういう信念を持ってしまったんだろう。疑問に思いながらなお、どうして私はそれに従ってしまうんだろう。